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渋谷少女A―続編・山倉タクシー  作者: 多谷昇太
第二章 デュランス河のほとりで

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捕まえて!その男を捕まえて!

「捕まえて!その男を捕まえて!」人影のうちの1人が私に叫んだ。よしとばかりあとを追うが如何せん古希間近かの、しかも万年寝不足で体力の弱った身、息はすぐにあがり夜霧にも邪魔されて男を捕まえることができない。しかし「待て。この野郎」と云いざま女性のうちの1人が男を追いこれに取りついたようだ。十数メートル先で黒い影2つが揉みあっている。大変だ。助けなければ加勢しなければ…私は必死に走った。女性を払いのけた直後の男の腕を捕まえたが「野郎」とばかり男が私の顔を殴りつけ私は見っともなくも仰向けにひっくり返ってしまった。さらに男は女性の腹に蹴りを入れ「ウッ」とうずくまる女性を尻目に白髭橋方向へと走り去ってしまう。もうどうしようもない。私に追う体力はない。それでも何とか立ち上がるとうずくまる女性のそばに行って「だいじょうぶですか?」と声をかける。殊勝にうなずくがまだ声は出せないようだ。見れば20代半ばくらいの女性でどこか東南アジア風の長いスカートを穿いた、半袖のブラウス姿である。するうちに下から女の子を引き連れていま一人の女性が上がって来た。「ビアク!だいじょうぶ?!」叫びざまうずくまる女性の肩を抱きいかにも心配気だ。その女性のそばで佇んでいる何ともやるせな気な、泣きべそをかいている幼女の姿に私は感極まってしまう。川に投げ込まれようとしただと?こんな幼気ない(いたいけない) 子を…思わず抱き上げて「かわいそうに!も、もう大丈夫だからね。遅くなった…小父さんが悪かった」と告げては涙ぐみもしてしまう。しかしその「遅くなった」という言葉を聞き咎めて連れを介抱していた女性が「あの、遅くなったって…あ、あなたは、その…この子のお知り合いですか?」と聞いてきた。

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