2話-⑥ 本当の絶望
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人界と魔界、遥昔の時代から繰り広げられるお互いの領土を巡る戦争。
互いが、土地を巡って争い続けているのだ。
戦争が始まった頃の激戦は凄まじいと伝わっている。
だかそれも、いつからと聞かれれば俺が産まれるずっと前。
俺の両親が産まれるずっと前と伝えられている。
「およそ千七百年じゃ……」
千七百年…… 途方もない年数だ。
途方も無さ過ぎて、まるで実感が湧かない。
だが、真っ暗な森の中での師匠の紅の瞳からその真剣さが如実に伝わってくる。
師匠の言葉の重さはまるで、この森の静止させたかの様に、一言が鮮明に俺の頭の中に、刻ませる。
師匠は語った……
魔界と人界が争い始めたのは本当に突然だった。
突然の怒号に、何処からも解らぬ場所から現れた、双方の軍が、気が付けば、お互いの領地で勝手に争っていた。
先程まで、平和に包まれていた街は焼け落ち、先程まで楽しそうに遊んでいた子供は泣きじゃくり、街の中では悲鳴と鈍い金属音、何かが崩れる音と共に爆煙が上がり、火の海と変えていく。
師匠はその街の領主であった。
正確には領主代理であった。
領地を空ける事が多い師匠の両親に変わり街を統括する様だ。
だが、統括と言っても、そもそも街自体が平和であり、皆が領主や師匠の事を尊敬し愛していた。
そんな平和な街に、突如として現れた白銀の騎士、当時はまだ人界騎士と言う名前は無かったようだ。
騎士は街の住民を次々と切り倒し、自身の糧に変えていく。
騎士の甲冑に付着した血痕や血飛沫は吸収する事により、色を無くし蒸発する様に消えて行くが、騎士が一人、また一人と犠牲を増やす度にその鎧から白銀の輝きを失い、どす黒いオーラに包まれて行くようだった。
「師匠…… 俺はあんたの話を聞いてもまだ、理解出来ない事があるんだ」
先程まで、真剣な瞳に全てが静止しているかの様に感じた空間は、俺が言葉を遮ったせいで、元の様に風が吹き、草木が擦れる音と共に、師匠の瞳に精気が戻る。
「そもそも、吸収とかいってるが人界騎士って何なんだ」
「あーそうか。 ミスったな、お主にはそこから話した方が良さそうじゃな」
「彼奴は、我らと同様に魔族じゃ」
「魔族…… ?」
「そう、彼奴らは貴様ら人間では無く、儂ら魔族の為に戦っているのじや」
俺はこの時、全身から嫌な汗が噴き出し、胸が締め付けられる感覚に襲われた。
結論を言おう、俺はただでさえ理解出来ないのに、更に理解が出来ない事で完全に脳がパンクしている。
「良いか、我が弟子ナウスよ。 この世界は既に終わっているのじゃ…… 千七百年前からな。 既に、魔族の為の世界に変わっているのじゃ」
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