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異世界転生したらTSして『貝使い』なる能力をもらった。でもこの身体、何か訳ありみたいで……?  作者: 四葦二鳥


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第12話 新たな拠点へ

 シェルドンの襲撃から逃げ去った俺達は、モーターボートに乗って西へ航行していた。

 陸地から俺の船の姿を見られないよう、ギリギリ陸地が見える距離を保って航行している。特に今は夜だから、陸からの視認は非常に困難なはずだ。


「マスター、進行方向に森が見えます」


「じゃあ、あの森に行くか」


 進んでいる方向の陸地に森が見えた。しかも結構深そうだし、何より海側が崖になっているのがいい。海からの侵入が難しく、陸地からは深い森をかき分けて進むしかない。身を隠すには非常に都合が良い場所だ。

 俺は森に船を近づけ、様子を探った。


「ふーん。頑張れば上れないような高さの崖じゃないんだな」


「ですが、大人数だと難しいでしょう。ロープを掛けて上らなければなりませんし、人数が多くなると重くなるので崖が崩れやすくなります。まぁ、マスターはロープを使う必要もありませんが」


 どうやらハミットは、俺の考えがわかったらしい。

 俺はストレージバッグから氷の杖を取り出した。そして魔法を発動させ、氷の階段を作った。


「うん、崩れそうにないしうまく出来たみたいだぞ」


「では、早速上ってみましょう」


 俺は階段に乗るとモーターボートをストレージバッグに収納。そのまま階段を上り、崖の上に到達した。


「階段はどうする?」


「ここまで来る人間がいるとは思えませんが、念のために壊しておきましょう。証拠隠滅です」


 ということでストレージバッグから火の杖を取り出し、火魔法で氷の階段を溶かした。途中で自重を支えきれなくなり崩壊しながらドボンと海の中に落ちた所を見届けた後、俺は森の方を向いた。


「それじゃ、拠点になりそうな場所を探しに森の中に向かいますか」


「杖は念のため持っておいて下さい。魔物や危険な生物に襲われたときのための自衛手段です」


「わかった」


 俺はハミットのアドバイス通り、氷の杖をストレージバッグから取り出した。本当は戦闘痕が残りやすいから魔法の杖は持ちたくないのだが、背に腹は代えられない。

 氷の杖にしたのは、時間が経てば氷が溶けて元に戻るので痕跡を残しにくいことと、火魔法は火事の原因になりやすく煙などから他の人間に気付かれやすいと思ったからだ。そこからシェルドンなんかの俺を狙っている連中に通報されたりしちゃたまらない。

 そういうわけで、俺は氷の杖を手に持ちながら森を進んだ。


「生地面積が少ない服で良かったな」


「そうですね。最初に着ていたワンピースでは頻繁に枝に引っかかって進めなくなっていましたから」


 ポロシャツと短パンを作っといて正解だった。めちゃくちゃ動きやすいし、枝や草に引っかからないで済む。

 前世では生地面積が小さいデザインのキャラに対して『女性蔑視』だと声を大きく主張する人がいたが、この経験をした今では間違いだと思っている。

 生地面積が大きい服装は動きにくいし状況によっては身動きが取れなくなる。つまり不自由の象徴だ。生地面積が大きいデザインこそ女性の自由を奪う、女性蔑視なのだと思ってしまうな。


「マスター、この先は開けた場所に出るようです」


「わかった。……おお」


 思わず感嘆してしまった。なぜなら、目の前には小さいながらも綺麗な水をたたえ、空の月や星を鏡のように映し出した湖が鎮座していたのだから。

 

「水が綺麗だ。動物や魔物が寄りついている痕跡はほとんど無いな」


「人間の痕跡もありません。身を隠して生活するには最適かと」


 拠点にするには最適な場所だとわかったので、この湖の湖畔にテントを立てることにした。


「マスター、今日の所は夜を明かす程度の用意だけで結構です」


「それはまた、どうして?」


「実は昨日の戦闘中に貝使いが成長しました。マスターは戦闘と逃走に夢中だったので気付かなかったようですが」


 え、そうだったのか!? 思い返せばスキルが成長したときの感覚はまあまあ弱かったから、何かに夢中になっていれば気付かないのも無理はないだろう。


「わかった。明日を楽しみにして、今日は寝る」


「そうして下さい。明日になれば、マスターも驚いていただけますよ」

そういうわけで、俺はテントとトイレのみ立てて寝た。


***

 

 翌朝。朝食を食べ終えると俺はテントとトイレを縮めてストレージバッグに仕舞った。


「ではマスター、まずはご自身のステータスを確認して下さい」


「わかった」


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スキル:貝使い

称号:深海の支配者(第4段階)

召喚可能な貝:イエガイ、ケンチクガイ、フンスイガイ、アブラナメクジ、ハモノガイ、ヨロイガイ、ポーションシェル、ドロウミウシ、スイショウガイ、スガタミガイ、テクセガイetc...

<既に召喚可能な貝は非表示>

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 うん、相変わらず仰々しい称号だ。そして新しく召喚出来る貝は、全く聞いたことが無いものばかり。貝使いの能力でしか召喚出来ない貝なのだろう。


「では生活の場を作っていきましょう。まずは『ケンチクガイ』を召喚して下さい」


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ケンチクガイ

レンキンガイの仲間で、見た目は大型のレンキンガイそのもの。建物を建てるときに利用する。建物を建てるとケンチクガイはそのまま基礎部分になり、排出される排水やゴミからエネルギーを得る。

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 湖の南側にケンチクガイを召喚した。説明にあるとおり、かなり巨大なレンキンガイといった風体で、巨大な穴がぽっかり空いたかのようだ。


「ではケンチクガイの中にアカリガイ、デンチガイ、イエガイ、フンスイガイ、スイショウガイを入れて下さい」


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イエガイ

巻貝の姿で様々な色や模様を持つ。大人一人分の大きさ。殻が複雑な構造になっており、部屋やパイプのような内部構造を持つ。家の錬金素材。

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フンスイガイ

見た目はホネガイのように多数の突起がある貝。色は水色。殻が水属性の魔石と化しており、突起から常に水を吹き出し続けている。

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スイショウガイ

殻が水晶で出来た、結晶のようなとげを持つ巻貝。ガラス製品の素材になる。

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 言われたとおり素材を召喚してケンチクガイに突っ込んだ。それからハミットがケンチクガイの縁を掴んで制御すると――一軒家が出来上がった。

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