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第21話:雪崩の洗礼
轟音。
それは山が怒りに震えるような、腹の底まで響く地響きだった。
谷の頂に溜め込まれていた数万トンもの雪が、まるで意思を持った獣のように斜面を駆け下りる。
前方の街道を埋め尽くしていた豊臣の先陣たちは、何が起きたのかを理解する間もなく、白銀の濁流へと飲み込まれていった。
「なっ……! 山が崩れただと!?」
蒲生氏郷の悲痛な叫びが雪煙の中に消える。
あれほど完璧に統率されていたはずの軍勢が、一瞬にして混沌の渦に巻き込まれ、雪の中に姿を消していく。
鎧の重さなど、この暴力的な自然の前では無意味だった。
「これだよ、氏郷殿。これがこの地の本来の姿だ」
俺は冷え切った空気を深く吸い込み、崩壊する敵陣を双眼鏡越しに凝視した。
ここからが本番だ。
雪崩に巻き込まれ、身動きが取れなくなった敵を、俺たちの「近代戦術」が容赦なく狩り尽くす。
「実平、撃ち始めろ。一人残らず、この雪の中で『天下』の夢を終わらせてやる」




