90 生産科からの武器に対する意見
学校別対抗戦が終わり、いつもの生活が戻っていくロータス学園。
ユウは、以外にも他クラスからの受けが良くなったという。
憧れの的という感じらしい。
同じクラスでは、余計に浮いてしまっているそうだが、あまり気にしていないそうだ。
授業も相当、やりやすくなっているようだ。
対抗戦が終わったあとその1週間後には、もう期末テストだ。
1ヶ月近く学校に行っていないと、教室に入るのも微妙に足がすくむ。
「あ、やっと来たのか…。」
「ちょっと、こっち来て!」
俺は、鍛冶組に連れられ、鍛冶部の工房に連れて行かれる。
「1つ下のサクラ君に、SSランクの武器作ったよね?」
「作ったけど…。」
「妹さんにも、なんか、えぐい武器作っているよね?」
「たしかに、4本作っているけど…。」
「剣、打ってみてよ。ここで、最高のやつ。」
「打てない。」
「それは、気分的な問題?」
「それも…あるのか?自分では、わからない。ただ、打ってもいいものが出来ない感じがするだけだな。」
皆が、顔を見合わせる。
「やっぱり、感情型のタイプか…。」
「やる時は、やるけど、普段は…ってタイプ。」
「っていうか、燃え尽きてないか?」
「俺抜きで、俺の話しないでくれよ。」
「君って、刹那的な生き方でしょう?」
「どういう意味だよ?」
「僕らのことも、世間のこともあんまり興味ない。…違う?」
「何が言いたいんだよ。」
「君はただ、鍛冶運や、錬金運がいいだけで、努力なんて、ちっともしていない。違う?」
「努力はしてないつもりはない。っていうか、なんで、そんなこと言われなきゃいけないんだ?」
「ごめん。君の空虚な白の剣を見て、さすがに、腹が立っちゃって。あれ、多分片手間で作ったんだろうなと思うと余計に…。」
「…余計になんだよ?」
「脆くて、弱いなあって。ああ、剣じゃなくて、君がね。」
「…悪い。さすがに気分悪いから行くぜ。」
「逃げるの?」
「逃げるとかじゃなくてな。」
「言い返してきなよ。あれは、自分の全力で打った剣だって!」
「なんで、俺がそこまで、言われなきゃいけないんだよ。」
「あなたが、私たちを見ようとしないからよ。」
「品評会では、本気でやれると思ったのに…。」
「適当な剣で、お茶をにごされた僕らの悔しさが君にはわからないんだろうね。」
「…わかんねえよ。」
「君って、他の人を優先するあまり、自分をないがしろにしすぎだよ。」
「…けなすか、心配するかどっちかにしてくれって。」
俺は、立ち上がり、その場を後にした。
『あなたは、つくづく、自分が主人公になるタイプではないんですね。』
「うるせえって。」
『いい加減、人の人生によりかかる依存をやめたほうが良いのでは?』
「…そうなのかな。」
『?』
「人を支えることに全力なのっていけないのか?」
『あなたみたいな人が、ダメ人間製造機になるんですよ。』
「また、不名誉なこと言われたもんだ。」
『ユウさんも妹さんも、レンカさんだって、別にあなたを必要としていません。どんどん成長しているはずです。恩着せがましく、自分の渡した武器に執着している間に、あなたは置いていかれていいんですか?』
「…別に執着してないっての。」
本当は、全部言われていることは正しい。
品評会の剣もスキルオーブもたまたま出来たものの中で、1番良さそうなのを出しただけ。
生産職の生徒たちと競い合うことなんて考えていなかった。
俺に自分なんてないのかもしれない。
ユウが評価されれば、それを支えている俺も評価される。
そんな気持ちも無かったわけではない。
俺が作った武器への俺の執着は虚しいものだ。




