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底なしダンジョン学園にようこそ! なんて言われても困るんだけど(仮)  作者: 大沙かんな


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125.予選通過と本戦と

 クラブ対抗戦の予選。


 最初の戦いの相手である朝霞(あさか)姉妹率いる『エメラルドの風』を一蹴した(あらた)たちは、第二戦へと勝ち残った。


 次の相手も先ほどと同じく二年生が主体のクラブ、それに対抗するこちらの一番手は都久詩(つくし)だ。


 審判の開始の合図と同時に相手の首が飛ぶ。


 それが五回続いて、はい、おしまい。あっさりと勝負がついてしまった。


「何だよ、今の……」

「全く見えなかったぞ……」


 先ほど行列になっていた場所で、逃げ出そうとして取り押さえられてる人たちがいる。登録した以上は逃げられない、戦わないといけない。


 だけど安心して欲しい、次の戦いに出るのは都久詩(つくし)じゃなくて音羽(おとは)だし。都久詩(つくし)が出るのは次の次だから。



 次とその次は二年生じゃなくて、三年生を主体にしたクラブだったけど、音羽(おとは)都久詩(つくし)には全く歯が立たなかった。


「クックック、面白いじゃないか。次は俺たちが相手になってやる。覚悟しなっ!」


 現れたのは四年生か五年生かと思われる、筋肉ダルマの巨人集団。なんだよ、あれ、本当に人間なのか? クマ……、いや、丸太かなんかの間違いじゃないのか?


 (あらた)たちだってそこそこ強いと思うけど、さすがにあんなのと戦ったらペチャンコにされちゃいそうだ。


 応援席の武士(たけし)の方を見ると、思いっきり目をそらされた。



「馬鹿か、貴様らは。失格だ、失格っ! 乙種クラブが予選に参加してどうする!」


 審判の先輩の言葉が闘技場に響く。


 筋肉ダルマ軍団は上位のクラブだったらしい。それがなんでこんな予選に紛れ込んでるんだよ。迷惑な話だよね。


「クラブ『たかはし』、不戦勝で五戦勝ち抜き。これで予選通過だ。おめでとう。」


 最後は戦わずに予選を通過してしまった。ブーイングが凄かったので、二回ほど追加で戦うことになっちゃったけどね。



「クックック、どうせ本戦で戦う事になる。覚悟を決めておけよ、ガキども!」


 筋肉ダルマの巨人集団が(あお)ってくるのをやめない。


 本戦って、あの……。(あらた)たちの次の試合は丙種を賭けた戦いになるわけで。そしてあの筋肉ダルマ先輩たちは乙種クラブ……。


 ということはさらに上位ランク、対戦することなんてないはずなんだけど?



 ~~~~~



 次の週末。


 それはクラブ対抗戦の本戦。そしてその日は、あっという間にやって来た。


「どうせ勝ち残れるわけないんだから、とっとと出場してとっとと終わろうか」

「う~ん、だけどできれば一勝ぐらいしたいわよね」


 エントリーしたころにはあまり分かってなかったけど、甲種、そして乙種といった上位クラブは怪物級メンバーの集まりだ。今の(あらた)たちの実力で対抗するのはあまりに厳しい。


 相手できそうなのといえば丙種クラブ。つまり本戦の一回戦に出てきて、そのまま負けていくような相手だけだ。


 それってつまり、(あらた)たちのクラブ『たかはし』の事だったりするわけで。



 本戦のメイン会場は第一闘技場だ。ここは観客席が非常に大きくて、全校生徒が入ってもまだ余裕がある。そんな第一闘技場には朝いちばんから多くの生徒たちが集まっていた。


 本戦は予選よりもはるかに試合数は少ない。だけどそれでもすべての試合が第一闘技場で行われるわけじゃない。特に一回戦は数が多いので、他の闘技場に割り振られている試合も多数ある。


「ボクたちの試合は……えっと、第二闘技場だって」

「う~ん残念!」


 掲示板を見て、自分たちの試合会場を確認する。この学校、スマホもパソコンもないし、ネットも何もない。だからすべて掲示板が頼りだったりする。


 そしてどうやら今回は、メイン会場での試合には恵まれなかったようだ。



 本戦の第一回戦や第二回戦は、朝早くから始まる。(あらた)たちが第二闘技場に行ったころにはもう最初の試合は終わっていて、(あらた)たちの一つ前のクラブが戦っていた。


 本戦の熱気が控え席まで伝わってくる。予選と本戦、そこには大きな違いが二つある。


 まずは予選が五人の勝ち抜き戦なのに対して、本戦では一人一回しか戦えない。一人づつが順番に戦って、三人が勝利した時点でそのクラブの勝ちが決まるってことだ。


 そして単純に、本戦はちゃんと決勝までのトーナメント表があって、それに沿って試合が行われること。つまり本戦では、予選のように勝ち残ったクラブに後から後から強いクラブが挑戦してくるなんてことはない。


 他にも、出場辞退や戦わずして降参はできないとか、不戦勝だと次の試合に進めないとか、イカサマ防止のための細かい規則があった。


 つまりクラブ対抗戦の本戦は、予選とは違って、なんだかちゃんとした試合っぽく見えるってことだ。



 (あらた)たちと少し離れたところには、同じように次の試合を待っている人たち、つまり(あらた)たちの対戦相手が控えている。


 見たところ上級生、どうやら二年生か三年生ってところだろうか。


 なんとなくだけど、どこかで見かけたことがある気がする。はて、どこだっただろう? あまり思い出せないぞ。


「あの人たちって……先週の予選の時に叩きのめした人たちっぽいんだけど?」

「あ、そう言えば!」


 言われてみればそんな気がする。


 でもそうだとしたら、(あらた)たちに負けて予選敗退してるってことになるんだけど。なんで本戦に出てるんだろう?




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