96 政府の話
「部署の話は、まとめておいてね。あと、休業手当の書類も書いておいて。それから、今後の予定も伝えておくから、1週間後の8月11日まで、ここにいて。それじゃあ、よろしくね。」
政府の裏組織の構成員が、休業手当をもらい、今後の部署相談をする。
裏組織にしては、奇妙かもしれないが、この国では、当たり前のことだった。
そもそも、政府の金の流れなんて、一般人にはもちろん、同じ政府の人間だってわからない。
だから、政府から、世間ではあまり良くないと言われそうな所に金が回ろうと、そもそも付き合いがあろうと誰も詮索しようがないのだ。
少年は、国の中央にそびえ立つ塔の中の自室に、転移する。
塔の中に、一度入ると少年自身で出ることは出来ないそういう空間。
少年の部屋には、本が数冊と、筆記用具と寝具くらいしかない。
そして、少年の部屋の隅には、魔法陣が1つ。
少年は、その魔法陣に乗る。
円卓の会議室に転移した。
円卓には、他に、スーツ姿の気弱そうな男とどこにでもいそうな少女の2人が、すでに座っていた。
「ただいま。本当にあの子達もらっちゃっていいの?」
少年が、話しかけたのは、スーツ姿の男だった。
「彼らの部署は、残っていると動きづらくなるので、いいですよ。どうか、彼らのことをよろしくお願いします。」
「わかったよ。使い潰したりはしないから安心して。」
「あんまり、やばいことしないでね。」
2人いたもう片方の少女が少年をたしなめる。
「そっちもわかっているさ。維持課の方とも連携とってるから。」
「何か不測の自体に陥ったら、すぐ私と維持課に連絡してね。」
「わかっているよ。」
「では、維持課のあの人には、後で、また、意見を聞くとして、今後の計画をまとめておきましょう。」
「決行は、5日。声明は、4日夜。狙うのは、国の結界装置。破壊して、国の中枢を落とす。そんな感じ。」
「けが人が出ないように、安全に誘導してよ!」
「それに関しては、声明が来た段階で、避難所を解放します。避難しなかった住人や、何らかの理由で、避難出来なかった住人の保護は、5大ギルドを中心に手伝ってもらいましょう。」
「じゃあ、こんな感じで大雑把にやっていい?」
「待って。大事なこと決め忘れているわ。」
「何?」
「破壊組織の名前よ。」
「ああ、じゃあ、『アンダーグラウンド』とかでどう?」
「反体制的ないい名前ね。それで行きましょう。」
「私もそれでいいと思います。では、私も当日は、管理課として、動きます。全力で、破壊活動を押さえますので、よろしくお願いします。」
「生命課も、フォローするからやりたいようにやっていいよ。」
「じゃあ、会議はいったん終わりだね。僕らも全力で、準備して臨むから頑張ってね。」




