選ばれた侍女は
『お前の侍女が決まった』
お父様と対談してから1ヶ月経ち、先日侍女が決まったと分かりました。さすがお父様、私はもっと時間が掛かると思っていました。
そして今日はその侍女との顔合わせです。多分、お父様が決めたので能力には申し分はないはずです。出来れば侍女と仲良く出来たら嬉しいのですが。まぁ信頼出来るはずですから頑張りましょう。
「本日、プリシア様の侍女に選ばれたノエルと申します」
お父様が連れて来た女の子は私と同い年でとても中性的な顔立ちの女の子です。髪と瞳は濃い茶色で髪は肩の辺りで整えられていました。
...男の子の服を着ても違和感が無いと思います。
「...貴女の主人のプリシアよ、よろしくお願いね」
「はい」
「お父様、私の部屋でノエルと話したいのですがよろしいですか?」
「ああ、構わない」
お父様に断りを告げノエルを部屋に連れて行きます。
お父様が居ると話せませんからね。部屋に入るとノエルは何故か驚いた様子です。あぁもしかして私の顔と部屋の趣味が合って無いとでも思われているのでしょうか?たしかに合って無いのは認めます。ゲームのプリシアは派手なのを好んでいましたからね。でも四六時中派手な物に囲まれるのは勘弁願いたいですね。あんな派手な物に囲まれるのは落ち着けませんので私はシンプルイズベストです。
「ノエルはお父様からどれだけ聞いているの?」
「当主様からは優秀な侍女が欲しいとだけ」
「そうね私はとても優秀な侍女が欲しいの」
「はい」
「でも優秀なだけじゃ駄目なの」
「?」
「私はね貴女に私の手足になってもらいたいのよ」
「...それは」
「私の傍にいる者として力になって欲しいの」
「...」
私の立場は人によっては恨まれやすい立場なのだ。もしその人達に貶められた時、味方がいないでは話しにならない。だからこそ私には力がいる。
令嬢方を味方につけても上辺だけの関係は簡単に崩れる。人は嫉妬や悪意で簡単に人を裏切り貶めるだから信頼出来る味方がいる。
「貴女は私の手となり足となり目となって私の為に動いて欲しい」
なんて身勝手な理由なのだろうかと心の中で自嘲する。
「...分かりました」
おそらくノエルは仕事だから仕方ないと思ったのだろう。そもそも彼女には拒否する事が出来ない、それを分かっていて彼女に望むのだから我ながら酷いと思う。
「私はプリシア様に忠誠を誓いましょう」
「っ!」
その言葉に私は目を見張る。
「...どうして」
私はこんな身勝手なのに。
「私は貴女に忠誠を誓える程の価値があると思えたからです」
「...」
「貴女はとても聡明です、だからこそ先を見通し力を欲したのでしょう?」
「...」
「私は価値が無い方には忠誠は誓いません」
...たしかにそうだ私は力が欲しい。
「...分かったわ、そうだわ二人の時は様を付けなくて良いわよ」
「しかし」
「貴女の性格だと言い難いのでしょう?」
「...気付かれましたか」
「ええ」
そう彼女が先程から言い難そうにしていたのは気付いていた。
「そういえば、一つ聞きたい事があるのですが」
「何かしら?」
何だろう。答えれる事だったら良いけど。
「...プリシアさんは乙女ゲームを知っていますか?」




