隠しキャラは知りたくなかった
「プリシアさんは乙女ゲームを知っていますか?」
「!」
その言葉に目を見張る。だってその言葉を知っている事は彼女がゲームを知っている事になる。知っているのは私と私の様に前世の記憶を持つ者だけ。
そうなると彼女は
「その反応は、知っていますね?」
「っええ!」
「やっぱり、なんだかゲームと違うなと思っていたんですよ」
「じゃあ、貴女も...!」
「はい、多分プリシアさんと同じの転生者です」
その言葉を聞いて心に湧いたのは安堵か歓喜か。
「私と同じ様な人が居たんだ...」
「それは私もですよ」
「貴女はいつから記憶があったの?私は3歳の時から」
「私はつい最近ですね、当主様からお誘いを受けてからです」
「大丈夫だったの?」
「最初は混乱しましたね」
「貴女は何処まで覚えてる?」
「ゲームの事と知識だけ、前世の私がどんな人物だったかは思い出せないんです」
「それは私も一緒ね」
そう私は前世の自分に関する事は記憶に無い。かろうじて覚えているのは乙女ゲームが好きだった事と事故死した事だけ。
だから前世の自分は別人の様にしか思えない。
「プリシアさんはフラグ回避したいんですか?」
「当たり前でしょう!誰が自ら進んで破滅エンドを迎えたいですか!」
「そうですよねー」
何はともあれ信頼出来る味方が出来ました。
「そうだわ!ノエルは隠しキャラが誰が知らない?!」
私がゲームで一つだけ知らない事をノエルなら分かるかもしれない
私はとにかくフラグを回避したい。その為の情報を教えて。
「えっ?知らないんですか?」
まるで有り得ないとばかりの表情をしたノエル。えっ?どういう事?隠しキャラって有名なの?
「だって私、隠しルートをプレイする前に死んでしまったんだもの」
だから教えてという様子の私に
「...うわ一、多分知ったら後悔しますよ」
すっごく言い難そうにするノエル。えっ?なに隠しキャラってそんなにやばいの?
「だから誰なの!」
焦らさずに教えて欲しい。
「プリシアさんです」
「...は?」
今、何って言った?
「だから隠しキャラはプリシアさんですよ」
呆然とする私にノエルは二度言った。
「はあぁぁっ?!」
驚きの余り大声を上げた。...うん、仕方ないよね。私は悪くない。
そんな様子の私にノエルは
「だから言ったじゃないですか...」
「ちょっとノエルどういう事?!」
「知らないですよ!たしか企画した人が斬新さを求めたって話しですよ」
「斬新すぎでしょう!何で乙女ゲームで百合なの?!」
「知らないですって、悪役令嬢が処刑ばかりなのは可哀相だからハッピーエンドにしたかったらしいですよ」
「ハッピーエンドにしたいなら他に方法があるでしょう...!」
もう頭がオーバーヒートしそうだ。
破滅フラグばかりか恋愛フラグ(ヒロインとの)まで回避しなきゃいけないなんて...
とりあえず一つ言いたい、神様、恨みます。




