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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第26話 激闘、そして――

 トラピースパイダーは、鋭い足で何度も何度も俺を切り裂こうとする。空中戦が得意という話だったが、意外と真正面からの打ち合いも出来るんだな。

 俺はトラピースパイダーの攻撃をツツミハンマーで受け流し、弾き返していく。ツツミハンマーとトラピースパイダーが打ち合う度、鼓を叩いたような音が洞窟内に響き渡る。

 そしてその音がなる度、俺の攻撃力、防御力、反応速度など、様々な能力にバフがかかる。これこそが、ツツミハンマーの特筆すべき能力。ツツミハンマーの音が鳴る度に、俺や仲間にバフがかかりどんどん能力が強化されていくのだ。


「俺の方が、速い!!」


「ギギ!!」


 俺の反応速度はとうとうトラピースパイダーを上回り、カウンターのような形で俺の攻撃がトラピースパイダーにヒット。トラピースパイダーは大きく吹き飛ばされ、壁に激突した。俺はすかさず跳躍ユニットを使い、トラピースパイダーへ一直線に飛んでいく。

 そしてジャンプし、ナタを振りかぶる!


「トドメだ!!」


 しかし俺が振り下ろしたツツミハンマーは空を切った。トラピースパイダーが跳躍し、天井付近に逃げたからだ。


「また空中戦か。いいだろう、乗ってやる!」


 俺は跳躍ユニットに魔力を流し、空中へ。


「死ね、デカグモ!」


「ギギイイィ!!」


 俺は跳躍ユニット、トラピースパイダーは糸を使って空中で何度もすれ違いながら、攻撃を仕掛け合う。

 そして何合目かの打ち合いで、とうとう力さえもトラピースパイダーを上回ったようだ。俺の一撃がトラピースパイダーの態勢を崩し、トラピースパイダーは地面に裏返った状態で墜落してしまった。


「今度こそとどめだ!!」


 俺はツツミハンマーを振りかぶり、落下するトラピースパイダーの体に叩き付けた。トラピースパイダーの外殻は砕け、派手に体液をまき散らした。


「ギ……ギ……」


 少しはもがいたトラピースパイダーだったが、すぐに動かなくなった。俺は完全に動かなくなったことを確認し、跳躍ユニットを止めた。


「ふうー。なんとか倒せたな」


「お疲れ様ですわ、姫様!」


 パールは俺に向かってねぎらいの言葉をかけてくれた。だがその言葉が一瞬止まった。なぜなら……。


「姫様!!」


 パールが俺の体を見て悲鳴に近い声を上げたのだ。なにがあった? と思って自分の体を見ると……そこには夥しい数の切り傷があった! 恐らくトラピースパイダーの爪でやられたのだろう。

 今まで気付かなかったと言うことは、それだけ戦闘に夢中になっていた証拠だろう。

 もっとも、傷はすべてかすり傷程度だったため致命傷には至らなかったが、にじみ出た血が俺の体中に拡散したたのでパールが仰天したのだろう。


「今、治して差し上げますわ!」


 パールは回復魔法を発動して俺の傷を癒してくれた。痛みこそあるが、傷はもうほとんど残っていない。


「ありがとな、助かったよ」


「いえ。大事ないようでよかったですわ」


 ちょっとした騒ぎはあったものの、無事に寝床となる洞窟を確保できた。俺はトラピースパイダーの死骸をストレージバッグに収納、パールは水の杖で飛び散ったトラピースパイダーの体液を洗い流した後、テント等を設置しキャンプの準備を進めた。

 

***


「姫様、何をお作りになっていますの?」


「うん? 回復アイテムをちょっとね」


 俺はポーションとニオイガイを素材に錬金し、新たな回復アイテムを作った。


「できた、『回復お香』だ。吸引すると徐々に回復するガスを発生させるんだ」


「あら、回復でしたらわたくしの得意分野ですわよ? わざわざ回復アイテムを作る必要があるんですの?」


 まぁ、パールの言うとおり回復をパールに任せてしまえばこんなアイテムを作る必要は無い。けど、わざわざ回復アイテムを作る理由があるのだ。


「パールの回復魔法はめっちゃ強力だと思う。でも何らかのアクシデントでパールの支援を受けられない可能性もある。それに、何の代償もなく魔法を使えるわけ無いだろう?」


「た、確かに……。魔力が無ければ魔法は使えませんし、魔力がほとんど枯渇してしまえば8時間は眠らないと満タンにならないと言いますわ……」


 魔力の回復時間については初耳だが、何かしらの原因でパールの魔力が枯渇し他場合に備えて回復手段を確保しておきたかったのだ。

 回復アイテムとしてはポーションがあるが、ポーションは消耗品だ。回復お香は消耗頻度が少ないのでキャンプ中にお香を焚くだけで徐々に身体を回復できる。

 特にパールの魔力消費を考えたら魔力ポーションよりもお香のほうが便利だろう。それどころか魔力回復が出来るので、翌朝にはパールの魔力が全回復しているので次の日の旅に備えられる。


「なるほど……。姫様は色々と考えていらっしゃるのですわね!」


「ま、そんなとこかな」


 お香を作り終えると時間はもうすっかり夜になってしまったので晩御飯を取り、就寝したのだった。

 なお、一晩中回復お香を焚いたところ残った身体の痛みは全て消えていた。さらに魔物避けお香の効果を邪魔することが無かったので併用が可能である事も照明された。

 これは、キャンプ生活の心強い味方になってくれるだろう。

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