110 試されるDランク
放課後は、依頼実習の時間である。
俺達のパーティは、Cランクのオルトロス激昂種の討伐依頼を受けた。
「期限は1週間。Cランクの上位の方のモンスターだから、俺達でギリギリかな。」
「幸い、オルトロス激昂種が、周りを攻撃するため、共生関係で、邪魔するモンスターはいない可能性が高い。」
「フィールドは、荒野ね。」
「いきなり挑戦するのか?」
「さすがにそれはないな。」
「とりあえずで、Dランクのモンスターをパーティで挑戦して、その次に、Dランクのオルトロス通常種を倒して、それからがいいと思います。」
「じゃあ、それで行こうか。今日の相手は、どうする?」
「Dランクなら、シルバースケルトンとか?」
「いいとは思うが、普通のシルバースケルトンじゃ、役不足だな。派生種にしよう。」
「シルバースケルトンナイトくらい行けるだろう。」
「それで行きましょうか。」
銀霧の荒野のシルバースケルトンナイト。
俺は、アッシュとガイとリーシアとともに、入口布巾で、シルバースケルトンナイトの相手をする。
「他のシルバースケルトンナイトが寄ってこないように立ち回れ!」
「目視出来る位置にはいないぜ。」
「今戦っているモンスターを中心に、聖域の魔法を使っていいですか?」
「頼む!」
アッシュの指示で、パーティが動いていく。
「俺とガイで前に出る。リーシアは、回復と聖域を継続してくれ。」
「俺はどうする?」
「俺とガイの間を抜けたら死ぬ気でリーシアを守れ!」
「了解。」
アッシュとガイのスキルのおかげか、こちらに抜けてくることのないシルバースケルトンナイト。
俺は、それでも気を抜かずに、シルバースケルトンナイトを見続ける。
異変を感じたのは、観察に集中していたからだろうか?
シルバースケルトンナイトに周囲のマナが集まっていっているような違和感がある。
「リーシア。引いた方が良い気がする。」
「何言っているんですか?もうすぐ倒せますよ?」
「マナがシルバースケルトンナイトに集まっている。何かするかもしれない。」
「え?…確かに、なんか、やばそうですね。私は、少し入口の方に下がります。」
「そうしてくれ。アッシュ!ガイ!そいつ、何かするかもしれない。気をつけてくれ!」
「わかった。いざという時のリーシアの守りは頼んだぞ!」
「了解!」
その瞬間シルバースケルトンナイトが赤黒い光を放つ。
「やばい、進化だ!リーシアを守れ!」
俺は、迷わず最大の身体強化に装備の能力の身体強化を重ねがけして、リーシアの前に出る。
聖域の中で、動体視力にも補正がかかっていた俺は、かろうじて相手の初撃を見ることが出来た。
まっすぐに、2mの巨躯をまっすぐ突き出し、つかみかかる腕。
俺は、何も考えず上から下に振り下ろす全力のスラッシュを放つ。
突っ込んできたモンスターは、カウンターを喰らう形で、怯むことになる。
そこに、アッシュとガイの上級技が入る。
アッシュの大切断。
ガイの渾身斬り。
2つの上級技を受けたモンスターは、地に伏せる。
アッシュは、最後にもう一度、大切断で、赤黒い骨のモンスターの頭を砕いた。
「及第点だな。」
「ギリギリ過ぎる。」
「俺とリーシア死ぬかも知れなかったぜ。」
「リーシアは大丈夫。身体強化使えるから。」
「あー、そういうことか。」
「すまんな。試した。」
「ごめんなさい。ガイ君は、大丈夫って言うけど、ちょっと、心配で私が頼んだの。あなたが、治せないケガとか負ってしまったら償えないから。」
俺を試す。
発案者は、リーシアだったようだ。
「にしても、シルバースケルトンナイトの進化は、どう仕込んだんだ?」
「それは、偶然だ。」
「偶然なんだ…。」
今回のシルバースケルトンナイトとの戦いで、自分に足りないものもわかった。
速い相手動きを追うための技術。
カウンターを当てる技術。
最高の位置取りをする技術。
そして、攻撃自体も威力を上げていくことも重要だろう。




