ニアの秘密
ニアは森へ入ったあと、しばらく散策していると、ふと過去のことを思い出した。
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中学時代の彼女は、大人しく、物思いにふけるのが好きだった。周りの女子とも馴染めずに、読書に耽っていると、不良の男子学生数人が、ゲームセンターに行こうと誘ってきたが、嫌とは言えない性分の彼女は、男たちに囲われるようについて行った。実は放課後、勉強もせずにゲームにかまけているところを、目をつけられていたのだ。
「お前、金たくさん持ってんだろ?」
「えーと、そうだね。」
「じゃあさ、俺らの分まで楽しもうぜ!」
そこでも彼女は嫌と言えず、彼らの分まで払ってゲームにのめり込んだ。父親は金を持っており、ゲームセンターで数万円使った程度では、特に問題になることはない。ただ教材費に使うと嘘を言えばいくらだって小遣いをくれた。そうやって嘘をつくたびに、彼女の心は少しずつ壊れていった。
ある日、体育館裏の倉庫に呼び出されると、そこには屈強な身体をした先輩たちがそこにいた。
「あぁお前がやらせてくれるって子かぁ。」
「へぇ可愛い子いるじゃん。」
彼女にとっては初めての体験であったが、彼等に容赦はなかった。確かに、彼女にとっては実家における圧力を一次的に忘れさせられる快楽そのものであったのだが、何人もの男たちの、おもちゃにされていると思ったら、とてつもない嫌悪感に襲われる日もあった。そのころから、彼女自身が心に悪魔が育っていったのだと自覚している。ビーチサンダルに素足で学校に通うようになったのもこの頃だ。
ある日、いても立ってもいられなかった。どうしても人の雑踏が怖くて、都会から逃げ出したかった。気づけば、奥野森駅まで一人で電車で来ていた。ここへは初めて来るが、森の奥に入れば何か楽しいことが待っているのではないかと直感した。はじめに廃線跡を散策していると、一匹の小動物がこちらに近づいてきた。はじめは可愛いと感じていたが、次第にサディスティクな欲望が芽生え、胴体を思い切り踏み潰して殺した。それは何とも言えぬ快感を彼女に与えた。そして、切り刻んでみたいという欲求が彼女を支配した。彼女は茂みに隠れて、持っていたハサミで首をちょん切り、胴体を開いた。そして、内臓を鷲掴みにすると悦に浸り、そのまま自慰行為に耽った。しかし、満足すると今度は、動物に申し訳なくなり、泣きながらぬいぐるみのように針で切断した箇所を縫い付けて、地面に埋めてやった。それからというもの、暇を見つけては奥野森駅に通い詰めては、小動物を探し回っては殺して、縫い付けるということを繰り返した。ある日にはゲーセンで散財、ある日には性行為のヒロインとなった。
そんな生活を続けていたある時、気分が悪くなって、家のトイレに駆け込むと、流産をしてしまった。彼女には衝撃だった。自分が妊娠しており、その子を産めずに殺してしまったという事実を受け入れられず、これは神の仕業なのだと自分に言い聞かせ、トイレットペーパーで、そのトカゲのような塊を包み、ビニール袋にしまった。しかし、罪悪感が彼女の心を蝕み、再び学校を休み奥野森駅へと向かった。道路の向かいの橋を渡った先の森をずっと歩くと、石碑が立ち並ぶ広場があるのを知っていたので、そこへ向かうと、誰もいないことを確認し、地面に穴を掘って流産した子を埋め、手を合わせた。そしてもう二度と性行為などしないと誓った。
しかし、しばらく経つとぶり返してきて、彼女は教室で裸になり、男たちに性欲を発散させられた。彼らは帰っていったが、しばらく茫然自失となって机の上で眠っていると、教師に見つかり、大問題となった。結局、すべてがうやむやにされ、私一人が遠くの学校へ転校することになった。転校先では誰ともかかわらないようにして、勉強に集中し、これからヤッキーたちが通うそれなりの進学校に進むことになったが、都会で住まわせるのは危険だという父親の考えのもと、学校周辺で一人暮らしをすることになった。
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もう一度、我が子に贖罪を込めて、供養をしようと、石碑の前に立ち手を合わせると、地面が光出し、彼女の中へと取り込まれていった。ハッと我に返った彼女は許しを得たような幸福を覚え、その場で涙をこぼした。
「ごめんなさい。もう二度とバカなことはしません。」
しばらく泣き崩れて、涙も枯れた頃、すくっと立ち上がり、もう一度、石像に手を合わせて奥野森駅へと戻っていった。




