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渋谷少女A―続編・山倉タクシー  作者: 多谷昇太
第二章 デュランス河のほとりで

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山倉タクシー登場

「はい…」私が説明しようとすると下の車道に停車した車(さきほどのゆっくりと近づいて来た車だ)のドアが開いて男が声をかけてくる。「おい、どうした?終わったのか?」濃霧のために我々の姿をよく確かめも出来ずに聞いてきたようだ。剣呑な内容のその問いに私と一瞬顔を見合わせてから「誰ですか?あなたは。終わったのかって何のこと?」と女性が訊くのに「なに?女?…ちっ、いったいどうなっているんだ?」とばかりに鉄柵を乗り越えてこちらに上って来ようとしたがしかしこの時さらにもう一台の車がうしろに来て停車しバザーランプをたいた。車の屋根におぼろに浮かんだ行灯あんどんから見てタクシーのようだ。「やあ、今晩は。どうしました?堤の上になにかあるんですか?」などとおせっかい極まりないことを聞いてくる。決まり悪げにまた苛立たしげに男はもう一度鉄柵を乗り越えて車に戻りそのドアに手をかけながら「い、いや、何も…ちょっと小便をしようと思っただけだ。だが、もう止めた」と吐き捨てるように云い残してから、そのまま車を急発進させ走り去ってしまった。一方タクシーは動かずに停車したままである。そこから運転手が出て来われわれに声を掛けた。「もし、そこにどなたかおられるんですか?こんな夜中に何をしてらっしゃるの。いや、その、おっせかいかも知れないけど…」などと云う声を聞けばこれは先ほど宵のこと、何と20年ぶりに再会した山倉の声に違いない。助かったがしかしなぜ彼がいまここに?と不思議に思わぬでもない。しかし今はとにかく渡りに舟で私は「山倉さん!山倉さんでしょ?俺だよ。田中、田中。さっき車に乗せてもらった田中ですよ」と大きな声で返答をする。

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