旭山作戦−準備
一行は、御嶽山を降り、近くの町役場内のスペース内にあるテーブルの周りに4つある椅子に、足子とヤッキーを隣同士に、ジジェイが、向かい側に座った。その際にジジェイの催眠術を足子が解いたとき、ハっと我に返り、辺りを見回した。
「ここは、まだ夢の中なの?」
「役場だよ。こんなに意識を失ってるのって、ジジェイくらいなんじゃないか?」
「ふふっ。確かに。」
「そんなことはどうでもいいのよ!さっきのスケルトン世界は?」
「もう降りちゃったけど。」
「まーいいわ。あんなとこ怖くて仕方なかったし。明日、旭山に登ろうと思うんだけど覚悟できてるかしら?」
「うん?そんなに大変なのか?」
「まったく何もわかっちゃいないわね。」
ジジェイはおもむろにスマホを取り出すと、旭山について検索してこちらに見せてきた。
「まず、天気ね。普通、平地と山頂、特に今回登るような標高2000メートル弱の山は、言葉通り天と地の差があるのよ。」
「ふーん。」
「でね?明日の天気見てみて。」
「平地では晴れだけど、旭山の天気はかなり悪そうだな。」
「でしょ?そういうの知らないで軽装で行くから痛い目見るのよ。特に気温ご覧なさいよ。あそこまで標高高いとね。マイナス10度!とある山ではね。車で山麓まで行けて、そこからノコノコとロープウェイ使って、いざ山頂付近の駅まで来てみると、半袖短パンなもんだから寒い寒いと凍えながら登山を諦める連中も後を絶たないと聞くから滑稽だわ。」
「なかなかシュールだな・・・。」
「そうならないためにも準備が必要なのよ!」
「まぁ足子がいるし何とかなるでしょ。」
「男がそんなこと言っていいわけ?今回はそういうチート行為無しよ!」
「クマが現れたらどうするんだ?」
「挑発しないように、静かに通り過ぎればいいのよ?もし襲いかかってきたら・・・。足子に任せるわ。」
「やっぱり足子頼みなんじゃないか!」
足子は、会話について行けないながらも、自分の名前が勝手に使われて、あーだこーだ言われることがなんとも滑稽でふと笑みをこぼした。
「ん?足子、なんか意見あるわけ?」
「ううん。最後の旅、楽しみたいね。」
「まぁそうね。そもそも世界はおかしな方向にどんどん転がっているわけだから、旭山でも何が起こるか分からないし。」
一行は、明日の早朝、旭山口駅に集合することにした。彼は、再びオカルト部室へ戻り、いつまでこのような生活をすればいいのか先行きに不安を覚えながらも、そのまま眠った。




