表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
底なしダンジョン学園にようこそ! なんて言われても困るんだけど(仮)  作者: 大沙かんな


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

119/146

118.クラスの女子会

 昼食後は武士(たけし)と連れ立って拠点候補地に顔を出してみる。


 女子組は女子会真っ最中だろうしね。あんまり邪魔をするわけにはいかないのだ。


 クラフター組の四人はすでに集まっていて、それぞれ作業を始めようとしているところだ。


「こんにちは。何かお手伝いできることってある?」

「あ、ちょうどいい所に! それじゃ、杭打ち手伝って貰おうかな」


 木工師の由樹(ゆき)にお願いされたのは拠点周囲の柵作り、その基になるように等間隔に杭を打っていく作業だ。あとから杭に木の板を打ち付けて、柵にしていくらしい。


「ちょっと待っててね、まずはハンマー作っちゃうから」


 おお、ハンマーから手作りしていくのか! ……って、よく考えてみたら、柵作りより、ハンマー作りの方が木工っぽい感じだよね。


 横から見ていると、切り倒された木材の山から、みるみるうちに大型のハンマーが、そして木の杭が続々と生み出されていく。


 (あらた)たちの仕事は、杭を拠点の周辺に運んで、だいたい同じくらいの高さになるように地面に打ち付けていくだけ。結構な高さがあるので、ちゃんと木製の脚立も用意されている。


 武士(たけし)と二人で抑え役、打ち付け役を交代しながら、拠点の周囲を杭で囲っていく。


「二人とも、そろそろ片づけ始めないと、授業の時間だよ!」

「ええ? もうそんな時間?」


 時計を見ると、そろそろお昼休みも終わる時間になっている。


 (あらた)はこのしばらく後に魔巌洞(ダンジョン)に向かうことになっているのでいいけれど、武士(たけし)やクラフター組の四人は授業に行かないといけない。


「それじゃ後は僕がやっとくよ」

(あらた)、お前、授業に出ないのかよ、ずるいぞ!」


 そんなこと言われてもねえ。午後の授業は実技だから途中で退出しにくいのだ。たとえば持久走の最中に「それじゃ後はよろしく~」って抜けだしたらどう思う?って話。


 そんな話をしてたら、本当に持久走だったらしい。


「裏切者め~~っ!」


 運動場の方からそんな叫び声が聞こえてきたような気がする。



 彼らが授業に向かってしばらく、抑え役なしで一人えっちらおっちら杭打ちを続けていると、音羽(おとは)たち三人が拠点候補地にやってきた。


「なによ(あらた)、一人だけ拠点づくりに参加しちゃって、ずるいわよ! 私たちにもやらせなさいよね」

「うん、ボクたちにも権利があるよね!」


 せっかくの柵作りは、あっさり音羽(おとは)都久詩(つくし)に奪われてしまった。もうしょうがないなあ。


 交代するだけだからね? あとでまた代わってもらうからね?


 それに、ずるいって言われても困ってしまう。女子会に参加するわけにはいかなかったんだから、許して欲しい所存。


「女子会が面白くなかったから、二人とも少し荒れているんですよ」

「えええ? 面白くなかったって、どうして!」


 女子会って女の子だけでワイワイというか、キャッキャウフフって楽しむものじゃなかったの!


「それがですね、今一つ盛り上がらなかったんですよね」

「ありゃりゃ、そりゃ残念だったね」


 何があったか知らないし、詳細を聞くつもりはない。そんなの教えてもらったって面倒くさいことになるだけだ。


 女子会は女子会。(あらた)のような男子が口を出す領域ではないのだ。


 ただねえ、音羽(おとは)都久詩(つくし)だけじゃなく、木綿花(ゆうか)もご不満が溜まっているご様子。とりあえず巻き込まれないように、適当に相槌(あいづち)だけ打っておくのが吉だ。



「適当に聞き流しておこうって魂胆ですね?」

「い、いや、そんなことはないよ」


 バレてるし!


「実は女子会でですね~」

「いや、ほら、そういう話はやめとこうッていうか……」


「本当に困っちゃう話でですね~」

「だめだって、女子会の話は。女子限定なんだってば」


 聞いちゃ駄目だ、聞いちゃ駄目だぞ。


「そんな、ちゃんと聞いてくれないと~」

「だめだめっ! 聞こえな~い」


 両手で耳を塞ぐ。絶対に聞かないぞ!


 しかし木綿花(ゆうか)もそれぐらいじゃ引き下がらない。(あらた)の手を耳から引きはがしにかかってくる。待って、それ本気パワーじゃないか!


 そんなことに負けてはいられない。(あらた)さらに両手に力を入れる。


 うおおおおっ! 絶対に耳は死守だ! 死守っ!


 …………。


 ……。



「あんたたち、何を乳繰り合ってるの……。昼間っからサカってないで、そろそろ時間よ?」

「あらあら、もうそんな時間ですか」


 まるで何事もなかったかのように、木綿花(ゆうか)(あらた)から離れる。


「ほら、(あらた)は鎧を着るんでしょ? 待っててあげるから、早く準備しなさいよね」

「うわわわ、ごめん!」


 なんだかちょっと納得できないような、そんな気がしないでもないけれど、急いで鎧に着替え始める。


 杭打ち作業の方は、というと、ちゃんと後片付けが終わっていた。まだ打ち込んでない木杭は一ヶ所にまとめてあるし、巨大ハンマーと脚立は小屋の中に片づけたそうだ。


 この定期的にチョコっとづつ魔巌洞(ダンジョン)に行く感じ、やっぱり全然慣れないわ。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ