87 ユウの偽物騒ぎの結末
ユウの武器のために、色々試しての日々が続き、6月5日。
「明日から、中間テストだけど、大丈夫?」
「課題やっていたからな。大丈夫。…ユウ、本物だよな?」
「本物だよ…。それを聞くってことは出来たの?」
「ああ。今、渡すけど、一応本物かどうか確認させてくれ。」
ユウは、自分の異空間収納から、雷心剣を出した。
いつか作って、ユウへ渡した武器だ。
「それを持てるってことは本物のユウだな。」
俺は、後ろを向いて、インベントリから、短杖を2本出し、ユウに見せ、その場で、ユウに投げ渡す。
そして、空中で、ユウに装備個人登録する。
重呪の短杖
ランクSS
能力1:不壊
能力2:ばらまく重呪
(持ち主以外が、持ち手を持った時、発動。)
能力3:身体超強化(弱)
能力4:装備個人登録
酷呪の短杖
ランクSS
能力1:不壊
能力2:ばらまく酷呪
(持ち主以外が、持ち手を持った時、発動。)
能力3:身体超強化(弱)
能力4:装備個人登録
ユウは、それを反射的に受け取り、電撃に打たれたように倒れこむ。
俺は、ユウを受け止め、横に寝かせた。
監視カメラで、こちらを確認していたギルド職員が部屋に急いで、やってくる。
ユウに渡した怒れる狂杖の行方について。
俺が、最初に装備を渡したユウは、質の悪い偽物ではなく、まぎれもなくユウだった。
ユウに憑依して、憑依した奴が、装備個人登録して、そのまま、ユウを操り、装備を流した。
それが答えだった。
5大ギルドで、それぞれ、確認してもらったので、間違いはない。
どうやら、ユウも、政府の人間にマークされていたらしい。
天千里のギルド長の話では、憑依のスキルは、精神力の消耗が途方もないので、精神力を供給出来るスキル持ちが、百人以上で、チームを組んでやるものでもあるらしい。
さて、今回ユウ以外を強引に引き剥がした。
装備の呪いについては、一度も試していないので、知らないし、解呪の方法も知らない。
向こうで、何人犠牲になっていようが知ったことではない。
俺は、少しすっきりした。
ユウを好き勝手にしてくれた落とし前は、つけさせてやれたのだ。
満足である。
ユウが、起きる。
「ごめん。迷惑かけた?」
「いや、大丈夫。それより、ほらこれ。」
「装備?ありがとう。」
ユウは、2本の短杖をしっかりと持った。
今度は、倒れなかった。
政府の憑依を行うための部屋は、壊滅状態だった。
今回の憑依に関わった103名が、再起不能になり、今でも苦しんでいる。
特に、精神力共有LV83のスキル持ちと憑依LV89のスキル持ち2人が、つぶれた状態である。
今まで、裏で暗躍するために、使っていた能力者たちで、情報を抜き取るための優秀なコマであったこのチームの崩壊は、政府にとって、かなりの打撃になっただろう。




