95 イレギュラー報告とある組織の鞍替えの話
イレギュラーのマジシャントードをユウと倒して、格闘オークも片付けて、俺の3力は、体力339、魔力137、精神力130になっていた。
「ユウでも苦労するんだな。」
「魔法使う系の敵、わりと苦手なんだよね。」
15時30分。
天千里のギルドで、イレギュラーの報告をする。
ユウが元から1人でCランクのモンスターを狩ることが出来たこともあり、また、マジシャントードが割りと珍しくないモンスターだったこともあり、報告は時間をかけずに済んだ。
家に帰る俺。
「兄貴?なんか、やった?」
「よくわかったな。イレギュラーをユウと倒した。」
「それで強くなってるんだ。動画見せて?」
「俺らの見ても面白くないぞ。」
「いいから!見たいの!」
しぶしぶ、記録動画の番号を伝える。
「へー。兄貴も戦ってるんだ。」
「無理言って戦わせてもらったんだけどな。」
「マジシャントードじゃ、Cランク?」
「そうだな。」
「…兄貴よく生きてたね。っていうか、ユウさんが、挑発のスキルとか使って上手く、誘導してくれてるからだけど。」
「そうなの?」
「最後は、危なそうだから一気に身体強化で倒してくれてるね。」
「ユウにお礼しないといけないか…。」
「そうだね。そうした方がいいよ。」
この国の政府関係組織である『名も無き影』は、呪いで、苦しんでいた。
中央政府からの依頼で、ある逃げ出した管理対象に関わる武器の回収を行っていたところ、管理対象から手痛い呪いの反撃を受けたのだ。
呪いの内容は、さだかではない。
ただ、苦しく、ただ、しんどく、思考が定まらない。
そんな、新しい呪いだった。
闇魔法の呪いというわけでもなく、呪いは呪いでも、既存のものとは構造が異なるそれ。
『名も無き影』は、壊滅状態だった。
そして、2ヶ月も経った。
『名も無き影』の構成員たちも、自分たちが、中央政府にとかげの尻尾のように切り落とされたのだと、思い始めるのも無理は無かった。
しかし、『名も無き影』の構成員たちは、呪いから解放された。
彼らが、隠れ潜むビルに転移してきた10才くらいの少年によって。
「本日は、ありがとうございました。」
「いいって。いいって。僕も仕事で来ているだけだから。」
「それでも、ありがとうございます。すみません…。1つ無礼を承知でお聞きしてもよろしいでしょうか?」
「1つと言わず、いくらでも、なんでも聞いてくれていいよ。」
「では…あなたのような、高位の治癒士の方が来てくださったということは、私たちはまだ、先があると考えていいのでしょうか?」
怯える構成員のリーダー。
それに対しての少年の言葉は、優しいものだった。
「心配しなくても、大丈夫だよ。部署は変わるけど、働いてもらうかな。」
「部署が変わるですか…。次は、どのような部署に?」
「今までの管理部署とは、畑の違う部署だね。部署名は、管理部署と違って決まっていないけど、やることは、暗躍すること。…どう?君等向けでしょう?」
「暗躍…。ちなみにこれを断ったら、どうなるのですか?」
「表の事務職かな。いくらでも、優秀な人が欲しい部署はあるからね。」
なんとも狐につままれたような話に困惑する構成員のリーダーは、他の構成員1人1人と面談をすることになった。




