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底なしダンジョン学園にようこそ! なんて言われても困るんだけど(仮)  作者: 大沙かんな


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87.そして決着へ

 (あらた)は勝負をかける機会を見つけられず、ジリジリ後退させられていた。


〈ノロノロやっておる間に勝負はついたようじゃぞ〉


 都久詩(つくし)音羽(おとは)の援護を受けて、両手剣の敵を倒したようだ。回復魔術師も二本目の丸太を体に受けて息が絶えた模様。


 今は都久詩(つくし)が火の玉が飛び交う中で、残党狩りに走り回っている。



 いいとこなしだったのはその通りだけど、(あらた)にだって言い分はある。今までの量をはるかに超えて、気合が抜けまくっていたのだ。


 本音を言えば立っているのすらやっと。よくもまあここまで、直撃を受けずに堪えられたものだ。ほんと、誰かに褒めて欲しいぐらいだ。


〈ならば最後くらい気合を入れて見せよ!〉


 ああもう、面倒くさい。でもちょっとは働いておかないと、この後で追放されてしまうかもしれない。


 思いっきり気合を入れて、大上段から巨大棍棒を振り下ろす。


「ていっ!」


 ズガーンッ!


 とんでもない爆発音が響き、地面にクレーターが生まれた。


 敵の姿はどこにもない。


「え? どこいったの?」


 どうやら一緒に爆散してしまったらしい。


「えええ? どういうこと!」


「やっぱり(あらた)は手を抜いてたわね」

「うん、ボク知ってた!」

「本当に悪い(くせ)ですよね、それ」


 音羽(おとは)だけじゃなくて、都久詩(つくし)木綿花(ゆうか)からもダメ出しを食らってしまった。


 そんな酷い。めちゃくちゃ頑張ったのに!


 周囲を見回すと、とくにみんな大きな怪我はなく無事な様子でホッとする。


 今の戦いで、八人全員のレベルが一つづつ上がった模様。相手の装備は弱かったけれど、それでもかなりの格上だったのだ。一つと言わず、もっと上がってもいいくらいだ。



「学生証の表示が変わったよ!」


――探求(クエスト)領域 地下闘技場 クリア済 閉鎖まであと三分


「え? 何これ!」


 まだ制限時間は残っているはずなのに、この領域は閉鎖されてしまう模様。


「早く回収しましょう、急いで!」


 (あわ)ててビー玉や落ちている武器を回収に走る。もちろん巨大(バリスタ)も回収だ。


 壁に突き刺さった丸太も記念に回収しようとしたけれど、それはさすがに回収できなかった。裏から押せば何とかなったと思うんだけど。



 すぐに時間がやって来て、八人はまとめて魔巌洞(ダンジョン)の外に転送される。


 退場(ゲート)はいつも通りで特に何も変わった点は見られない。かと思ったら、足元に男子生徒が三人ほど転がっていた。思わず踏んづけてしまったけど、そんなところで寝てるヤツが悪いよね。


 後から聞いたところによると、倒れていた男子生徒は特別講習に参加していた二年生だったそうだ。なぜあんなところで寝ていたのかは分からないけれど。


 その他、二年生の女子生徒五人がもう少し早く(ゲート)から出てきたらしい。こちらはおそらく闘技場で降参した五人組だろう。


 無事に戻って来たのは彼ら八人と(あらた)たち四人、そしてクラフター組四人の合計十六人。残りの三十四人は行方不明ということになった。


 特別講習でこれほど多くの行方不明者が出るのは珍しいことだという。それも成績優秀のヘルパー組が全滅というのは前代未聞のことらしい。


 本当に何が起こったんだろうか。(あらた)たちはただ、真面目に狩りをしていただけなので詳しいことは分からない。


 ……ことにする。



「この後はどうする? 打ち上げ?」

「賛成! 食堂に行こうよ!」


「あの、借りてる、その、下着を返したいというか……」

「その話もあったわね。そざいのはなしもあるし、軽く打ち合わせしましょうか」


 というわけで(あらた)たち八人は打ち上げを兼ねて食堂での打ち合わせを行う。


 (あらた)側は戦力的には何も問題はない。今回の特別講習で大きくレベルを上げたので時間的な余裕も生まれた。問題は必須到達階層(ノルマ)に達していない、ただそれだけだ。


 クラフター組も大きくレベルを上げたので、レベルの上では落ちこぼれを脱出したと言って良い。ただこちらも必須到達階層(ノルマ)をクリアしたわけではないので、その必要はまだ残っている。


 つまりどちらのグループも到達階層を上げる必要があるわけで、そこはお互い協力できそうだ。


 袋の中の素材はちょっと面倒くさい。全部を外に出したら酷いことになるし、食材なんかは腐ってしまう。しばらくは二つのグループは協力関係というか、合同というか、そんな感じで動く以外に手がないというか、そういう話で落ち着いた。


「もういっそのこと、クラブにしてしまうというのはどうかな」

「それもいいわね」


「でも準備とかいろいろ大変じゃない?」

「準備はクラフター組でできるかな。元々そのつもりで準備してたのもあるし」


 そう言う事なら任せてしまってもいいかもしれない。


 今回の特別講習で分かったことは、クラフターは弱い、それは正しいけれど正しくないってことだ。どちらかというと、クラフターは強いんだけど、ベクトルが先頭の方向に向いてない、というのが正解に近い気がする。


 固定グループを組んで、ずっと一緒に攻略するとなると危険が伴うし、あんまり良いことはないかもしれない。でも定期的に一緒にレベル上げをしたり、今回のようなイベントに参加するなら、良い仲間になりそうな気がする。



 おそらくだけど、この後もう一度魔巌洞(ダンジョン)に戻って、第零階層のボス宝箱を取りに行くことになるだろうなあ。


 (あらた)がぼーっとそんなことを考えているうちに、おおよそのことが決定していた。


「それじゃ部長は(あらた)ってことで、よろしくね!」


 え? 何それ? 聞いてなかったんだけど!


 えええ? 決定なの? そんな酷い!



――――――――――



若草(わかくさ)(あらた) 中級見習い十七→十八

 装備: 全身鎧、巨大棍棒、聖者の瞳


鳴神(なるかみ)音羽(おとは) 拳闘士十六→十七

 装備: 簡易防具、頑丈な篭手、頑丈な脛当、棍棒、ビキニアーマー(黄)


坂江(さかえ)木綿花(ゆうか) 巫子十七→十八

 装備: 簡易防具、無骨な槍、ビキニアーマー(白)、炎の杖(魔力向上小、炎魔法連射)、魔法のドレス(魔力向上小、炎耐性中)


不知火(しらぬい)都久詩(つくし) 剣豪十七→十八

 装備: 簡易防具、無骨な刀、ビキニアーマー(水色)


天坂(あまさか)陽菜(ひな) 調理師十四→十五

紅野(こうの)亜紗(あさ) 裁縫師十四→十五

白妙(しろたえ)由樹(ゆき) 木工師十四→十五

朝顔(あさがお)(みのり) 栽培師十四→十五




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