↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
32/42

長い廊下

ふと窓を眺めると、雲の合間からから光が差してグラウンドを煌めかせていた。周りの生徒が思い思いに散っていき、残ったのはヤッキーと足子、そしてニアだった。ニアがいることが気にかかった彼は問いかける。


「なんで残ってるんだ?いつもはさっさと帰るのに。」

「あぁ、あの後さ、私もオカルト部にはいらないか?って部長さんに誘われたんだよねー。」

「あぁそうか、まぁお前も暇つぶしにはちょうどいいんじゃないか?」

「それと君、急に裸足で走り去って、泣きながら戻ってくるなんて、どーしちゃったんだい?」

「そんなの僕の勝手だい!」

「フハハハハ!まぁ行こうぜ!」


彼は、彼女らが準備する間もなくさっさとオカルト部に向かった。ニアと足子もさらに後ろから 続く。


「ヤッキーってさー、意外と寂しがりやなんだろうなぁ。かわいいよねぇ、男子は。」

「うん。」

「てかさぁ、なんか虐めたりなんかしたの?」

「私は別に・・・。」

「まぁ、あいつも足子に気があってあんな涙ながしたわけじゃないか?そのへんはどうなの?」

「うん。でもあんなの初めてだから・・・。」

「足子もウブだねぇ。そういうときは抱いてやればいいんだよ。」

「・・・・。」


足子は俯いて、ニアと歩調を合わせる。ニアは足子を見ながらいじらしさを隠しきれないでいた。廊下は、いつも以上に長かった。ヤッキーの姿はもう見えず、奥が暗く収束していた。いくら歩いても、階段にすらたどり着かない。ただ、同じ教室を何度も何度も通り過ぎた。次第に、窓から入る光が廊下に影を落とし、薄暗い森へと誘われるような気配が辺りを包んだ。ニアはその違和感に気づきはじめた。


「おい、足子。なんか廊下長くないか?」


足子はハッと我に返ると、すでにオカルト部の扉の前にいた。


「足子、何か考え事でもしてたのか?」

「う、うん。まぁ。さっきまで何が起きてた?」

「いやぁ、まあさ、あんまり深く考えるなよ。私も別に困らせるつもりで言ったわけじゃないんだからさ。」


足子はおもむろに時間を確認すると、慌ててオカルト部へ入った。ニアもため息をつきながらあとに続いた。そこには、すでに2ペアの足の裏が露出していた。片方は大きくて薄汚れている。もう片方はすでに乾いた清楚な足である。顔を見上げると、睨みつけるようにこちらを覗いていた。その奥に簡素なギロチン台が黒く影を伸ばし、鋭い刃が光を反射していた。足子はうろたえてその場に立ち尽くしていた。ニアも目を丸くした。彼女らをジジェイは見咎める。


「さっさと来なさいよ!もう足も結構しびれてんだから!」


すかさず足子は答える。


「これ、どうするの?痛いの、嫌だよ。」

「まぁ待ってなさいよ。まずは、いつものように祈りましょ?」


呆気にとられた二人だが、裸足でマットに上がり、足子は、ギロチンの方を振り向きながら座り、前を向いた。ニアもそれを見つめながらジジェイの隣に正座した。そして不気味に佇む死の塔を前にいつもの通り祈りを捧げた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。