94 イレギュラーとぶつかる夏休み
8月3日。
今日も今日とて、格闘オーク。
ユウと俺は、奥まで狩っていく。
奥に行くほど、惹かれるような不思議な違和感がある。
「ユウ。なんかおかしくないか?」
「…気づいた?多分、イレギュラーだよ。」
「俺等でやれんの?」
「僕は、せっかくだから挑戦したいかな。」
「恐いもの知らずかよ。」
「ごめんね。だからってわけじゃないけど、ここから先は、自己責任にしよう。」
「行くなら、自分で決めろってことか?」
俺は、温存していて、スキルオーブのレベルを上げるオーブを使う。
鑑定のスキルが、LV23に上がる。
奥のモンスターの情報を少しでも感じるようにするためだ。
「どう?」
「わかんないな。でも、ここで、ユウを1人先に行かせるのは、なしだな。」
「一緒に来るの?僕は、君のこと守れないかもしれないよ。」
「わかっているよ。自己責任で行くんだ。それくらい覚悟の上だぜ。」
俺とユウは、惹かれる感覚に任せ奥に進んでいく。
モンスターは、1体だった。
ランクCのマジシャントードというモンスター。
ユウは、気づかれる前に、打てる最大の雷魔法を叩き込む。
マジシャントードに直撃。
それでも、生命力は、80%以上残っている。
ユウは、身体強化を重ね、短杖2本で、攻撃に行く。
マジシャントードの火と土と風の3種の魔球が、時間差で、飛び交う。
ユウは、土の魔球を砕き、見えない風の魔球は、身体強化で、当たるのを無視して、進み、火の魔球は、左手で、水の魔球を出して、相殺していった。
マジシャントードの元は攻撃がたどりついた時、マジシャントードは、全方位に、水魔法の大波の魔法を使った。
ユウが、波に耐えている間に、マジシャントードは、距離を稼ぐ。
マジシャントードの魔力は、5%ほどしか削れていないのに対し、ユウは、すでに、生命力に3力も半分くらいまで、削れていた。
俺は、持っている道具で使える物を探す。
と言っても、俺が持っている完成品は、蜘蛛の糸くらいしかない。
試しに使ってみる。
マジシャントードの左手に、光が伸びる。
ユウは、俺の方を向いて、グッドサインを送ってきた。
どうやら、マジシャントードの左手にキズを見つけたようである。
雷の刃型の素早い攻撃をマジシャントードの左側に向けて撃ちまくる。
マジシャントードが苛立つように、ユウに魔法を放っていく。
俺は、息を殺し、打ち合いをしているマジシャントードに後ろから近づいて、マナメタルナイフを突き立てる。
マジシャントードは、それを、土の壁で、ガードする。
そっちに気が行った瞬間、ユウが、身体強化を重ねて、距離を詰める。
マジシャントードは、しっかり、殴られた。
そのまま、ユウは、技につなげる。
右の振り上げスラッシュ、右の振り下ろしのスラッシュ、左の横薙ぎのスラッシュ。
土壁から背を守れない位置に、誘導されたマジシャントード。
俺の目の前に無防備な背中がある。
俺は、身体強化を最大にして、間に合わせ、突っ込む。
背中に、マナメタルナイフを刺した。
マジシャントードは、自身を中心に、風の爆発を生む。
俺は、直撃し、後ろに吹き飛ばされ木に打ちつけられる。
俺は、その場に背を向け、距離を取る。
マジシャントードの背中に刺さったままのマナメタルナイフを回収せず、空虚な白の剣を構える。
ユウは、後ろに自分から飛んでいたようで、ダメージは、もらっているが、まだやれそうだ。
ユウは、さらに、雷の魔法を放ち、マジシャントードは、それを真っ向から、受けきっていた。
俺の生命力は、あと、10%くらい。
3力も身体強化最大3秒分くらい。
俺は、マジシャントードの後ろから近づき、空虚な白の剣を投擲する。
マジシャントードは、煩わしそうに、それを弾く。そこへ、ユウは、雷心剣を投擲する。
その隙に、ユウは、聖属性の回復魔法を使って、自身の生命力を回復した。
俺は、走って逃げた。
後ろから、たくさんの魔球が飛んでくる。
ジグザグで、逃げた。
魔球が飛んでこなくなり、後ろを確認すると、ユウが、マジシャントードにとどめをさしていた。




