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【連載版】異世界スプーンおじさん~世界を救う勇者  作者: 楊楊
第二章 領主編

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65 そして冒険へ

 エスタエーデル様の機嫌を損なわないように、慎重にグレーテルお嬢様の話にもっていく。


「ところで、加護と呪いの話も詳しく聞きたいのですが・・・」

「よし!!いいことを思いついたぞ。そちらの娘は、加護を解除してほしいのじゃな?」

「そ、それはそうですが・・・」

「だったら、火山、氷山、砂漠の内、何れかのエリアボスを討伐してみよ。それが出来れば、加護を解除してやってもよいぞ」


 いきなり条件を突き付けられた。


 というか、この少女は全く話を聞かないな・・・



 そこで、面談は一旦終了となった。

 エスタエーデル様はというと、降臨祭の時に建設した高級ホテルのスイートルームに宿泊してもらっている。接待係はサクラさんにやってもらっている。サクラさんは上手くコミュニケーションが取れているからな。因みにサクラさんのお子さんは、パメラさんに見てもらっている。


 その間に俺たちは、会議を開いた。

 開口一番、グレーテルお嬢様が言った。


わらわのために冒険者を危険に晒すことはしたくはないのじゃ・・・」


 これはグレーテルお嬢様の本心からだろう。


 だから、俺は言った。


「十分にグレーテルお嬢様の優しさは分かります。だったら、志願者のみで討伐をしませんか?それなら文句ありませんよね?私はもちろん参加しますけど」


 これにはカヨさんとショウタ君も同意する。

 ショウタ君が言う。


「希望者は後で募集するとして、どのエリアを攻略するかだね?」


 カヨさんが答える。


「冒険者に調査依頼を出すのはどうでしょうか?私たちは戦闘力は高いですが、索敵や探索はベテランの冒険者に敵いませんからね」

「冒険者ギルドとしては、儲かるからいいけどね。それに仕事を受けてくれるパーティーにも心当たりはあるしね」


 話をまとめる。


「では、冒険者ギルドに調査依頼を正式に出します。そして、その間に私たちは、戦闘訓練でもやりましょう。シールドラゴンを討伐した時のように大人数での討伐となれば、事前に訓練をしたほうがいいと思います」


 ここでアイーシャ皇女が声を上げる。


「それならば是非、帝国の騎士も参加させてください。危険な任務ですが、参加しないわけにはいかない事情があるのです」


 帝国はプライドの塊だ。

 シールドラゴンに引き続き、今回の討伐作戦に帝国の関係者が誰も参加しないとなると、面目が立たない。なので、アイーシャ皇女が声を上げたのだ。


「分かりました。ただ、こちらの指示に従うようにだけは、言っておいてくださいね」



 ★★★


 早速冒険者たちが、未開の地の調査を開始する。

 その中心にいるのが、勇者の町開拓当初からお世話になっている「疾風団」「魔道女子会」のパーティーだ。

 実力もあり、経験もある。それに少しだけだが、俺とカヨさんと一緒に火山や氷山に立ち入ったことがあるしな。


「疾風団」のリーダーであるカールさんが言う。


「全く・・・一度は開拓を諦めた砂漠なんかの調査に行かなくちゃいけないとは・・・まあ、報酬がいいだけが救いだけどな」


 文句を言いながらも、カールさんたちは嬉しそうだ。


「くれぐれも、気をつけてください。何かあったらすぐに逃げてくださいね」

「言われなくても分かってるよ。アースドラゴン級の魔物がいるんだろ?逆立ちしても、俺たちだけじゃ敵わないからな」


 そういえば、カールさんたちとは、共に修羅場をくぐってきたんだった。


「分かりました。お気をつけて」



 それから1ケ月が経った。

 カールさんたちが報告にやって来た。報告書を確認しながら、直接カールさんからも説明を受ける。


「こちらの結論としては、砂漠の探索を推奨する。砂漠が探索しやすいってわけじゃなくて、消去法だ。火山と氷山だが、ありゃ駄目だ・・・」


 カールさんによると、火山と氷山は人が活動する環境にないという。


「活動するだけで命懸けだ。その上で、アースドラゴン級の魔物の討伐なんて、死人が何人出るか分からん。まだ砂漠は、火山と氷山に比べればマシだが・・・」


 砂漠も地獄だ。

 経験者は語るというやつだ。昼は滅茶苦茶暑いが夜はかなり冷える。人が住むような環境ではない。実際住むことを諦めたしな。


「分かりました。それでは、砂漠を中心に探索隊を編成しましょう。もちろん私も行きますよ」


 そうして、探索隊が編成されることになった。

 俺が早い段階で探索隊に加わることにしたのは、被害を最小限にするためだ。不意な戦闘になったときに、俺のスプーンシェルターがあれば何とかなる。

 というのも、砂漠は足場が悪く、更に高温なので、普通の騎士や冒険者は普段の実力の7割出せればいいほうだ。

 それに補給の問題もある。普段以上に水は必要になるし、栄養補給も必要だ。となると、補給部隊も増員しなければならない。


 カヨさんが言う。


「いきなり、大部隊を率いて探索するのも現実的ではないですね。どうしても少数精鋭で探索隊を組むしかありませんね」

「私もそう思います。ただ、本当に厄介ですね。まずは、第一陣の人選をしないといけませんね」


 俺とカヨさんとショウタ君は決定として、後のメンバーは・・・

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