ランデブー
ヤッキーは目覚めると、すでに朝だった。顔にはニアの足が覆いかぶさっていたので、払い除けて起き上がる。目の前では、正座でテーブルの前に座っている足子さんがいた。そして、おはようも言わずに語りかけてきた。
学校では、いやらしい目でその足を見るのに、今は邪険にするんだね。
そういうもんだろ。
朝から面倒な話を聞かされるのも辛く、目がぼやけ、声がくぐもっているように感じられた。とりあえず、冷蔵庫から缶コーヒーを勝手に貰って飲んだ。
人のものは勝手に飲んではいけない。
足子さんは咎めるが、彼女の髪も濡れ、アロマの香りがしたので、お互い様だろうと思い耽りながら、ヤッキーはボォっと、ニアがだらしなく寝ているのを見つめた。確かに裸足なのは魅力的だが、この空間だと板に付いて、裸足に特別な感情がなくなるんだよなぁと、彼はニアの足裏をみて思った。
しばらくすると、ニアも起き出しが、ソファの上でうたた寝をうちはじめた。見かねたヤッキーが、缶コーヒーを彼女に手渡す。
お、助かるよ。
ヤッキーは改めてニアの隣に座った。ニアは缶コーヒーを飲み干し、適当なゴミ袋に捨てた。
ていうか今何時?
ニアの一言にヤッキーも気になったので、スマホで時間を見ると、授業開始前だった。
ヤバい!ここからでも間に合わないぞ。
いいんじゃね?一日くらい。
よくはない!変な補習出されるかも知れないし、3人同時ってもの変に怪しまれる!
では、ランデブーしますか?
足子さんは割って入った。それにヤッキーは答えた。
できるのか?
座標に問題ないことは確認した。ソファに座って。
2人は急いで身支度をして、互いに手を触れた。すると、ソファごと光だし、亜空間の光りに包まれた。それが神秘的なパステルカラーで、ニアとヤッキーは驚いて、辺りを見回した。
ここは!?
亜空間トンネル。A地点とB地点をつなぐ緩衝地帯。別次元を跳んでいるから、現実の干渉を受けずに目的地まで着地できる。
すると空間が閃光に包まれ、思わず目を閉じた。ふと目を開けると、そこは1-3組の自分たちの教室であった。周りを見ると、ソファも一緒にワープしてしまっていた。しかもすでに授業が始まっており、教師や生徒が気付かないうちにそそくさと自分の机に裸足のまま着いた。周りの生徒は、クスクスと笑っていた。ヤッキーは自分の足を晒しているのことが気になった。後ろで組んでも、足裏を見られるし、どうしようもないから、ぺたっと床に足をつけて、授業が終わるまで耐えた。ニアは、足を前に組んだり、弄んでいた。
授業が終わると、急いで上履きを取ろうと、廊下へ駆け出そうとすると、一人の坊主頭の男子生徒に、君たち書道部?とからかわれたので、まぁそんなとこだよ、とごまかしそそくさと昇降口まで行った。帰り際に、ニアも上履きを取りにやってきたので、聞いてみた。
裸足どうだった?
普通に恥ずかしいだろ!
なんか平気そうだったじゃん。
早く上履き取らせろ。
そういって、上履きを履き、去っていった。教室へ戻ると、ソファはすでに消え、何事もなく足子さんは、裸足でいた。




