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G・H・I・J

4人が一息ついた頃、ジジェイが口火を切った。


「ニアさん?あなた確か山登りのときいたわよね。」

「あぁそうそう!あんときはなんかみんな必死そうだったし、自己紹介も忘れちゃってたな。」

「あなたも裸足なんだ・・・。」


ジジェイは胡座をかいて座って奔放に足の裏を晒すニアを見て呟くと彼女は照れたように笑ったが、あらためて取り直すと、先ほどの儀式について問うた。


「さっきの儀式みたいな奴ってさぁ、何だったの?確か昨日も教室で似たようなことやってたような気がしたけど。」

「あぁ、あれね?ニアは見なかったっけ?足子にオロチ様が取り込まれたところ。」

「あぁなんか神社の端っこの方まで行ったら、身体が硬直しちゃってよく分かんなかったわ。」

「・・・・・。」


足子は過去の自分の分身を蛇に変えたことについて、自分が崇められるのも悪くないと満更でもなかった。ただ、ニアに対しては勝手な行動をされて混沌を深めるのも面倒であったから、金縛りにかけておいたことは何ら気にしていなかった。ヤッキーはそのようか過去の話はどうでもよく、現時点での問題に切り込みたかったので、話に割って入った。


「そんなことよりさぁ、僕たちが世界から切り離されちゃったこととかの方が重要だろ!」

「え?どういうこと?」


ヤッキーはジジェイに事の顛末を話すと、少し考え込んで口を開く。


「うーん。確かに周りの子がなんか淡泊になったような気がしたのよねぇ。それも足子のせいってことかしら?」

「分からない。ただ、私の理想的な世界へ収斂しているような。そんな気がしてならないの。」

「どういう意味だ?」


ニアは問うと、足子は話を続ける。


「例えば、家族は余計に私のことを好きにさせてくれるようになったし、世界も急に和平の方向へ進んでる。これはかねてから私が望んでいたことなの。」

「へぇ。そんな大層なこと考えてたんだ。」


ヤッキーは彼女に感心するもさらに話を続けた。


「でもね、それがきっとみんなにとって良いことなのかどうかは分からないの。つまり私に都合のいい世界が作り上げられると、ほかの人にとっては都合の悪い、いわば足子秩序が形成されつつあると言っていいのかもしれない。」

「え?何よそれ!そんなのあっていいわけないじゃない!」


ジジェイは咎めるが、足子はただ、自分ではどうすることもできないの一点張りだった。しかし、ジジェイは、自分は足子同様に周りに拒絶されていたほうが自分の好きなようにできると、とまんざらでもなかったし、ニアももともと孤独に暮らしていたから、大したことではないと考えていた。問題はヤッキーで、家に帰ったら家族が自分に対してどういった形で向き合うのか不安になった。ただ、考えても仕方がないので、今は忘れるように努めた。

話題も尽きたので、ジジェイはあらためて今日自分が話したくてしかなたがなったジジェイの意味を力説した。


「諸君、世界が足子を中心に回り始めたのなら、心の縁を得たいとは思わぬかな?」

「と、言うと?」


ヤッキーは、相槌を打つように返事をすると、待ってましたとばかりに目を輝かせて、ジジェイは早口で語り出す。


「諸君らが私をジジェイと呼ぶが、前にも話した通り、G・H・I・Jが由来なのだ!」

「へぇ初めて聞いた。」


ニアのぶっきらぼうな返事にムッとしたが、続けて話す。


「まずねぇ?『G』、『H』、つまり、根本的な話は避けるけど、これは世界で何が起きてどのような結末を迎えたかを意味するの!」

「ふーん。」

「で!ね?『I』は、『G』と『H』のうちにどのような心が動いたか、奥の奥まで探っても行くとことを意味するわけね。」

「うん。」

「さ・い・ご・に、『J』、つまり結局どう生きるか、そこに行き着くわけなのよ。」

「なんか、イニシャルと意味が違くないか?」


ヤッキーはツッコミを入れるが、ジジェイはすでに悦に浸っていて、誰の批判も受け付けない様子だ。そこで足子は呟いた。


「アニメの見過ぎかな?」

「ぐ、そ、そんなわけないでしょうが!」


ヤッキーは足子の核心を突く一言にジジェイがうろたえてるように見えたので、なんとなく察しがついたがジジェイのことを思って黙っていることにした。ニアはボォっとしており、何もわかっていない様子であった。それでも言いたいことは全部言い終えたジジェイは、吹っ切れたのか、解散宣言をしたので、ヤッキーは家族のことを急に思い出し、心配になったので、一目散に部室を飛び出していった。

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