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【連載版】異世界スプーンおじさん~世界を救う勇者  作者: 楊楊
第二章 領主編

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89 新たな信者たち 2

 俺たちは、獣王国にやって来た。

 今回の最後の訪問国だけあって、既に神殿が完成しており、ガネーシャのコラボグッズも多数用意されていた。

 それに輪をかけて、熱烈な歓迎を受ける。


「ガネーシャ様!!」

「獣人の神様!!」

「有難い!!生きている内にお目にかかれるなんて・・・」


 獣王自ら出迎えにも来てくれる大盛況だった。


 こちらは、特に何もしなくても信仰心は集められているようで、秘書的なポジションになったマリアさんも嬉しそうだった。


「ここまで熱狂的な歓迎を受けるなんて、感激です。すぐにコラボグッズの選定に入りますね」


 まあ、俺としてはいつもどおり、スプーン曲げを披露して場を盛り上げたけどな。


 ここでの活動は、獣王国で作物があまり育たない地域に出向いて、品種改良した作物を植えたり、愛子ちゃんのジョウロで枯れかけていた草木を元気にしたりといった活動がメインだった。どこにいっても、住民たちには感謝をされていた。


 ルシルさんが言う。


「この調子でいけば、すぐに信仰心が集まるでしょう」



 ★★★


 各国への訪問を終えた俺たちは、勇者の町に帰還した。

 帰還してすぐにショウタ君から報告があった。


「実は、未探索の氷山で謎の転移魔法陣が見つかったんだ。冒険者パーティー「魔道女子会」を中心に調査を進めているけど、間違いなく伝説の転移魔法陣らしい。まだ、誰も踏み入れていないけどね」


 カヨさんが言う。


「もし危険な場所に転移させられたら、大変なことになりますよね。最初に転移魔法陣に入るのは、命懸けですし・・・」


 ショウタ君が言う。


「まあ、ダンジョンだったら普通なんだけどね」


 ダンジョン?

 あれ?


 俺はあることを思いついた。

 すぐに勇者の町に滞在しているハイエルフの姫であるエスタエーデル様を訪ねた。


「転移魔法陣が見付かったとな?わらわが助言できることは、「恐れずに立ち向かえ」ということじゃな。勇者には祝福が与えられるじゃろう」


 カヨさんが小声で言ってくる。


「これって、行けってことですよね?それも私たちのために何かしてくれてるんじゃないでしょうか?」

「俺もそうだと思います」


 俺は、エスタエーデル様にお礼を言った。


「礼などはいらんぞ。わらわはダンジョンを増築しただけじゃからな」



 それから3日後、俺たちは氷山に向かった。

 氷山に入って1時間程で、転移魔法陣が見つかった洞窟に到着した。


「じゃあ、私から入りますね」


 カヨさんが言う。


「私も一緒に行きますよ」


 俺とカヨさんが一緒に転移魔法陣に入ると、光に包まれた。

 馬鹿女神に転移させられた時に感じた不思議な感覚だった。しばらくして光が収まると、そこは洞窟のような場所に転移していた。

 俺とカヨさんは、洞窟の出口に向かって進む。すぐに出口に到着し、洞窟の外に出た。


「こ、ここは・・・」

「エスタエーデル様も何だかんだで、私たちのことを気に掛けてくれていたんですね・・・」


 俺たちが着いたのは、ガネーシャの神殿のすぐ近くだった。

 すぐに転移魔法陣に戻り、一緒に来てくれていた冒険者に状況を伝える。

「疾風団」のリーダーであるカールさんが言う。


「えっと・・・転移した先が暗黒大陸で、ガネーシャ様の神殿のすぐ近くだって!?何でこんなことに・・・」

「どうしてかは分かりませんが、これを利用しない手はないですね」


 ★★★


 この転移魔法陣のお蔭で、暗黒大陸との交流も活発になった。

 ガネーシャも愛子ちゃんも、大喜びだ。


「便利な物ができたものだ。神に感謝しなければならんな・・・」


 愛子ちゃんがツッコミを入れる。


「神に感謝って・・・ガネーシャさんも神様でしょ?」

「それはそうだが、我の他にも大勢神はいるのだ。たとえばダンジョン神とかな・・・」


 ダンジョン神か・・・

 馬鹿女神とガネーシャ以外の神様に会ったことはないけど、もしいるとするなら、いい神様なんだろうか?


 愛子ちゃんが興味本位で聞く。


「ダンジョン神って、どんな神様なの?」

「色々な世界でダンジョンを作っているそうだ。我も詳しくは知らんが、気まぐれな神のようだ」


 まあ、どんな神様かは置いておいて、感謝だけはしておこう。


 暗黒大陸との交流ができたことで、勇者の町は更に発展する。

 暗黒大陸に観光に行く貴族たちも出始め、そのついでに勇者の町に宿泊するので、大きな収入を得ることになった。


 一方魔族はというと、こちら以上に大盛り上がりだった。

 ガネーシャへの信仰が高まったことは言うまでもないが、こちらの大陸にやって来る魔族も多くいた。


 多少、トラブルはあったけど、今のところ大きな問題は起きていない。

 ただ、氷山のエリアボスであるブリザードドラゴンを討伐させられたのは、ちょっと予定外だったけどな。


 でも、魔族とこちらの大陸の精鋭たちで討伐したことで、友情も深まったと思う。これもエスタエーデル様の計らいなのかもしれない。


 まあ、そんなこんなで、順調にガネーシャへの信仰心は、集まっているというわけだ。

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