課外授業3 班員と
鍛冶組、錬金組、俺の5人で、インゴットをどんどん作り、それを、服飾組で、鎧に紡ぐ。
どんどん、並んでいく木と石の合わせたインゴットの鎧やローブ。
「この素材なら、空きスロット行けるから、付与の子たちも起こそう!」
「なんか、私、今、楽しいかも!」
「俺も楽しいわ!」
服飾の生徒もかなり、テンションが上がっている。
授業で習った基礎を組み合わせて、どんどんインスピレーションが溢れているようだ。
起きてきた付与組もまた、忙しそうに付与を重ねる。
「鎧だから、とりあえず、防御上げる付与でいいよな?」
「逆に攻撃上げる付与もありかも。」
「スロット2つあるのには、両方つけるか!」
「いや、攻撃2つのロマン型もあり!」
1時間で、インゴットを切り上げる。
俺もそろそろ、魔力が尽きる。
「私たちもインゴット持っていくね。」
「あなたには悪いけど、早く錬金したいの!」
「武器も必要だよ?」
「俺たちも頑張ろう!」
「俺は、先に仮眠取って回復しときます…。」
そのまま、部屋に戻ると、部屋では、エリックとユーザリアが壁に背中を預け、休んでいた。
エリックは俺に気付き、声をかけてくる。
「生産の具合はどう?」
「いいと思うよ。」
「そう。僕らのことは気にしないで寝ていいよ。」
「…わかった。ありがとう。」
10時に拠点に到着してからすでに6時間経過。
15時。
生産組が一通りの装備を整え終わり、皆を起こしてまわる。
演習場に並べられた武器と装備類。
戦闘職12人は、自分に合った物を選んでいく。
選ばなかったのは、エリックと、クラリッサ、そして、まだ寝ているレンカだ。
「あんたの班の奴ら武器選んでたの不良君だけじゃん。どうなってんの?」
「ちょっと待って、俺も選んでるから。」
「あんたは、生産職なんだから、いらないでしょう!?」
「いや、結界外の探索行きたいから、必要だって!ほら、畜産専攻の子も、採掘専攻の子も選んでるだろ!」
「はあ。わかったけど、君は探索は、君の持ってる技術を全部吐いてからじゃないと許さないよ!」
「って言っても、正直、いつも必死で良いもの目指しているだけで、特には技術とかはないと思うんだが…。」
「それを判断するのは私たちよ!」
「そういうこと!」
というわけで、俺の探索は後ろ倒しになった。
生産組は、皆、汗もかいているので、いったん、シャワーを浴びて仮眠をとることになった。
俺も、生産組の男子と風呂に行く。
鍛冶専攻2人と、服飾1人と、付与専攻2人。
疲れたので、ぱぱっと浄化の魔道具を使い、シャワーを浴びる。
俺以外の5人は、仮眠を取りに行ったが、俺は、すでに仮眠を取っていたので、班員のところへ行く。
演習場のクラリッサとレンカ。
クラリッサは、ずっと、レンカを気にしてくれていた。
クラリッサは、俺に気づくと手をふった。
「ちょうど、あなたと話がしたかったの。」
「俺と?」
「そう。…というわけで、クイズです!私があなたのことを知ったのはいつでしょうか?」
「唐突だなあ。うーん。ヒントは?」
「ヒントは、あなたが学校に入る前だよ。」
全く、思い当たることがない。
「道で偶然とか?」
「わりと、そんなレベルだけど、残念。違います!」
「…わからないって。」
「残念…。じゃあ、私用の装備をつくってくれたら思いつくかもね。」
「それは、催促だな。」
「お願い!」
確か、クラリッサは、この課外学習で、理解者を探していたっけ。
それと関係あるのかもしれない。
「そういえば、レンカさんはこんなに寝てて大丈夫なの?」
「ああ、彼女は、面倒見なきゃいけない子がたくさんいるから…。」
「?」
「気にしないでも大丈夫。お腹へったら起きると思うわ。エリックに会いたいなら、屋上に行くといいよ。」
2人を演習場に残して、エリックのところに向かう。
エリックは、1人屋上から、森と湖を眺めていた。
「探索行かないのか?」
「焼きそば作れるわけではないからね。」
「焼きそばってなんなの?」
「大切な暇つぶしだよ。」
「張り合える相手を探したいって言っていたのと関係あるの?」
「…あるとも言えるし、ないとも言えるかな。」
「っていうか、生産職かと思ったけど、戦闘職だったんだな。」
「そうだよ。」
「稽古つけてくんない?」
「…稽古ね。身体強化なし、魔法、技、スキルなしならいいよ。」
エリックをしっかり見据える俺。
「君から動いて。合わせるから。」
俺は、エリックに殴りかかろうとするが、エリックの手刀が、首筋に当てられていた。
「意識の隙間に入るとこうして、簡単に制圧出来るよ。」
離れるエリックと俺。
蹴りを出そうとして、エリックを見失う俺。
後ろの首筋に手刀が当てられる。
「何も考えない方が、隙は大きいんだよ。」
再び離れるエリックと俺。
動く前に額に手刀を当てられる。
「考えすぎも、良くないよ。…どう?稽古になった?」
「…ああ、ありがとう。」
「じゃあね!」
エリックは楽しそうに去っていった。
…悔しい。




