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底なしダンジョン学園にようこそ! なんて言われても困るんだけど(仮)  作者: 大沙かんな


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122.拠点の成長

 クラブ対抗戦はもちろん重要なイベントなんだけれど、拠点の設営やダンジョン攻略だって大切な日常、サボっているわけではない。


 拠点の見た目はまだまだ寂しい。でも周囲を覆う簡易的な柵は完成しているし、数本の井戸も、その水を汲み上げるポンプも、そしてそのポンプを動かす電気を生み出すソーラーパネルも、すでに設置されて動き始めている。


「畑はほぼ完成した感じだよね!」

「まだまだ全然……。見た目だけで、中身はスカスカです……」


 (あらた)は褒めたつもりだったけど、栽培師の(みのり)は全く逆、否定的なご意見。


 話を聞いてみるとまったく土ができてないのだとか。本来ならば肥料を入れて耕して、何か軽いものを育てて、また肥料を入れて耕して。そうしているうちに、素晴らしい土に育っていくらしい。


「本当なら、ちゃんと土が育つには何年もかかりますよ……」

「えええ! 何年もしてたら、卒業しちゃうじゃないの!」


「大丈夫、スキルで加速してますから」


 (あらた)は単純に、太陽と水だけあれば作物は育つと思っていたけれど、それもまた間違っているらしく、善玉の微生物を増やしていくようにしないといけないそうだ。


 酸度の調整や除菌、害虫の駆除なんかは、スキルでパッとやっちゃえるらしい。ただスキルで加速するのも良い点と悪い点があるらしく、下手に加速し続けていると逆に土地が痩せてしまうというから、厄介な話だった。


「まず豆と芋からかな……」


 色々話を聞いてみたけれど、今は上手くいっているのか、それとも停滞してるのか。そんなことすら(あらた)にはよく理解できなかった。


 だけど(みのり)を見ていると、楽しそうにしている様子なので、たぶん上手くいっているんだろう。



 畑の外れ、拠点の北の一角では、本格的な建物の建設が始まっていた。どう見てもビルの基礎工事みたいに見えるんだけど、こんなことまで木工師の仕事なんだろうか。


「木工だけじゃ無理無理。整地は(みのり)に頼んだし、基礎だって半分は亜紗(あさ)に頼んでるよ」


 栽培やら木工やらで土木工事というのもなんかズレてる感じがするけれど、裁縫で基礎工事だって? いったいどういうことなのか、もしかしたら一生理解できないかもしれないぞ。


「スキルで繊維を強化して、それを樹脂で固めてるだけだから。そんな大したことじゃないかな」


 ええ? それって布とかプラスチックで基礎を作ってるってこと? そんなんで大丈夫なの?


「全部が強化樹脂ってわけじゃないけどね。それに木造建築なんて基礎の上に乗っけるだけなんだから、ダメなら基礎を作り直して、また乗せ直せばいいだけだってば」


 マジか……。本当にそれでいいのか? 何だか心配になってくる。


「そもそも五十年も百年も持たせる必要ないでしょ? 五年もすれば卒業なんだから」

「でもこれで二十年ぐらいは軽く持つかな。そのぐらい時間がたったら、どうせ補修は必要だね」


 とんでもない割り切り方だ、そう思ったけれど、それはそれで違うらしい。


 由樹(ゆき)亜紗(あさ)、この二人によれば、メンテなしでずっと使えると思っているのが大きな勘違い。どんなものでも、形あるものは必ず壊れるんだから、定期的にメンテするのは当たり前なんだとか。


 ま、考えてみれば、それもそうかもしれないね。



 拠点では、クラフター組の手で色々なものが作られつつある。


 (あらた)たち戦闘組だって別に遊んでいるわけじゃない。一歩一歩しっかりと第四階層の攻略を進めているのだ。


 回転するパイプ洞窟、いまだにそこに引っかかっているのは確か。毎日進んでいるはずだけど、まだゴールは見えていない。


「そろそろ水が引く時間ですよ。準備していきましょうか」

「うん、行こう!」


 だけどこうして毎日コツコツと戦うことで、四人全員のレベルが二十に達している。


 最近では、調理師の陽菜(ひな)が暇、いや、クラブ対抗戦への出場が決まっているので同行してもらうようにしている。お陰で彼女のレベルは十五から十七へと上がっていた。


 誤差といえば誤差レベルかもしれないけれど、少しづつでもレベルを上げ、鍛えあげることが勝利への道といっても間違いではない。



 いつものように入場(ゲート)から魔巌洞(ダンジョン)の中へと入っていく。


 今回は、どうやら周囲に魔物の姿はない。いきなり戦いにはならなかったことで、ほっと溜息をもらす。


「この魔巌洞(ダンジョン)に入る瞬間の感じって、どうしても好きになれないわ」


 好き嫌いは別にするにしても、ドキドキしすぎて心臓に悪いのだけは間違いない。


 そのまま道を進み、途中で出くわした妖獣を倒していく。そしてまたもや前方に大きな水たまり。


 その水たまりに湧いた妖獣ワニー、それを全部倒せば今回の魔巌洞(ダンジョン)探索はおしまいだ。


「そろそろ出口になってくれてもいいのに」

「まあまあ、そう言わないで」


 どんどん口に出せばすぐにでも出口に到達できるっていうのなら、叫び回ってもいいんだけど。



――――――――――



若草(わかくさ)(あらた) 中級見習い十九→二十

 装備: 全身鎧、巨大棍棒、聖者の瞳


鳴神(なるかみ)音羽(おとは) 拳闘士十八→二十

 装備: 簡易防具、頑丈な篭手、頑丈な脛当、棍棒、ビキニアーマー(黄)


坂江(さかえ)木綿花(ゆうか) 巫子十九→二十

 装備: 簡易防具、無骨な槍、ビキニアーマー(白)、炎の杖(魔力向上小、炎魔法連射)、魔法のドレス(魔力向上小、炎耐性中)


不知火(しらぬい)都久詩(つくし) 剣豪十九→二十

 装備: 簡易防具、無骨な刀、ビキニアーマー(水色)



天坂(あまさか)陽菜(ひな) 調理師十五→十七

紅野(こうの)亜紗(あさ) 裁縫師十五

白妙(しろたえ)由樹(ゆき) 木工師十五

朝顔(あさがお)(みのり) 栽培師十七



朝霞(あさか)春陽(はるひ) 騎士三

朝霞(あさか)穂乃香(ほのか) 聖魔法士三



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