3話-① 絶望の中の希望
人界騎士とは、人界政府が設立した軍隊の総称だ。
魔族との戦争に終止符を打つ為に作られた組織。
各地で起こる戦地を駆け回り、その行く先々で魔族を各個撃破して、戦争に勝利する為だ。
ただ俺達の住む村では大きな戦争は今まで無かったし、魔族を見た事すらなかった。
だから、常に他人事の様に話を聞いていた。
「お主らが知っておる、人界騎士とはそんなものじゃろ?」
だが、実際には違っていた。
そもそも、魔界と言われる場所には瘴気が満ちている。
その瘴気とは人間や他の生物が生み出す負の感情が源である。
その感情が魔界と呼ばれる地に流れ込み、そこで発生した生物が魔族なのだ。
「だがら、基本的には魔族や魔物は魔界から出る事が出来んのじゃ、まぁ、気合いを出せば出れるがすぐに存在が崩れて、灰になるのじゃ」
だが、そんな中でも例外があった事は確かだ。
師匠の話では突如として、魔界を突破する勢力が現れたらしい。
師匠が故郷を取り戻す為に何年も掛けて分かった事ではあるが、突如として現れた魔族は、魔界の維持の為に動いているのだと。
先に述べた瘴気だが、つまりは負の感情だ。
その感情を増やす為に、人界騎士は終わりの無い戦争を続けているのだと。
だが、それは森羅万象、世界の理を逸脱し、やがては世界全土を無の更地に変えてしまう物であると。
防ぐ為には人界騎士によって、間引きが必要であると。
だから、最初の間引きに選ばれた魔族は、師匠の故郷であったと。
そして、それは人界も同じ事だ、負の感情が発生しない村には価値は無く。
間引きの対象であると。
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