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5話-③ エルフの里


俺達が着座してしばらくすると、部屋の外からこちらに向かって来る足音がいくつかある事に気が付いた。


(この数だとおおよそ五、六人位か?)


そして足音は部屋の前で止まり、引き戸が開かれた。


現れたのは、年老いたエルフの老人と、優しそうな表情のエルフの女性に、先程の姫と呼ばれた少女だった。


「お待たせして申し訳御座いません。お客様」


その言葉と共に彼女らの後ろから数名のエルフが食事を運んでくれた。


「今晩は是非お食事を楽しんで行って下さいませ」


俺達の前に用意された料理はキノコのスープやサラダに穀物の炒め物だ。


どの料理からも森の幸と呼べる風味や味わいを感じられ色も良い。


俺の家でも野菜を作っていたが、その中でもよりすぐりの食材を選んで使ってくれているようだ。


「お客様、お味は如何でしょうか?」


俺は素直な感想を述べた。


「ふふ、喜んで頂けたなら、良かったです」


この料理を食べた農家なら、皆頷く味だろう。


「妾は肉が食べたいぞ」


またしても、師匠は相手を煽るかの様な発言をする。


一瞬だが、固まった御三方であったが、直ぐに女性が返事をする。


「エルフは基本的に森の恵みで生活しておりますので、お肉等の御用意が出来ず申し訳御座いません」


俺は師匠の煽り文句に対する反応を確認したが、やはりこの3人ですら、反応するというのに、あの案内をしたエルフは一体……


「あ、私ったらご挨拶がまだでしたね。 食事中なのに申し訳ないです」


女性のエルフは、セラス・エルティカ


老人のエルフは、ユンジ・エルティカ


そして、あの姫と言われた少女は、アサミ・エルティカ


この三人はこの里の統括だった。


「あいにく、現当主の主人は会議がありまして、ご挨拶出来ずに申し訳ないです」


「まぁ、来れないならしょうがないの。 ただ、不要との判断かも知れぬがの……」


……


場の雰囲気が悪すぎる。


せっかく食事を用意してくれて、寝床まで用意してくれた方々にする態度では無い。


「阿呆か貴様。 妾達は夜行性じゃぞ。 昼間の寝床ならともかく夜の居場所なぞ、普通は不要なのじゃ」


「妾達をヴァンパイアだと分かって呼んだのじゃろ?」


真剣な話し合いの場になってしまいつつある中でも、セラスさんの表情は穏やかなものであったが、アサミは横で酷く怯えているようであった。


「ここはきちんと話をした方が良いじゃろ」


「お父さん……」


沈黙の後にセラスさんは口を開いたーー


「我々は予言者です」

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