80 6月の予定を元班員に伝える
「眠んな!誰かそこのサボり魔の1人起こして!」
俺は、揺さぶられ、眠りの世界から一気に引き戻される。
「悪い、先生が起こせって。」
隣の席の戦闘職の生徒は、ちょっと、バツが悪そうに言う。
先生は、俺が起きたのを確認すると、続けた。
「…6月の予定です。まず、6月に入ると、中間テストがあります。中間テストが終わったら、戦闘士向けの学校対抗戦と生産士向けの品評会も始まります。中間テストはもちろん、対抗戦と品評会も絶対参加ですから、テスト終わっても気を抜かないこと。」
ホームルームにも参加しないF班組へは、俺が説明することになった。
今日もどうせ、授業さぼるだろうから、その分の特別課題だそうだ。
中間テストに加えて、学校対抗戦と品評会。
忙しいことになりそうだ。
今日の授業。
1限 技基礎
2限 技応用
3限 錬金
4限 錬金
5限 魔法応用
今日は1限と2限だけで、あとは、サボるつもりだ。
…というわけで、1限の走り込みと魔道具人形への無限打ち込み、2限の10人組み手を終えて、学校にある風呂に入り、制服を着直す。
面倒なF班への中間テストと対抗戦の説明は、通信で済ませたかったが、誰も、通信に出ない。
俺は、仕方なく、研究棟のクラリッサから会いに行く。
クラリッサは、研究棟で、制服のローブを着ながら、空中で、何かをしていた。
「中間テストと対抗戦!」
「テストはともかく、そういうのがあるんだ。わかった。あ、これあげるよ。」
クラリッサがくれたのは、魔法の基礎についてまとめられた、ノートのコピーらしきものだった。
「いいの?」
「いいよ。一緒に魔道の深淵に飛ぼこもうぜ!」
クラリッサは、さらに、旧校舎まで、転移で送ってくれた。
クラリッサは、多分、俺のこと好きだ。
旧校舎は、第二闘訓練部の生徒が、たむろしている。
うちのクラスには、ユーザリア以外はいないが、他のクラスには、この部活に2人ずつ入っているらしい。
そういえば、前にユウと来た時に、ユウがボコボコにされた女の子も気になるな。
そんなことを考えていると、最奥についてしまう。
最奥の扉の前に、3年の男子生徒2人が休んでいて、ユーザリアを連れてきてくれた。
「中間テストと対抗戦な。俺は、伝えたからな!」
「わかった。」
「子鬼の嘆きは、使ってくれてる?」
「いま、その話やめろ!聖剣が、嫉妬してしまって面倒なんだよ!」
俺は、最後に聖剣を見せてもらう。
聖武器は、世界に聖武器と認められた武器で、元々の能力に加えて、意思を持ち、聖属性と特別能力が開花するのだという。
「これが、聖剣か。確かにすごい剣だな。」
「うちで、代々守ってきたもんだ。お前に、すごいって言われて、ちょっと機嫌直してくれたみたいだ。持ちやすくなってる。」
「いつか、聖武器、作ってみたいぜ。」
「ああ、頑張れよ。」
旧校舎の帰りに、焼きそばを買いつつ、エリックに中間テストと対抗戦の話をする。
エリックは、適当に話を聞いていた。
「あ、焼きそば、味変えた?」
「ちょっと、ソースに小エビのダシを混ぜたんだ。」
「俺は、こっちの方が好きだな。」
「こういう感想はうれしいね。」
エリックは、うれしそうに笑った。
最後におかしを持って、レンカさんのところに行く。
「わかった。でも、気乗りしないから、出られないと思う。」
「出ないとやばいんだぜ」
「その時は、仕方ない。」
「寂しいこと言うなよ…。」
「私がいないと寂しいの?」
「…そうだな。」
「…気乗りしたらちゃんとやる。」
「わかった。」




