冤罪晴れる
「おはよ〜⋯⋯あれ?夏希ちゃん、どうしたの?顔赤いよ」
「⋯⋯な、何でもねえよ。それより朝飯できてっから千秋起こしてくれよ」
「わぁ、朝ごはん作ってくれたんだぁ!ありがとね♪」
「このくらい余裕だっての⋯⋯」
「夏希お姉さんは料理上手で素敵です。私も見習わなくちゃですね」
「やかましいわ!お前、後で覚えとけよ!」
「そんな悪党の定番のセリフを言わないでください。まあ、良いじゃないですか。これでおあいこという事で。私は勝負はフェアにするタイプです」
「こんなありがたくないフェアは初めてだわ」
「まあまあ、減るもんじゃないですし」
「オッサンみてえな事言ってんじゃねえよ!!」
「まあまあ、二人とも⋯⋯朝からケンカはやめよ?」
「ほら、お兄さんもこう言ってることですし」
「お前は朝から得したからな!とにかくアタシの貞操を奪った責任をとれ!」
「その言い方やめてくれませんかねえ!?」
「て、てて、貞操!?直くん?夏希ちゃんに何したのかな?お姉ちゃんに詳しく聞かせてもらえる?」
「いや、これは俺も巻き込まれたと言いますか、被害者寄りと言いますか⋯⋯!」
「あん?アタシの胸に不満があるってのか?」
「いや、まったくありませんとも!最高でした!」
「お兄さん。その発言、墓穴を掘ることになりますよ」
「あっ」
「直くん!そこに正座しなさい!!」
「もう⋯⋯何?朝からうるさいんだけど⋯⋯」
こうして賑やかな朝に俺達は賑やかな朝に少しだけ冷めた朝飯を食べた。
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夏希さんと真冬ちゃんの必死の言い訳と懇願により、姉さんからの懲罰は免れた。マジで危なかったわ⋯⋯姉さんから暗黒闘気を感じたもん。千秋はなんか面白がってるし。
「で、落ち着いたところで今日はどうする?」
「「⋯⋯⋯⋯」」
「いや、何もないんかい!」
「まあこれに関しては実際子供にどうこうできる問題ではないですからね」
よくわからない事ではあるが、やはり子供を作った夫婦が離婚を選択するなんて、よほどの事だと思う。
そもそも二人が別れるという選択肢をしている以上、それを変える事などできるはずもなく⋯⋯。
「何もしなくて大丈夫です。これは私のワガママでしかないので。ただあの二人が好き勝手やるなら私も好き勝手やります」
「つったって、お前中学生なんだぞ。金もない、稼げない状態でどうすんだよ」
夏希さんの至極真っ当な指摘に真冬は不敵な笑みを見せた。
「一応両親が私のために貯めておいてくれた貯金通帳をくすねてきました」
「「案外余裕あんな、お前!!!」」
つい夏希さんとハモってツッコんでしまった。




