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リミックスⅠ  作者: E..
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26/29

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 いつもの昼休み、桜夜から始まる。

「りーみーみー! 一緒にコラボメニュー来月行こうよー!」

 とても嫌な予感がした。

「何が?」

「これだよ! これ! バーサーカーのコラボイベント!」

 そうだった、バーサーカーのコラボ今日の朝10時に公開すると颯太から聞いていたのに、どうせ大した事はないと忘れていたのだ。

 でも、行くなら他の子達で行って欲しい。

「なんで私?」

 ジュリアが輪に入る。

「理美ちゃんは、その意外とお詳しいと申しますでしょうか」

「経験者と言うか」

 美空まで入るので流石に才斗経由で流れたかと疑った。

「美空ちゃん、誰かに聞いちゃいけない話を聞いたとかは、無い?」

「違う違う、前々からお父さんが理美ちゃんと仲良くするよう言ってて、人気のバーサーカーも元々颯太さんの車好きで出来たゲームだって聞いてたから」

「……やっぱり漏れてるじゃん」

 呆れる理美は同グループで企画したコラボなので、正直行きたくはない。

 行くとしても視察だけだ。

 こうなるとコラボグッズとか欲しいとか言い出さないか心配になる。

「理美みは心配しょうだのう、身内がいるからタダで貰おう、リーク情報貰おうとか思わんよ」

「ほう、では、対価を払うとな?」

「ノンノン、我々正しきオタクはルールを守る絶対、ゲーム続けて欲しい、ただそれだけ」

 なるほど、ならばこの問いしだいで、行くか決めよう。

「ちなみに転売ヤーは?」

「買わない、死は救済だと思うな」

 素晴らしい殺意だ。

 人類の敵はマナーの悪い人類とよく分かる。

 納得した所で、覚悟を決めた。

「よし、分かった1回だけ付き合うよ」

「よっしゃ!」

 喜ぶ桜夜を他所に、美空が言う。

「でも、ウチのグループ、社員割無いよ?」

「なんの話?」

 知らないオタクは頭にハテナを浮かばせ、飲食部門の社長がキレた。

「……才斗さんからか?」

「怖い怖い!!」

 桜夜は気付いた。

 これ以上友達が関わる自分が好きな部類には極力近付いては行けないと――。

 美空が話を変える。

「でさ、前に行方不明になって子達、見つかったって」

「良かったです」

「でも代わりに藤浦愛弓って言う先輩がなんか発作で倒れて今も意識不明の重体だって」

「怖いよ、なんで見つかったと同時に意識不明の人間が出るの」

 理美からすれば身から出た錆とも言える。

 実際、あの後から周りの目がガラリと変わり、気にならなくなっていた。

 嫌味すら無い、嫌悪感も無い、赤の他人でありお互いが空気の様な関係。

 本来それ位が丁度良い。

 こうして平和になったのだから、思ったより早めに距離を戻そうと思っている。

 でも実際、冬美也は来ない。

 勿論ゼフォウもだ。

 ゼフォウには悪い事をしたと思っている。

 今はまだ距離をあけるべき時期なのかもとも思った時だ。

「理美ちゃんいる?」

 想像のはるかに超え、ゼフォウが普段通りやってきた。

「わお、普通に来た」

 ふと、この間呼ばれて暫く帰ってこなかったのを思い出し、桜夜が聞くも理美は内緒にしてそのままゼフォウの元へと行く。

「あれこないだ、呼ばれたの何だったの?」

「内緒」

 ゼフォウだけ来ていたので、理美はつい告白を断ったのに好きな相手を探してしまう。

「どうしたの? そういえば冬美也は?」

「アイツ、暫く気持ちの整理したいからちょっと我慢」

 その事をloinではなく口頭で伝えるとはこれ如何に。

 そもそも気持ちの整理したいのはゼフォウの方ではと考える。

「えっ……普通逆じゃなくて?」

 1番考えたい本人も同意だ。

「思い切り俺も思う」

「私、何かしたのかな?」

 色々考えるも、あの騒動もそうだし、それともあの時助けるよりそっちを優先したのがいけなかったのか。

 なんとなく理美が必死に考えている中、ゼフォウはほぼほぼ元凶を教えた。

「ううん、多分あんたとこの先生が大元の原因だから」

「誰がですか?」

 思い切りバートンが後ろに立っている。

 ゼフォウも最初授業始まったのかと驚きながらも教室の時計を見てもまだ十分に時間があるのだから本当に何しに来たのか。

「うぉぉぉう! なんでいるの⁉︎ まだ授業じゃないのに!」

「フィンがここに来るのが見えたので、注意に来ただけです」

 ただの注意で来たので、ゼフォウからすれば本当に何もしていなのにどうしてそういうのかと泣く。

「酷い、何もしてないのに」

 バートンからすればそんなのより、あの時の話を振る。

「そういえば、理事長室になんで呼ばれたんですか?」

 告白後の破局からアダムがやってきての流れなので本当にここでは話したくはない。

「何でもないです」

「そう、2人だけの秘密だよ」

「……」

 凄い眉間に皺が寄る。

 これは正直に話さなかったからなのか、でもこれは大事な青春の1つ、話す必要もないのだ。

「まっ、loinじゃ味気ないからねぇ、詳細はまた」

「詳細も何も」

 言っている間にゼフォウは行ってしまった。

 冬美也が悩んでいる、自分に出来る事は無いのだろうか。


 その夜、理美はloinをするも、冬美也から反応がない。

 仕方がないので、結局ゼフォウにloinする。

 理美

[ねえ、冬美也から連絡はいらないんだけど、大丈夫なの?]

 ゼフォウ

[ほらぁ、やっぱりそうなってたか! ちょっと待って、アイツ叱るわ今]

 理美

[いや、私が言う事聞かないで連絡しただけだから嫌ならもう]

 ゼフォウ

[大丈夫! 返事位はさせるから!]


 数分後――。

 ゼフォウ

[ダメだアイツ、もう絞めるわ]

 理美

[だから絞めないで、私が連絡しようとしただけだから]

 ゼフォウ

[……変に気を遣わなくて良いから]

 理美

[はい、ごめんなさい]


 結局連絡は諦めるしかなかった。

 同時刻にて、冬美也とゼフォウの自室でめちゃくちゃゼフォウが怒っている。

「連絡位は入れろって言ってんだろ」

 原因はバートンだろうが、心配してくれているのにそれを蔑ろにされては元もこうもない。

 冬美也も連絡を入れなくてはと考えるも、やはり決定打となった自分のせいで理美を巻き込んで、それだけじゃなくいざ助けていたのはバートンだ。

 それを知ってしまってから顔も出しづらければ、ここまで落ち込む事ないだろう。

「……分かってるんだけど、こうモヤモヤが募って」

「そのモヤモヤを話せよ」

 理美に話せば、笑われるに決まっている。

「でも、これ話して笑われるまで想像が」

「それで幻滅する程度なら俺に寄越せよ」

 告白するタイミングが間違っていたと内心分かっていたのに、冬美也が煽るのだ。

「振られておいて」

「お前やっぱり殴り飛ばす、いや吹っ飛ばさせてもらうわ!」

 本気で怒ってしまった。


 次の日、理美が食堂に行くと丁度冬美也とゼフォウがいた。

 これはチャンスだと思って近づこうとしたが、他の子達が冬美也達に近づき、一緒に食べても良いかと言うと、普段断りそうなのにゼフォウがぶっきらぼうに許可まで出している。

「あの、フィン先輩神崎先輩良いですか?」

「良いよーこのあほんだらと一緒に」

 よく見ると、2人とも顔が腫れているのだ。

「何かありました?」

「コイツと喧嘩」

 皆驚くが、もっと驚くのはなんだかんだ一緒によく座るなである。

 これは自分が勝手に連絡したせいだと感じ、一旦部屋に戻ろうとした。

「おはようございます、理美嘉村、今度はどうしましたか?」

 その言葉に丁度許可を取ったゼフォウも冬美也も驚き理美の方を見たが、バートンに睨まれてしまう。

 この状況で理美はなんて言えばいいのか分からない。

「あっいえ、忘れ物です」

「食べてからでも良いじゃないですか?」

 どうせ部屋に荷物を取りに戻るにとバートンが首を傾げる。

 理美は意を決して言う。

「いや、桜夜を忘れて」

「桜夜姉宮か……」

「はい」

 微妙な空気が流れた後、バートンは言った。

「放って起きなさい、起きない生徒が悪い」

 凄い寝起きな状態で慌てて着替えたが半分寝巻の桜夜が現れる。

「ちょっと待ってあーし起きて来たよ!」

 流石に眉間に皺を寄せ、バートンが桜夜に戻るよう指示した。

「桜夜姉宮、再度部屋に戻って着替えてください」

 理美は結局、バートンと食事を取る事になり、誰かに助けを求めたいが、皆、冬美也とゼフォウばかり見ていて、本当に自分は空気だ。

 あまり追い詰めないように考えたいが、今回ばかり軽率にloinを送るべきでなかったと反省する。

 暗くなる理美を見て、バートンが聞く。

「どうしましたか理美嘉村、そんな顔をして」

「あっ……いえ、別に自分がやらかしたのでどう謝るべきか分からなくて」

「謝るってどのような?」

「フィンに言われていた我慢をせず、連絡入れても返事が無くて、フィンに頼ってしまって、そしたら今日2人とも喧嘩をしてしまったんです」

「確かに軽率でしたが、自分で大丈夫とか少し考えたいとか連絡の入れようもありました。それをしなかったので業を煮やしてこのありさまなんでしょう」

 バートンはそういえばと思い出す。

 別の先生があの2人の喧嘩を止めに入ったと言う話で、内容も連絡しろって言ったのにしたくないの一点張りでしかも、振られたのをまた言われての殴り合い再びで一応反省文の提出で事を済ませる事となったらしい。

 結局、その先生は別件もあって、いつもよくバートンなら代わってくれると言う話もあり、今回も代わりに入った。

 理美はあの時内緒とは言っていたが、ゼフォウと何があったのか、正直に言う。

「……フィンはいつも通り接してくれてますが、私振ってるからなあなあに出来なくなったんだと思う」

「尚更、あなたのせいじゃない、今はほっといても良いですよ。自分でどうこうできない奴に振り回されてはいけません」

 内容的に多分冬美也の事だ。

 でもこうなったのも優柔不断な自分のせいと言った。

「私が! その私が、いけない」

「なら、余計な事せず待ってあげなさい。息が詰まったら話位聞きます」

「はい、ごめんなさい」

 少し泣きそうになるも、辛いなら自分よりももっと適任がいるとバートンが示唆した。

「謝らなくても良いのです、男の私より保健室の先生などにでも話しなさい」

 丁度、話が終わったのを見計らって、他の生徒達が輪に入る。

「先生、私達も相談したいです!」

「なら、座りなさい、内容によりますが聞きますよ」

「やった! ――」

 相談も結構素っ気なくともきちんとバートンは答えるので、意外と特別視はしていないのが良く伝わり、きっとあの時のまがい物のせいだったんだと理美自身納得した。

 けれどもそれをずっと見ていた冬美也からすれば何1つ面白くない。

 内容まではあのざわつきと近くに座った子達の話題のせいで話が聞こえないのだ。

 いや、聞こえない方がよっぽど良かったのかもとゼフォウからすれば良いのだが、冬美也は違う。

 嫉妬しているのだ。

 ゼフォウは止めたいが、止めてもこの男はどうしようもないと少し見限りを見せていた。


 そんな昼休みの事だ。

 誰かが冬美也達の教室、3年C組に来た。

「あの、神崎先輩とフィン先輩居ませんか?」

 来た人間が意外な人物だ。

「おーい、神崎、フィン、お客さん」

「誰?」

「嘉村なんだっけ?」

 まさか理美と思ったが、違った。

「美空です」

「へっ?」

 2人で廊下に出て内容を聞く。

「何? どうしたの?」

 美空は2人にあるお願い事を言う。

「いや、その今週の土曜日空いていたら、一緒に買い物付き合ってくれませんか?」

 買い物に付き合うとはこれ如何に?

 冬美也は理美達と行けば良いだろうと口にするもダメだと言う。

「オレらじゃなくても、理美や他の子達と」

「ダメなんです! 神崎先輩とフィン先輩じゃなきゃ」

「?」

 冬美也は内容の見えなさで戸惑いゼフォウと顔を合わせつつ、聞くと意外な答えが返ってくる。

「内容が見えないんだけど?」

「お父さんの誕生日プレゼント、買いに行きたいんです。でも他の子達皆女の子だから何が良いかも分からなくって」

 自分の父に上げるプレゼント選びに付き合ってほしいとの事だった。

「成る程、それで、俺らって事ね」

「そうです、なのでお願いします、買い物付き合って下さい」

 まあそれならと、冬美也は承諾してしまう。

「買い物だけなら……」

「だから! お前は!」

 ゼフォウが再度ブチギレを起こすも、すぐに美空が止めつつも、ゼフォウにも来てほしいと言うのだ。

「だからこそ、フィン先輩も来て欲しいんです!」

 2人きりだと万が一誰かに見られてよけいな詮索させない為に、もう1人いて欲しいとの事。

 察したゼフォウはある事も伝える。

「あぁ、それで俺も、俺なら一応それ相応見れるけど、コイツのセンス壊滅だから気を付けてね」

「なんでだよ!」

「俺が選ばないと意味の分からん格好になるだろうが!」

 余程酷い格好になるので、絶対ゼフォウが冬美也の服を選びに買い物する際は必ずついて行かなくてはいけない。

 アメリカの格好は結構シンプルと聞くが、冬美也のシンプルは少々かけ離れているので割愛。


 理美はと言えば、そんな事になっているなんて知らず、桜夜とジュリアに土曜日遊ぼうと誘われるも、自分の買い物があると断った。

「えぇぇ一緒に行こうよ!」

「もう先客がいるの、自分ところで働いてくれてる社員達と買い物付き合ってくれるから、と言うか私、センスが盛るだけ盛るタイプだからその辺見繕ってくれる人が今その日臨時休業して見てくれるから申し訳無いけどお願いしてるの」

 社員にお願いする程の理美の服のセンスの無さに驚きと前の休みの時は至って普通だったのに何故と言いたい。

「そんな臨時休業してまでってそこまで壊滅なの理美っちょって、普通に着ていたのに?」

「普段着は何処に出てもおかしくない至って普通の服なのにですか?」

 理美は自分のセンスのなさに嫌気を刺しながら言う。

「あの時も組み合わせお願いしたから出来てたの」

「なら一度ゴリゴリの盛り盛りを見たい」

 桜夜の言葉に同意するジュリアを見て理美が少し血管を浮き上がらせる。

「怒るよ」

 土曜日、それぞれの買い物となった。

 

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