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86 盗まれる話、武器について

武器の装備個人登録を解除するのは、普通はできない。

一度破った神を何もなかったように元に戻すくらい難しいことだ。

装備個人登録や付与は、そういうものなのだ。




「おつかれ、武器出来ている?」


「おう、出来ているぜ。」


ユウに出来た怒れる狂杖を渡す。

ユウは、すぐに、装備個人登録を済ませた。


「ありがとうよ。じゃあな。」


「おう、じゃあな。もう1本もすぐ作るよ。」


「もう1本は、これくらい良いの出来そう?」


「わからんよ。」


「そうだよな。まあ、頑張ってくれ。」


「…?」




それから、1時間後、再びやってきたユウ。


「やっちまった。」


「…やっぱり?君の作っていた短杖を自慢している奴の動画が取り上げられていたから急いで来たんだよ。」


「会話以外は完全にユウだった。…いや、そういう問題じゃないな。騙された俺が悪い。すまん。」


「いいよ。っていうか、謝らないでよ。君にも言いたいことあったんだけど、それは、大丈夫だったから。」


「?」


「僕が言うより先に、偽物がいたこと気づいてくれたんだから、いいよ。完全に気づかなかったら、文句言ってやろうと思ってたんだ。」


「ほんとにすまん。」


「大丈夫。君にっていうか、君が作ってくれた武器を我が物顔で使っている奴に苛ついている。」


俺は、ユウに渡すはずだった怒りの狂杖をユウの格好をしていた奴に、だまし、掠め取られたのだ。


「…見せて。動画。」


「見る?かなり腹立つよ。」


動画の内容は、単純なものだった。

手に入れた武器を説明して、Bランクのモンスターを倒してまわり、自慢する。

それだけの動画。


動画の投稿者は、中学3年生。

妹の学校の生徒だった。


「とりあえず、漆田さんに報告あげようか。」


「そうだね。」




「…それは、面倒だな。こいつ、政府のお偉いさんの息子なんだよな。」


「武器…戻ってきませんか?」


「戻ってこない可能性が高い。ただ、金は取れるかもしれない。」


「やれるだけお願いします。」


「…わかった。ギルド長にも相談しておく。」

怒れる狂杖は、あきらめることになりそうだ。




俺は、やりきれなさと、虚しさを抱え、すぐに、割り当てられた個室に潜った。

個室から、異空間牧場で、武器を作ることにしたのだ。

ユウと会っても、武器を作っていない風を装い、誰にも、武器の存在を伝えない。


何回か、偽物のユウが天千里で、捕まったりもしていたので、用心しておいたのは、間違いではないだろう。




ユウの武器を作りながら、鍛冶品評会用の剣と、錬金アイテムも作る。


空虚な白の剣

ランクS

能力1:不壊

能力2:斬撃強化(極大)

能力3:装備個人登録


スキルオーブ:遠視LV54

ランクA


装備のランクは、そのまま強さである。

さらに具体的に言えば、攻撃があたった時の、補正値でもある。


ランクEXは、1000倍以上。

ランクSSSは、100倍。

ランクSSは、補正値10倍。

ランクSは、補正値5倍。

ランクAは、補正値3倍。

ランクBは、補正値2倍。

ランクCは、補正値1.5倍。

ランクDは、補正値1.2倍。

ランクEは、補正値1.1倍。

ランクFは、補正値1.05倍。

ランクGは、補正値1倍。

ランクHは、補正値マイナスになってしまう装備。


それぞれ、このようになる。


ちなみに、武器としてのこの補正値は、適切な攻撃方法での場合である。

剣の装備をしていて、蹴って攻撃しても、補正はかからない。

そして、武器は、いくつでも装備できるが、補正値は、あくまで、攻撃1発に対し、1発である。


防具の補正値は、相手の武器の補正値を下げる役割がある。

例えば同じランク同士の武器と防具がぶつかり合えば、補正値はなくなる。

そういうものらしい。


『錬金術LV2050→LV2076に上がりました。』

『鍛冶LV1496→1548に上がりました。』

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