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5話-④ エルフの里



預言者とは未来を予見して先の行末を読み取る者である。


エルフの里の予言とは、何通りもの未来を視る事で、最善策を導き出すそうだ。


そしてこの姫と呼ばれて居た少女こそが、その'預言者'だと言うことだ。


「我々は何代にも渡り予言をしてきました。 数年前までは私がその預言者でした。 その前は私の母アネスが予言をしていました」


「なるほどな、'世襲'するのか」


師匠は少し考えているかのように呟く。


「仰る通りで御座います。 我々はこの現象を譲渡や承継と表現しています」


「知らんで言っておるのか分からんがのぉ。 それは'呪い'じゃぞ」


師匠が放った呪いという単語を聞いた途端、俺の前に居た三人が反応を示す。


「待つのじゃ、魔族の方。 我らが里にとって予言とは幸福をもたらす物であって、呪い等と言う不遜な呼び方は相応しくないぞ」


先程まで、俺達の会話を黙って聞いていた老人ユンジが業を煮やしたのか、割って入って来る。


「お義父さん、ここはきちんと話を聞くべきです。それにこの方達…… あらやだ! 私ったら、お名前を聞くのを忘れておりました!」


後で聞いた話だが、エルフの里には外部の人間は滅多に来ないらしい。


訪れたとしても、それはよからぬ事を行う連中であるのは間違い無い。


エルフの里自体、普段は隠れ里になっている為か、この場所自体地図にすら乗っていない。


ただ大昔から伝承だけが、'うわさ'として一人歩きしているのだ。


「その噂とは、この戦争より遥前にエルフの里

は滅んだと。 だけれど生き残りがこの森の何処かに住んでいる。 長寿のエルフだからこそ可能だと」


滅んだと言われる里。


生き残り。


長寿のエルフ。


「なぁ、ナウスよ? 何処かで聞いた事無いかこんな話を」


そう、師匠の話だった。


大戦直前に最初に攻め落とされた師匠の領地。


そして生き残った領主の師匠。


「では、改めて名を名乗ろでは無いか。 妾の名は エリーザ・バートン・テリーナ」


伯爵家当主のヴァンパイアじゃよ。


普段通り、いや普段の二割増しの不敵な笑みを浮かべた師匠は、その場に居た、他の三人を凍らせた。




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