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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第48話 初陣! 砦防衛戦

~マリーナside~

 

「マリーナ様、これは……」


「いつの間にこんな砦が……」


 マリーナは自らが組織した『魔導騎士団』を引き連れ、反クーデター軍の偵察に訪れた。魔導騎士団とは魔法が使える者の中で馬の扱いに長けた者で構成された部隊で、魔法の強力な遠距離攻撃に加え機動力を持たせるというコンセプトの部隊である。

 さらに中には一定水準以上に近接戦闘が出来る者がおり、あらゆる戦況で活躍が見込まれている。


「一応敵の戦略については予想通りだったけど……ある意味予想以上よ。拠点を作ると言っても、せいぜい野営陣地にちょっとした塀や堀を作る程度だと思っていたのに……」


 マリーナはクーデター軍の戦略について予想を立てていた。アクアリウムを攻める時に拠点としているルビーハーバーからの補給が問題となる。それを解決するために道中何カ所かに拠点を作り、そこを経由しながら前線へ補給する。そうすれば補給物資を守りやすくなるし補給部隊の休息がやりやすくなるからだ。

 

 その予想は当たっていた。だがマリーナは拠点と言っても野営陣地に毛が生えてようなものを創造していたのだが、実際は違った。

 普通に建築すれば数ヶ月から数年はかかるような本格的な砦を一瞬で建ててしまうとは夢にも思わなかったのだ。


「これも、王女の特殊能力だというの……?」


「マリーナ様、いかがされますか?」


 部下がマリーナに指示を仰ぐ。マリーナはしばらく考えた後、こう命じた。


「あなた達は待機して。自分が一発当たってみるから、敵の砦がどう反撃したか、どういう機能を持っているか確認しなさい。それを元に次の砦をどう攻略するか考えるわよ」


「はっ。ですが、マリーナ様お一人では危険では……?」


「まさか、自分が身一つで突撃するわけないでしょう。別の子達にやってもらうのよ」


 そう言って、マリーナは不敵な笑みを浮かべた。

 

***

 

~コーリーside~

 

 砦を建設して数日が経過した。試験的に行っている補給は順調。このまま徐々に補給部隊の規模を大きくしていき、最前線を支えられる規模まで大きくなれば、砦の防衛人員を残し次へ進む手はずだ。

 その間の砦での生活は快適。俺が錬金した家具や設備が上手く機能しているのもあるが、食事の質が段違いだ。俺の貝使いの能力を使えば食料に困ることは無いし、スパイスなどのこの国の人にとって珍しい食材もふんだんに使えたりするので、非常に好評だ。

 今のところ順調な砦生活だが、イカネスは不穏な気配を感じているようだ。


「敵の行動が見えません」


「敵の行動?」


「はい。ここはルビーハーバーに近いとは言え、クーデター軍も行動を取れる場所です。このような砦を建てておいて、敵が指をくわえて見ているままとは到底思えないのです」


「つまり、いつ敵がこの砦に攻撃を仕掛けてもおかしくない、とイカネスは言いたいんだな?」


 イカネスは俺の言葉に頷いた。


「はい。その可能性は日に日に高まっていると思った方が良いでしょう。兵達に警戒を怠らないよう周知致します」


「ああ、頼む」


 そんな会話を交わした次の日の事だった。

 その日の夜、俺はヴァイオリンの音が砦の外から聞こえるのを耳にした。


「へぇ。楽器を弾ける人がいるんだな」


「エルマリス王国の軍には軍楽団が存在しましたわ。もしかしたら軍楽団に所属していた兵士によるものなのかもしれません。ですが、軍楽団と言えば金管楽器や打楽器を使うことが多いはず。弦楽器のバイオリンなんて珍しいですわね……」


 俺とパールがそんなことを話していた次の瞬間、地響きのような巨大であらゆる物を振るわすような鳴き声が聞こえてきた! それも複数!


「ヴオオオオオオォォォォォォ!!」


「キュルルルルルルルル!!!!!」


「バオオオオオオオォォォォォ!!」


 それと同時に、砦のあらゆる場所に設置しておいたスピーカーから監視任務に就いている兵士の報告が放送された。


『河口方面より、大型魔獣の存在を確認。数は3。一直線に砦へ向かってきています!』


『本部了解。各員持ち場に就け。これより防衛戦を行う。各員、奮起せよ!!』


 俺達にとって、初めての要塞防衛戦の火蓋が切って落とされたのだった。


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