表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底なしダンジョン学園にようこそ! なんて言われても困るんだけど(仮)  作者: 大沙かんな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

122/149

121.強化プラン

 (あらた)たち四人を自分たちのクラブに勧誘しに来た朝霞(あさか)姉妹。


 だけど(あらた)たちはクラフターの三年生たちと一緒になって、すでに自分たち自身のクラブ『たかはし』を設立してしまっていた。


 確かにわざわざ連絡したりしなかったけどね。


 というか、特別講習を終わってすぐの話だったし、彼女たちのグループの方がこっちを馬鹿にして距離を取った時だったし。巡り合わせが悪かった、縁が無かった、それもこれも運、ってことだよね。


 二つのクラブに同時に加入することはできないので、このままだとどうにもならない。クラブの掛け持ち禁止は校則で決まっている事なので仕方ないのだ。


「それじゃ、私たちのクラブを解散して、そちらに合流するっていうのはどうかな?」

「ええっとそれは……」


 ちょっと困るというか、強引すぎるというか。


「……まずは春陽(はるひ)穂乃香(ほのか)の二人だけ、他の人はそれぞれ別に考える、っていうのなら問題ないですよ」


 ここで木綿花(ゆうか)が会話に参戦してきた。


 (あらた)だけでは情で押し切られると思ったのだろう。彼女だってクラブの副部長、しっかり発言権はあるのだ。いや、こういう時はどちらかというと(あらた)よりも頼もしい。


「それは……困るな。まとめて何とかならないかな?」

「それは無理ですね、こちらにはこちらの事情がありますから」


 穂乃香(ほのか)にしっかりと断られた春陽(はるひ)が、(あらた)に視線を投げかけてくる。なんとか彼女に意見してくれって意味だろうけど、(あらた)だって穂乃香(ほのか)の意見に賛成なのだ。


 いくらそんな目をされたって、判断は変わらないよ?


 (あらた)からしてみたら、春陽(はるひ)穂乃香(ほのか)、二人だけなら受け入れても何の問題もない。ただ、二人の仲間の女子生徒たちが苦手なだけ。


 彼女たちは何ていうか、例えるなら、人の家にドカドカ押しかけてきて、勝手に冷蔵庫を開けて中身を漁っていくというかなんというか。そんな感じがするんだよね。


 クラフター組のみんななら、朝霞(あさか)姉妹のグループ全員を受け入れるって言ってくれるかもしれない。でも(あらた)自身が嫌なんだから、そのために動くわけがなかった。



 がっくりと肩を落としてトボトボと引き返していく春陽(はるひ)と、姉を慰めながらついていく穂乃香(ほのか)。彼女たちはクラブ対抗戦までに、戦力の増強はできるのだろうか。


 朝霞(あさか)姉妹の『エメラルドの風』だけじゃなく、各々のクラブがそれぞれ勧誘合戦を繰り広げていた。


 クラブ側からすると、強い人に入って欲しいけど弱い人はお断り。でもクラブに入る生徒側からしてもそれは同じで、弱いクラブに入る価値はほとんどない。


 つまり弱いクラブには弱い人しか入って来ないんだから、勧誘で即戦力を増強するなんて、かなり無理な話だったりする。


 最底辺(丁種)クラブが成長するには、自分たちが強くなって、そして一つ上のランクである丙種に上がる、実を言えばそれしか道はないのだ。


 そんな現実の前には、夢や希望なんてどこにもなかった。



 (あらた)たちには(あらた)たちで、別の問題があった。クラブ対抗戦の選手は五人、誰を選手にするのか。


 (あらた)音羽(おとは)都久詩(つくし)の三人、そして木綿花(ゆうか)。ここまではいい。だけどあと一人はクラフター組から出てもらわないといけない。


 どうやって選べばいいんだろう。


「もちろん、私が出るよ! こう見えても、副部長だもんね!」


 クラフター組から名乗り出たのは、調理師の陽菜(ひな)だ。


「一番小さくて弱そうなんですけど……」

「あああっ! 気にしてることをっ! そういうこと言っちゃ駄目なんだぞ!」


 見た目だけで判断すると、木工師の由樹(ゆき)が一番強そうに見えるだろう。巨大な丸太を何本も肩に担いで動き回ってる。なんとなくだけどパワーファイターって感じ。


 毎日のように巨大な草刈りガマを振り回している、栽培師の(みのり)も捨てがたい。気が付いた時には命ごと刈られてそうだ。



「心配しなくても大丈夫かな。クラフター四人の中だと、陽菜(ひな)が一番お肉を(さば)くのが上手いから」

「そうそう。急所だって一発で絞めちゃうよ?」


 なんだか違う話をしてない? 本当に大丈夫なんだろうか。でもクラフター組の意見は一致してるし、任せちゃうしかない。


 (あらた)たち戦闘組だって、木綿花(ゆうか)がどのくらい戦えるのか、かなり不安があることだし。


「大丈夫ですよ、予選は勝ち抜き戦ですから。私や陽菜(ひな)どころか、(あらた)にだって出番はありませんよ?」


 それってつまり、音羽(おとは)都久詩(つくし)で終わっちゃうってこと? たしかにありそうで怖い。


「大丈夫だよ! ボクが全部片づけちゃうし、音羽(おとは)にも出番はないからね!」

「何を言ってるんだか。先鋒は私でしょ?」


「ボクですよーっだ!」

「私でしょうがっ!」


 ああ、もう! そんなことで、ケンカするのはやめようよ。交代でやればいいじゃないの!


 決闘で決める? そんなの許さないよっ!




評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ