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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第67話 降り注ぐ魔導の雨

「よし、通れるようになったな」


 道を塞いでいるガレキをレンキンガイに飲ませ、俺は道を開くことに成功した。


「先を急ぐぞ」


「わかりましたわ」


 俺達は大部分の兵士達と分断された状態にある。早く合流するために急いで進まないといけない。

 そして俺達は仲間と合流できた。できたのはいいのだが……。


 ガレキの向こうから響く爆音と、戦場を染める魔力の光。


 「……合流はできましたが、これは……地獄ですわね」


  パールの言葉通り、そこは魔法の豪雨が降り注ぐ最前線だった。


 すでに敵と戦闘中だった。しかもパールが『地獄』と形容した通り、こちら側の劣勢だった。敵側から魔法がビュンビュン飛んできて、手も足も出ない状態なのだ。

 俺達の存在に気付いた兵士が声をかけた。


「姫様、ご無事だったのですね。立ったままでは危ないです。頭を低くして下さい」


「わかった。ところで、今どういう状況か説明してくれるか?」


「了解しました」


 兵士が言うところによると、俺達の救出を図ると同時に周囲の安全を確保するため哨戒と偵察を実施。その際に魔法騎士団と会敵してしまったそう。

 魔法騎士団は以前砦で交戦したときよりも魔法の密度や威力が桁違いに強くなっていた。

 その結果、哨戒・偵察部隊だけでは対処しきれなくなり、俺達の救出も断念せざるを得ず魔法騎士団との戦闘に注力する羽目になったらしい。


 俺がガレキを撤去したときに誰も居なかったのは、そういう事情があったからなのだ。


「罠対策用のマナススリガイを使って無力化を試みたのですが、すぐに魔力の吸収容量が限界に達してしまうらしく、焼け石に水で……」


「ああ、だからマナススリガイの死体が転がっているのか」


 自陣と敵陣との間には、大量のマナススリガイの死体が転がっていた。ほぼ全てが殻を破壊された状態で死んでいる。魔力を吸収しすぎて殻が壊れたためだ。


「姫様のお出まし、か。シェルドンは敗れたようね」

 

「マリーナか」


 敵陣の方から声が聞こえてきた。魔導騎士団の隊長・マリーナの声だ。どうやら声を大きく拡散させる魔法か魔導具を使っているようで、こちら側まで声がよく聞こえる。


「シェルドンの事は何も思わないわけでもないわ。でも、今は感傷に浸っている場合じゃ無い。今は――自分の研究成果をその身で思い知ってもらう時よ!」


 その瞬間から、魔法が怒濤の勢いで敵陣から飛んできた。今まで以上に密度も高く、威力も高い。


「姫様、サキモリアコヤの防御結界装置はありますの!?」


「すまないパール、あれは拠点防衛用の魔導具であって、携行して使用する物じゃ無いから持ってきてないんだ」


 今にして思えば、個人携帯用の防御結界発生魔導具を作っても良かったかもしれないが、後の祭りだ。今はそんな魔導具を作る暇も時間も無い。


「いい気味ね。かつて国から『無駄な研究』と断じられ、研究資金を打ち切られた陣形魔法の研究。その極致がこれよ! 陣形魔法の知見を元に魔導具の魔力回路を設計し、大幅に性能を向上させたわ。本当は研究を打ち切った元凶にお見舞いしたかったけど、もうこの世にいないしね。王女様、悪いんだけど、恨むならあなたの父君を恨みなさい」


 さらに攻撃の密度が増してきた。マリーナの言葉はどれも非常に気になるが、それに思考を裂く暇も無い。


「姫様、盾にしている建物やガレキがもう持ちませんわ!」


「クッ……」


 このままでは、いずれ俺達が丸裸にされ、敵の攻撃に晒される。その前になんとか切り抜けないと。

 あの、陣形魔法を応用したという魔導具の攻撃を崩す方法は……。


「あ、そうだ」


「何か思いつきましたの、姫様?」


「ああ、そうだ。もしかしたら上手くいくかもしれない。だが、この作戦を成功させるには――」


 俺は兵士達に目配せをし、宣言した。


「ドローン操縦に覚えのある兵士達の協力が必要だ」

 

 すると兵士達は俺に対して頷き返し、力強く答えた。


「わかっています! 我々にお任せ下さい」


「これでも、俺達はアクアリウム奪還に向けて訓練を重ねて来たんです」


「姫様のお考えを信じます」


 その言葉を聞いた俺は、早速簡単な作戦内容を伝えた。この作戦を成功させるには仲間との息の合った連携、特にドローンの陣形を維持し続けながら飛ばす技術が要求される。

 だが、そんな難しい話をしたのに兵士達は難色ひとつ示さず了承してくれた。


「それじゃあ行くぞ!」


『ハッ!!』


 俺はレンキンガイを召喚、その中にドローン、マナススリガイ、様々な種類の魔法の杖をありったけ投入した。

 そうして完成したのは、魔法の杖を武装しマナススリガイが乗った、素材として投入した物が単純に合体しただけのもの。こういう単純な合体魔導具は錬金にそれほど時間がかからず面倒な調整も必要ないので、戦場の最中でもなんとか錬金出来るのだ。

 

 ドローンの操縦端末を受け取った兵士達は、次々とドローンを飛ばし始める。そうしてドローンは空中で、車輪のような円形の陣形を組んだ。

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