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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第34話 因縁の再会、大海原の対峙

「マスター、そろそろ進路を南に変える地点です」


「そうか。もうそんな所まで来ていたんだな」


 数日かけて航行していたが、船旅はもう3分の2を消化したらしい。

 進路を南に変えれば、目指すルビーハーバーはもうすぐそこだ。

 ハミットと話しているとブリッジの扉がガチャッと開いた。パールが入室したのだ。


「姫様、試射が終わりましたわ」


「ああ。それでどうだった? 『ポイズンガン』の使い心地は?」


「魔法の杖と使い方が違いますが、慣れればどうと言うことはありませんわ。小さくて音もありませんし、何よりかすっただけで戦闘不能に出来るのが素晴らしいですわね」


 実は、俺はホウシンガイとドクケガイを素材にして新しい武器を作り、パールに渡していた。


------

ドクケガイ

紫色の巻物に似た巻貝。非常に強力な神経毒を持ち、毒針に刺されれば一瞬で身体がしびれ、放置すれば横隔膜や心臓が止まってしまい死亡する。身にも毒を持つ。毒を使った武器の素材となる。

------


 パールは基本的に俺が作った魔法の杖シリーズを武器にして戦っている。回復魔法が使える彼女は魔法の杖の補助があれば様々な魔法を使え、その魔法で活躍している。

 ただ魔法攻撃は魔法を発動・発射に時間がかかる。時間がかかると言っても一秒にも満たない時間だが、戦闘中はそのわずかな時間が命取りになる事もある。加えて船上の戦闘だと閉鎖空間である事もあり、乱戦になればいつの間にか接近を許し致命傷を負ってしまう可能性も考えられる。


 そこで錬金したのが、ドクケガイとホウシンガイを使った『ポイズンガン』だ。銃身が巻貝になっている小さめの拳銃で、発射音が静かなのが特徴。その秘密は銃身に使用したホウシンガイの性質による物で、ホウシンガイは体内で発生させた泡を破裂させたときの空気圧でくわえた石などを発射する。

 この性質をそのまま利用しているので、火薬を使った銃よりも発射音が少ないのだ。


 そしてこのポイズンガン、別途用意した弾を発射することも出来るが何もリロードしなければドクケガイ由来の毒針を発射する。非常に強力な神経毒なので当たり所が悪ければ短時間で死亡、かすっただけでも動けなくなり戦闘不能に陥る。

 このようにポイズンガンは静音性に優れ、引き金を引いただけで攻撃が出来、さらに死に至らしめる毒針を発射するという暗殺者が使うような武器に仕上がったのだ。


「パールが満足するなら、上出来だな。ただ気をつけて欲しいんだけど、魔法よりも射程距離が短い。武器の特性を考えると不意を突く使い方をした方が良いな」


「ええ、心得ましたわ」


 それからしばらく船を東に走らせ、とうとう南に進路を変える地点に到達した。

 南に回頭ししばらく進んだところで、異変を感じた。


「ん? 地平線から何か……」


「船、のようですね」


「あれはまさか、戦列艦……? しかも艦隊を組んでいますわ!」


 地平線から出てきたのは、戦列艦の艦隊であった。しかも明らかに進路を妨害しようとしているような、横に広がった隊列であった。


『コーリー・ノーチラス! そしてパール・オイスター! この先へは一歩たりとも通さん!! 命が惜しくば、即刻投降せよ!!』


 拡声器のような魔導具を使っているのだろうか。向こうの戦列艦から鮮明に聞こえる声が大音量で届いた。


「この口ぶり、クーデター軍の船っぽいな……。なんとかして突破しないと……」


「こ、この声は……」


 なんか、パールの様子が変だ……。もしかして、あの声の主と何かあったのか……?


「なぁパール。もしかして、この声は知ってるヤツの声なのか?」


「は、はい。この声は聞き覚えがありますわ。『バーナクル・ポマチェア』。エルマリス王国貴族、ポマチェア伯爵家の当主でありながらクーデター軍に与した裏切り者。そして――」


 パールは一呼吸置き、恨みを込めたような声音でこう言った。


「わたくし父のライバル――いえ、政敵であった人物ですわ」

 

 その言葉に俺は驚いた。彼女は意図的に感情を出さないようにしているようだが、パールの声は怒りに満ちていた。短い付き合いだが、こんな姿のパールを俺は見たことがない。それだけ恨んでいる人物なのだろう。

 詳しい話を聞くのは後にして、とにかくこの状況を突破しなければ。


「そうか……。色々聞きたいことはあるけど、とにかくあいつらを突破して振り切らないと」


「そ、そうでしたわね。取り乱してしまい申し訳ございません」


「いいぜ。さて、ここからは戦闘の時間だ。パール、状況の監視を頼む。俺は船の操作と攻撃を担当する。手が足りなくなったらハミットにも手伝ってもらうぞ」


 ラデン号は少人数で動かせるよう設計された船だが、実は一人で動かした方がやりやすい。個人的な感想かもしれないが、船の操縦をしてきた俺の経験による結論だ。一番欲しいのは『目』だったりする。一人では周辺監視に限界があるからな。


「まずは敵の陣形に穴を開けるぞ。ミサイル発射だ!!」


 俺は全ての砲身を出し、テッコウイカを発射した。発射されたテッコウイカは上空の最頂天に到達すると、ジェット噴射で敵船に降り注いだ。

 テッコウイカは敵船の甲板から船底まで貫通。敵船団の中心からやや左側の3隻が沈んだ。


「穴が空いた! あそこに突っ込むぞ!!」

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