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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第46話 それぞれの決意、戦いは次の舞台へ

~シェルドンside~

 

「よくもオレ様達の邪魔をしてくれたな!!」


『邪魔したのはそっちだろうが!! ワシらの艦隊を巻き込むような攻撃をしおって!!」


「そっちがオレ様達の船に攻撃してこなきゃ、こんなことにはならねーんだよ!!」


『何を言うか!! 先に攻撃したのはそっちだろう!!』


「うるせー! このヘボ貴族が!!」

 

 ルビーハーバー侵攻に失敗したシェルドンとバーナクルは、それぞれ駐屯していた街に引き上げていた。シェルドンの騎兵隊はルビーハーバーに最も近い内陸の街、バーナクルの艦隊は拠点にしているエルマリス王国北部の軍港と各々別の場所を駐屯地にしていたので、街中で顔を会わせることは無かった。

 なのでお互いに街中で顔を会わせることは無く、直接拳を交えるようなケンカは起こらなかった。だがクーデター軍の首魁ディノフィスへ報告するため通信魔導具を繋げるタイミングがほぼ同じだったので、シェルドンとバーナクルが会話できる状況が発生。そのまま罵倒合戦になってしまったのだ。


『はいはい、二人ともそこまで。ディノフィス様の御前よ?』


「……チッ」


『フン!』


 そしていつも通り、マリーナが間に入って仲裁する。だが、今回はこれで終わりでは無かった。


『でも、さすがに今回の二人の行動はいただけないわね? 大事な作戦中に味方同士で殺し合った。しかも敵の前で。戦力が失っただけでなく自分たちの弱点が敵に知られてしまったのよ?』


『……面目ない』


「反省してるよ」


『いや、今回の件については僕にも責任はあるだろう』


 するとこの通信で初めて声を出したディノフィスが、自分に責任があるかのような発言をした。


『ディノフィス様!?』


『今回は私の指示が悪かった。そもそもシェルドンとバーナクルの仲の悪さはわかりきっていたのに、ルビーハーバーの制圧を焦って無謀な作戦を立案・実行の指示を出してしまったんだ。それに僕が最高責任者である以上、最終的な責任は僕に帰結するだろう?』


 首魁であるディノフィスにここまで言わせてしまった以上、シェルドンとバーナクルはこれ以上口論を続けることはできなかった。


『そしておそらく、反クーデター軍はこの勢いに乗じて反転攻勢を仕掛けてくるだろう。報告を聞く限り、あまり敵戦力を削れなかったみたいだしね? だから反クーデター軍のアクアリウム侵攻をなんとしても防がなくてはならない』


 アクアリウムとはエルマリス王国の王都であり、現在はクーデター軍が占拠し事実上の本部と化している。


『そこで、反クーデター軍の侵攻を阻む軍を派遣しなければならない。なるべく早く、出鼻をくじければ御の字だが――』


『ならばワシ自ら出向きましょう!!』


「オレ様も行くぜ!」


 ディノフィスの発言に、シェルドンとバーナクルは我先に手を上げた。だが――。


『駄目だ。君達は今疲労しているし、今回の戦闘で大打撃を受けただろう? なら休息と戦力の回復が最優先事項だ』


「うっ」


『ぐぬぬ……』


 ディノフィスに許可が下りなかった。それどころか、二人は疲労を理由に出兵を却下された。二人とも口惜しいやら情けないやらで歯軋りする。


『というわけで、今回の任務はマリーナに行ってもらおうかと思っている』


『じ、自分ですか!?』


 ディノフィスに突然指名されたマリーナは、その真意を測りかねて驚愕した。


『戦力を温存できているのは君の軍だしね。それに、訓練が実を結んで実戦に出せるようになったんだろう? 君の魔導騎馬隊が習得した『陣形魔法』と、ずっと開発していた魔導兵器が』


『え、あ、はい。それはそうですが……』


 魔導騎馬隊とはマリーナが率いる軍の名称で、名前の通り馬に騎乗した魔法使いのみで構成されている。魔法の素養がある者が限られている上に馬を乗りこなす訓練が必要で育成に時間がかかるり少数精鋭になりがちだが、強力な魔法を放ちながら機動力も優れるという強力な軍である。

 今までマリーナは魔導騎馬隊の育成と彼女が考案した『陣形魔法』の習得、そして魔導兵器の開発でなかなか前線に出てこなかったが、今回満を持して戦場に出ることになった。


『どんな手段を使っても構わない。とにかく反クーデター軍をアクアリウムに到達させなければいい』


『……わかりました。これより作戦準備に入ります。シェルドンとバーナクルはそのまま休息。戦力の回復に努めること。いいわね?』

 

『……了解』


「チッ。わかってるよ!」


 こうしてアクアリウムへの侵攻を防ぐ作戦が始動したのだった。


***


~コーリーside~

 

 クーデター軍を退けることに成功した俺達は、ルビーハーバー代官屋敷の会議室に集まっていた。イカネスから次の方針を聞くためである。会議室には俺やパールの他、反クーデター派の幹部が一同に集まっていた。


「みなさんのおかげでルビーハーバーが守られました。ありがとうございます」


 イカネスが頭を下げる。続けてイカネスは、次の一手を全員に伝えた。


「敵は先日の戦いで戦力を大幅に削られています。さらにクーデター軍の弱点とも言うべき内情もある程度わかりました。今、我々の末端の兵まで士気が高まっているでしょう」


 そしてイカネスは俺の方へ手を向けた。


「さらに、姫様のスキルが目標まで到達しました。これにより、我々の反攻作戦が可能となりました」


 そう。実はルビーハーバー防衛戦の後、俺の貝使いのスキルが1段階上昇していたのだ。


------

スキル:貝使い

称号:海皇(第8段階)

召喚可能な貝:カキ、ホタテ、アワビ、トリデガイ、トランクガイ、サキモリアコヤ、マナススリガイetc...

<既に召喚可能な貝は非表示>

------


 相変わらず仰々しい称号なのは変わりないが、不思議なのはこの前の戦いに俺は直接参加していないのにスキルが成長したことだ。領主館が全線指揮所みたいな場所になっていたので戦闘に参加した扱いになっていたのか、あるいは俺のスキルで作ったドローンやラデン号で戦ったから俺に経験値が入ったのか……。

 いずれにせよ、このタイミングで目標の第8段階に成長したのは大きい。


「十日以内を目処に反攻作戦を開始しようと思います。目指すはクーデター軍に占拠された王都・アクアリウムです。では姫様、最後に何か一言」


 お、ここで俺の出番か。今の俺は反クーデター軍の旗印だからな。前世とかそういうのは置いておいて、エルマリス王国の姫『コーリー・ノーチラス』として言葉をかけよう。


「アクアリウムがクーデター軍の攻撃を受けた際、王である父と王妃である母は自らを顧みることなく私を逃がしました。おそらく、もうこの世には居ないでしょう。そして同じ経験をした方はこの中にもいるはずです。家族が、親類が、友人がクーデター軍の犠牲になった方がいらっしゃるでしょう。ですが、そのような蛮行を働いた者に鉄槌を下し、アクアリウムを再び我々の手に取り戻す日が来たのです。そのためにも、皆さんのご協力とご支援をお願いします!」


「姫様……」


 俺の演説を聞いた幹部達は、皆感極まって涙ぐんでいた。そして口々に「コーリー様のためなら」とか「この命は惜しくない」とか言っている。


「うおおお、コーリー様!! この命に代えましても必ずやアクアリウムを奪還してみせます!!」


「俺もだ! 絶対にクーデター軍をぶっ潰してやる!」


「私もよ。あのクソ貴族どもは許せないもの」


「俺、この戦いが終わったら結婚するんだ……」


 ……なんか一人死亡フラグっぽいのが混じってた気がするけど、まあ大丈夫だろう。多分……。

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