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底なしダンジョン学園にようこそ! なんて言われても困るんだけど(仮)  作者: 大沙かんな


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88.管理領域へ

 その後、(あらた)は一年生が部長なんておかしいとか、いろいろ抗議してみたけれど、決定が(くつがえ)ることはなかった。


「部長はクラブの顔だから、戦闘職の方がいいよ」

「女子がやると、他のクラブに舐められちゃうからね」


 誰がやってもいいと思うけど、みんなからそう言われると逃げられない。まあ、細かい仕事は全部、木綿花(ゆうか)に任せるだけなんだけどね。



 あと、やっぱり第零階層のボスの所まで、ビキニアーマーを取りに行くことになった。


 ここは天井から大量のゴブリンが降って来る、低レベル帯だとかなり危険な領域だ。もちろん今のレベルならなんともないし、戦闘苦手なクラフター組でも軽く処理できる。


「こんな自然洞窟みたいな場所なんだね」

「へえ、こんなところに横穴があるんだ。面白いな」


 管理領域とは全く違った感じがするらしく、観光気分で進んでいく。


「ボス部屋……ってボスがいないじゃないの」

「でも宝箱はあるよ!」


 ボスは倒しすぎたみたいで、どっかに行っちゃったんだよね。どうせ簡単に倒せるし、何か大切なアイテムを落とすわけでもない。宝箱さえあれば問題ないのだ。


 さっそく宝箱を開けてみる。中身は想定どおり四人分のビキニだった。


「ほんとにビキニが入ってるんだ……」

「サイズぴったりのモノがあるって本当かなぁ」

「私のは……これかな?」

「なにを見栄はってるのよ、あんたはこっちでしょ!」


 なんだかワチャワチャ楽しんでおられる。


 スリム体形の(みのり)はエメラルドグリーン。かなりグラマーで大人びた体形の亜紗(あさ)は豹柄、アスリート体形の由樹(ゆき)はブラウンのビキニだ。


「豹柄って……ちょっと私のイメージとは違うかな。どちらかといえば由樹(ゆき)じゃないかな」

「いや、大丈夫! 私よりも亜紗(あさ)の方が似合うって!」


 似合っても似合わなくても、サイズで決まってしまうから交換できないんだよね。


 ここまではまあいいんだけど、小柄な陽菜(ひな)はイチゴ模様を引き当ててしまっていた。


「こんなの、子供みたいだよぉ……」


 かなり泣きが入っている。


 まさか似合うというわけにはいかないし、何をどうフォローすればいいんだろうか。



 翌日の土曜日は八人そろって管理領域へ。もちろん、必須到達階層(ノルマ)をクリアするためだ。


 成績の良し悪しはレベルで語られることが多いけれど、実際の成績は魔巌洞(ダンジョン)でクリアした階層で決まることになっている。


 (あらた)たち八人は、一年生組も三年生のクラフター組も、特別講習で大きくレベルを上げることができた。レベルだけで言えばもう成績不良なんてことはない。だけどまだ前期の必須階層をクリアしていないのだ。


「今日一日で行ける所まで行っちゃいたいですね」

「うん、それじゃ第六階層から行くね!」


 クラフター組は一応、第七階層までは到達しているらしい。ただ四人だけだと、そこで狩りを続けるのは厳しかったそうだ。なのでその一つ前、先日まで自分たちが狩りをしていた領域からのスタートになったのだ。



 (ゲート)を潜ると、まるで人間が手掘りしたような、というよりもビデオゲームでありがちな、直線的でありながら岩肌がゴツゴツした洞窟へと転送された。


「向こうの第二階層が似てるかな?」

「あっちは部屋が繋がっている形でしたけど、似ていると言えば似てますね」


「こっちはこういう洞窟が多いかな」

「昨日みたいな、自然の洞窟ぽい場所はまだ見てないよ」


 洞窟の中は壁や天井がふわっと光っていて比較的明るい。


「それじゃ、こっちだよ!」


 陽菜(ひな)たちの案内で管理領域の第六階層を進み始める。地面は平らで、石がゴロゴロ転がっているということもなく、かなり歩きやすい。


 所々に狩りをしている別グループがいて、挨拶を交わしながら通り過ぎていく。そうしてしばらく歩いていると階段に行き当たった。


「この先が第七階層だよ」

「え? もう着いたの? 敵がいなかったんだけど!」


「土日だとこんなもんだよ」

「人が多い分、魔物は狩られてしまいますから」

「だいたい出る場所が決まってるもんね」


 半日頑張っても、敵とほとんど出会えないこともあるそうだ。そんなのでよくレベル上げなんてやってるなぁ。



 次は第七階層、クラフター組もあまり進んだことがない、ほぼ未踏の地だ。


 そう思っていたのも束の間。少し歩いたところで、(あらた)は聖者の瞳で階層全体の地図が見渡せることに気がついた。なぜだか分からないけど、まだ行ってない所まで含めて全部が見えているのだ。


「地形がほとんど見えるんだけど」

「えええ! どういうこと?」


 それはこっちが教えて欲しい。


 聖者の瞳の地形鑑定とマッピングは、魑魅(ちみ)領域では自分たちが進んだところしか表示されることはなかったし、幻影に惑わされることも多いので、あまり信用しすぎることはできなかった。


 それなのに今は、階層が全部見えているのだ。もしかして、聖者の瞳さん、覚醒したのか!


 理由は不明だ。そしてその地図に間違いはなかった。


 そして第七階層でも敵と出会うことは無く、第八階層へと進むことになった。


 第六階層から第七階層に来た時もそうだったけれど、次の第八階層との間にもボスはいない。出てきてもすぐに倒されてしまうので、見る事さえなかなかできないそうだ。


 会いたかったんだけどね。でも留守なら仕方ないよね。



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