表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

29/66

第29話 旅の区切り

~シェルドンside~

 

『――なるほど、経緯はわかった。ご苦労だったね、シェルドン』


「いえ。ディノフィス様のご期待にまたしても応えられず、恥じ入るばかりで……」


 ドラゴンが吐き出した土砂に飲まれたシェルドン達は、なんとか土砂から這い出てドラゴンから離れた。ドラゴンの酔いがなかなか覚めずなかった事も功を奏した。

 だが、コーリー達を追いかけるには時間がかかりすぎたようで、既に見失ってしまっていた。

 態勢をなんとか立て直したシェルドンは、状況を報告するためボスであるディノフィスと連絡を取ったのだ。


『フン。ドラゴンヴェイルは自分の庭のような物だから捕縛できるんじゃなかったのか?』


「チッ。バーナクルか」


 シェルドンとは犬猿の仲のバーナクルが口を挟んだ。だが、確かにバーナクルが言ったとおり大口を叩いたのは事実なので、シェルドンは何も言い返せなかった。


『それとも、ドラゴンの攻撃に巻き込まれて負けたのか?』


「ンだとこの野郎!!」


『やめなさい、二人とも』


 シェルドンとバーナクルは口論に発展しそうだったが、二人の仲裁役になる事が多いマリーナが間に入った。


『シェルドンが自信満々だったのに捕縛を失敗してしまったのは事実だけど、話を聞く限り良いところまでは追い詰められたそうじゃない。今回の誤算は、王女がドラゴンを深く酩酊させるほどの道具を持っていた事よ。ドラゴンは状態異常にならないと言われているから、こんな事を予想する方が難しいと思うのよ、自分は』


『マリーナの分析の通りだと僕は思うね。さて、今後の動きについてだが……』


 ディノフィスは非常に言いにくそうにしていたが、意を決して口を開いた。


『コーリー・ノーチラスを捕縛する作戦についてだが、次はバーナクルにやってもらおうと思う』


「な、な……」


『さすがはディノフィス様。この薄汚い平民よりもワシの方が能力があると見抜いて下さったか!!』


 シェルドンは絶句した。確かに自分はコーリーを捕縛するという成果を上げられず何度も失敗している。だが、よりによってバーナクルに大役を譲るとは……。


『勘違いしないで欲しいんだが、この決定は適材適所によるものだ。おそらく王女はこのまま海に出て、東のルビーハーバーを目指すだろう。ならば海上、船同士の戦いの専門家であるバーナクルに一任した方が良いと思ったんだ。もちろん、シェルドンのことは優秀な軍人だと思っていることに変わりは無い。

 それに王女捕縛以外にも君に任せたい仕事は山ほどあるんだ。しばらくはそれらを片付けてくれないかな?』


 ディノフィスのその提案について、シェルドンは理屈は通っていると思った。


「わかり、ました……」


『指をくわえてワシが王女を捕まえるところ見ているんだな、シェルドン。それに王女と同行しているというオイスター公爵の小娘を始末できるチャンスだしな。お前のようにディノフィス様が与えて下さったチャンスを無駄にはせんぞ』


『あまり挑発するようなことを言う物ではないよ、バーナクル。では君への指示は追って連絡する。ひとまずドラゴンヴェイルから撤退してくれ』


 ディノフィスとの通信は終えたが、その瞬間シェルドンは思わず口を開いてしまった。


「バーナクルのヤツ、王女に手ひどくやられて、醜態をさらせばいいんだ!!」


 シェルドンは魔法も呪いも使えるような人物ではないが、バーナクルの事を呪わずにはいられなかった。

 

***


~コーリー~

 

「ようやくたどり着いたな」


「はい。数日の旅でしたが、遭遇した出来事が濃厚で長い時間経った感覚ですわ……」


 ドラゴンとシェルドン達から逃れた俺達は、当面の目的地であったドラゴンヴェイル北端の海岸へたどり着いていた。

 この海岸は俺が最初にいたブリリアントビーチとは違い、辺り一体岩だらけの海岸で、波が岩に当たって砕ける様が頻繁に目撃できる荒々しい海岸だ。

 ここがドラゴンヴェイルという危険地帯でもなければ、景勝地として観光地化出来そうなくらいだ。


「さて、それじゃあ舟を出すか」


 俺はストレージバッグに手を突っ込みモーターボートを取り出そうとしたが――。


「お待ちください、マスター」


「ハミット? 一体どうした」


 急にハミットが横槍を入れた。


「これから東端にあるルビーハーバーを目指すのですよね?」


「まぁな」


「ということは、かなり長い船旅になるはずです。モーターボートでは不安が残ります」


 俺達がいる場所はエルマリス王国の北西。しかもかなり西端に近い。対して次の目的地であるルビーハーバーは東端。

 その距離はかなり離れており、動力付きとは言え小舟であるモーターボートでは航海に不安があるのは事実だ。


「幸い、マスターはドラゴンヴェイルでの戦闘経験により貝使いが第6段階へ成長しました。新たに召喚可能になった貝の中にこの問題を解決できる貝がありますので、それを使いましょう」


 ハミットから成長したという指摘を受け、俺はステータスを開いた。


------

スキル:貝使い

称号:碧水の王(第6段階)

召喚可能な貝:ドックガイ、スパイスシェル、ハーブシェル、フルーツシェル、テッコウイカ、シナプスウミウシ、ホウシンガイ、ドクケガイ、カラーシェル、ワタリガイetc...

<既に召喚可能な貝は非表示>

------


 相変わらず大げさな称号だな……。新しく召喚可能な貝は、機能や特徴がわかりやすい貝から説明を読まないとわからない貝まで色々いる。どの貝もかなり興味がそそられる事に変わりは無いがな。


「ではまず、ドックガイを召喚して下さい。先端を海に突き出すように召喚して下さいね」


「変な注文だなぁ。とりあえず、わかった」


 ハミットの注文を訝しみつつ、俺は言われた通りドックガイを召喚した。そこに現れたのは――。


「え……何コレ……」


「大きすぎますわ……」


 工場の建物かと思うくらいの、超巨大な巻貝が現われた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ