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【連載版】異世界スプーンおじさん~世界を救う勇者  作者: 楊楊
第二章 領主編

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91 決戦

 ガネーシャへの信仰心は、順調に集まっている。

 それとルシルさんが上手く、馬鹿女神にバレないように徐々に馬鹿女神の信仰心の比率を多くしていたので、半年以上経っても、まだ馬鹿女神にバレていない。

 ただ、それも限界に近いらしいけど・・・


「どうもエリス様に気づかれたかもしれないのです。この前、信仰心が足りないと大騒ぎしていましたからね・・・」


 俺は疑問に思ったことを口にする。


「ところでエリス様は、何に信仰心を使っているのでしょうか?」

「今は上級神になろうとして、その接待や贈り物なんかですね」


 おい、馬鹿女神!!

 信仰心をそんなことに使いやがって!!


「それって、どうなんですか?」


「多少はあると思いますが、エリス様の場合は露骨で・・・それにエリス様のことを不審に思う上級神様もいて・・・」


 ルシルさんが、急に歯切れが悪くなる。


「でも、もう限界なんですよね?」


「そうです。バレた時のことを考えておかないといけませんね・・・」



 ★★★


 とうとうその日がやって来た。

 馬鹿女神が、何の前触れもなく降臨した。

 住民たちは、大騒ぎだ。


 馬鹿女神はというと、怒り狂っていた。


「邪神ガネーシャ!!出てきなさい!!信仰心を不当に掠め取ったことは許せません。そんな卑怯なことをする者は、神の風上にも置けませんよ!!」


 どの口が言っているのだろうか?

 それって、自分のことじゃないのか?


 事情を知っている者は、みんなそう思っただろう。


 マリアさんが馬鹿女神に答える。


「ガネーシャ様は、邪神などではありません。立派な神様です。それに信仰心を掠め取っていたのは、エリス様ですよね?」


「ま、マリア・・・何てことを言うのですか!?もしかして、ガネーシャに洗脳されたのですか?何と卑怯な!!」


 ルシルさんが割って入る。


「エリス様、落ち着いてください。こちらの書類をご覧ください。この書類によると、ガネーシャ様は正当な、権限を行使されただけなのですよ」


 馬鹿女神は、書類を確認して、怒りに震えていた。


「この手続きをしたのは、誰ですか!?」


「私です。ガネーシャ様に依頼されましたからね。流石に天使の身分ですと、神様には逆らえませんからね」


「ルシル!!貴方も洗脳されてしまったのですね?」


 馬鹿女神の体が、赤いオーラに包まれた。


「これはもう仕方がありません。残念ですが、貴方たちに天罰を与えます」


 どうして、そうなるんだ?


 俺は、馬鹿女神に語り掛ける。


「お待ちください!!とりあえず、落ち着いて!!私たちは、エリス様のために信仰心を集め、頑張ってやって来ました。それを疑われるのですか?」


「確かに・・・でも・・・」


 馬鹿女神は少し悩み始めた。


「ではこうしましょう。そこにいるガネーシャを討ちなさい。それで信仰心があると認めましょう」


 もう言っていることがめちゃくちゃだ。



 ★★★


 なんとか、落ち着かせて話をしようとしていたところに、サチコさんがやって来た。

 運がいいのか、悪いのか、馬鹿女神と鉢合わせしてしまった。


「アンタ、何を言っているんだい!!そもそも、アンタがちゃんと神様の仕事をしないから、こんなことになったんだろうが!?それにアンタは気遣いってのが、全くできてないよ。もうちょっと他人のことを考えなよ!!」


 それからも、サチコさんのお説教が続いた。

 サチコさんの言っていることは、もっともだ。俺たちの気持ちを代弁してくれている。

 馬鹿女神はというと、だんだん涙目になって、とうとう泣き出してしまった。


「うっうっううう・・・私だって頑張っていたのに・・・どうして、そんな酷いことを言うんですか?」


「アンタが、頑張ったかどうかなんて関係ないんだよ。結果がすべてだ。多くの人が、アンタの所為で迷惑しているんだ」


「もういいです!!神器は回収します。それに天罰も与えます!!」


 ちょっとサチコさん!!

 気持ちは分かるけども・・・ここは冷静にならないと・・・


 馬鹿女神はというと、何やら呪文を唱え始めた。

 しばらくして、俺たち転移者の体が光輝いた。しかし、それだけだった。


「そ、そんな・・・何で、回収できないの?もしかして・・・」


 サチコさんが言う。


「私たち全員が、ガネーシャ様に加護をもらっているからね」


「この邪神め!!もう許しません。天罰を与えます」


 馬鹿女神は、大きな火の玉を無数に出して、手当たり次第に投げ付け始めた。

 一番恐れていたことが起きた。

 しかし、その火の玉は、すぐに消滅した。


「なぜ!?」


 そこに登場したのは、エスタエーデル様だ。


「いくら神とはいえど、ダンジョンの中での神力の使用は、御法度じゃ」


「何者?」


「妾《わらわ》は、しがないダンジョンマスターじゃ」


 馬鹿女神は、少し考えて言った。


「こうなったら、仕方ありません。ダンジョンマスターごと天罰を与えます。証拠隠滅です」


 意味が分からなくなってきた。

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