2話-⑤ 本当の絶望
次回は本当の絶望⑥です!
この⑥で本当の絶望は一旦終了です!
今、短編小説を別で書いてます。
書き上がり次第読みに来て下さい!
「それにしても、良くこんなバカでかい魔物を一撃で伸したな」
改めてみると、この猪の大きくそして、毛の1本1本がまるで針の様に鋭利である。
それに物凄く獣臭い、まるでこの森の守神と言うより、門番であるかのように。
「まぁ、こいつはこの辺では強い方だが、奥に行けば【トロール】【サイクロプス】【レッドデビル】とかもおるがの……」
(こいつより強いのがいっぱいいるのかよ……)
「それより、ここは何処なんだよ」
「ん? 言っておらなかったな。 【魔界】じゃよ」
「え、魔界って…… あの魔界かよ?!」
エリーザは教えてくれた。
魔界とは俺が住んでいた村を更に西に進むと地続きに存在すると。
俺が思ってた魔界ってのとちょっと違う気がする……
だけどよ、俺達もかなり近い所に住んでるけど、1度も魔物なんて見た事無いぞ?
「魔界の中に住んどる魔物は、簡単には人界に入る事は出来んのじゃ……」
魔界は俺達が住む人界と何ら変わりは無いらしい。
春には緑は育ち若葉は冬を耐え忍び、耐えれない老木は緑を枯らし、やがて朽ちていく。
魔界とは夏は暑く、冬は寒く、魔物は秋に食料を蓄え冬に冬眠する。
魔物はその本能で、人界と魔界の境界を見極める。
本能といっても、それは生命として必要なものが欠落しているから、気づけるのだ。
魔物には瘴気が必要らしい、その瘴気が無ければ動く事もままならず、生命活動に支障をきたし、やがて力尽きて、倒れ込む。
そうして命を消した魔物はその身体を維持する事も叶わず、灰になりやがて新たなる生物の器になる。
「そういうサイクルで、元々は輪廻を転生していたのじゃ」
「お、おう……」
(全然ついていけてねぇ)
「本当にわかっているのか?貴様は……」
「まぁ、良いはお主は生まれ変わってどうじゃった? 力を得てどう思った?」
俺は……
俺がどう思ったって? 必死だった。 死にたく無かった。
必死で必死で必死だった。 死ぬのも嫌だ。 痛いのも嫌だ。 だけど、家族が死んだのはもっと嫌だ。 エイミーが死んだのも嫌だ。
だけどこの力があればきっと守れる。 いや守ってみせると誓える。
「なぁ、お前の力があれば家族を生き返らす事が出来るのか?」
「家族か…… 妾を介抱してくれていた者たちじゃろ?」
「そうだ」
「保証は出来んが何とかなるかも知らないぞ」
本当にか?! もしそうだとしたら、俺が守るんだ! 絶対に守ってやるんだ!
「だが、お主の家族を生き返らすには、ちと今すぐには出来んぞ?」
「構わない! 俺が守ると決めたんだ! 絶対守ってやる!」
「まさか、まさかだぜ。 昔聞いたおとぎ話みたいだな」
「まぁ、貴様は人間では無いがな」
「別に良いさ、家族が居てくれるだけで、俺は嬉しいんだから!」
「ど、どうすれば家族を、生き返らす事が出来るんだ!?」
「まぁ、その準備もあるが、まずは弱すぎる貴様を何とかせねばな」
「弱いって…… あのデカい猪を倒したじゃないか!」
「そりゃ、たまたま貴様に知恵があったからじゃろ? それよりも貴様と同じ様に知恵を使う人界騎士共がまた来たらどうするのじゃ? 奴らの部隊を全滅させたのじゃ、直ぐにでもなくとも、時期に調査は来るじゃろ?」
た、確かに……
「ならば、貴様が強くなるしか無いじゃろ? つまりは修行じゃよ」
俺はこの時、家族の復活の事で大興奮していたんだろう、17歳の少年にとって、死んだ家族を生き返らすと言うのは正しく英雄譚の様であり、更には本人が最も熱望するものであるかだ。
だからこそ、また俺は口走ったんだろうな。
「修行って事は師匠だな!」
「ん? 師匠か……」
エリーザは少しばかり考え込んでいるようだったが、初めて出会ったあの夜の様にニヤリと笑っていた。
「師匠か、気に入ったぞ」
エリーザ曰く、伯爵やフルネームを一々呼ばれたり名乗るのが面倒臭いようだが、だからと言ってファーストネームを呼ばすのも何か違うらしい。
だがらこそ、堅苦しいのを抜きに家を気にせずに使える「師匠」は気に入ったのだ。
「それでは我が弟子のナウスよ」
改まって俺の方を見る師匠はいつも通りの不敵な笑みを浮かばせているが、ギラりと輝く真紅の瞳からは何処と無く真剣な話である様に思わせたのだった。
「貴様はこの戦争がいつから始まっているか知っておるか?」
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次回更新は10月11日19:15分頃から!
おまけ小説↓
子供の頃のエリーザ
「我が名はエリーザ・バッ」
「我が名はエリーザ・バートン……なんだっけ」
「我が名はエリーザ・バートン・テリーナ伯ちゃくである!」
「よち、上手くいえたぞ」
千里の道も一歩から、そう自分に言い聞かせ、日々名乗りの練習をするのであった……
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