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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第7話 自動化の始まり

「続いて『カバンガイ』を召喚してみましょう」

 

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カバンガイ

独特な模様を持つ二枚貝。ショルダーバッグくらいの大きさで、同じ模様は1つとして存在しない。体内の空間をある程度操る能力があり、この空間内に非常時の食料を蓄える性質がある。ストレージバッグの素材となる。

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「『ストレージバッグ』?」


「はい、それを作ってみます。気に入ったカバンガイをレンキンガイに入れてみましょう」


 いくつかカバンガイを召喚してみて、渦巻きの模様を持つカバンガイを選んでレンキンガイに投入した。

 しばらくしてレンキンガイから吐き出された物は、投入したカバンガイにがま口のようなパーツが付けられたものだった。


「これがストレージバッグです。16畳の部屋ほどの収納力があります」


「マジか!!」


 つまりアイテムボックスとかインベントリとか、そういうネット小説によくあるチート能力と似たような事が出来るのか。小脇に抱えられる程度の大きさで異常なほど大きい収納力を持つ道具は便利だぞ。特に素材として集めている貝殻は場所を取るからな。

 ストレージバッグに収納できれば結構スッキリするはずだ。


「『アカリガイ』を召喚して下さい、マスター。これでマスターの悩みの1つを解決できますよ」


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アカリガイ

殻が発光する巻貝。明かりで動物性プランクトンをおびき寄せ食べている。照明器具の素材。

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「やった、照明が作れるのか!」


「その通りです、マスター」


 夜の暗さは本当にどうにかならないかと思っていたからな。もし夜中に何か異変があっても、明かりがないから見に行けないのだ。無理に見に行こうとする方が逆に危険だし。

 早速俺はアカリガイと貝殻を素材に、照明器具を作った。フレーム部分は貝殻、ランプ部分がアカリガイで出来ている。

 2種類のタイプを作ってみた。1つはフロアランプでテント内に設置するもの。もう1つはランタンで手に持って周囲を照らすことが出来る。

 両方とも、ランプ部分が巻貝になっていておしゃれなんだよな。

 

「さて、これから行うことが今日のメイン作業と言ってもいいでしょう。少々複雑な作業になりますが、マスターなら必ず成し遂げられると信じています」


「大きく出たな。その作業が成功するとどうなるんだ?」


「マスターはおっしゃっていましたね。海水を汲むのがキツいと」


 確かにそうだ。トイレの浄化槽の入れ替えや飲用水用の水槽に海水を入れる作業は、とにかく重くて何度もキャンプと海を往復しないといけないから、少女の身体になった今となってはかなりキツいのだ。


「海水をわざわざ汲みに行かなくてもよくなります」


「そんな方法が!? すぐやろう!」


「やる気を出していただけましたね。では、『デンチガイ』と『モーターガイ』を召喚しましょう。この2種類の貝が作業の要です」


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デンチガイ

マテガイのようなパイプ状二枚貝。両手で抱える程度の大きさがある。貝の中を通る水から魔力を抽出して貯蔵する。人の魔力では賄えないような大型魔導具を動かすためのバッテリーの材料となる。また、単純にパイプの素材にもなる。

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モーターガイ

黒い巻貝。表面が非常になめらかで金属光沢を放っているように見える。殻が特殊な二重構造になっていて、外側の殻を自在に回転させる。様々な魔導具の動力源となる。

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 この二種類の他にハミットから指示されたのは、水槽をもう1つ作ることだった。これを飲用水を作っている水槽の近くに置く。


「では、デンチガイとモーターガイをレンキンガイに入れて錬金しましょう」


 そうして出来たのは、デンチガイを一回り大きくしたようなパイプであった。


「『モーター付きパイプ』です。水などの流体を送り出すモーターを内蔵したパイプです。デンチガイの殻を使っているので、モーターへの魔力供給も問題ありません」


「あー。ハミットのやりたいことが大体わかったぞ」


 俺は何本かモーター付きパイプを錬金した。そして片方の水槽をモーター付きパイプで海に繋ぐ。さらにシオアサリを水槽に入れる。

 シオアサリを入れた水槽と飲用水生成用に使っていた水槽を、同じくモーター付きパイプで繋ぐ。こちらはロカカキのみ入れておく。

 すると、モーター付きパイプの働きで自動的に海水がシオアサリの水槽に注がれる。ここで塩が取り除かれる。さらにロカカキが入った水槽に送り出され、ここで清潔な水となる。


「なるほど。つまり『自動海水浄水装置』ってことか」


「ご名答です、マスター。これで日々の海水汲み作業から解放されますよ」


「あれ、でもトイレの方の海水入れ替え作業が変わってないよな?」


「この自動生成される浄水を、さらに自動で送り出すよう色々改良するのです。まぁこれ以上の作業は体力的に厳しいので、また明日にしましょう」

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