↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
PR
5/61

第四話 微熱|怯え戸惑う二人

「誰…?」


聞こえてきたのは、冷徹なこの世界の空気とは似ても似つかない、どこかあどけない幼い少年の声だった。 おびえて身を固くしていた乎鞠が恐る恐る顔を上げると、そこにいたのは敵意どころか、純粋な戸惑いを浮かべた一人の少年だった。


漆黒の黒髪に、吸い込まれそうなほど美しい深紅の瞳。年齢は乎鞠と同じくらい――人間で言えば、まだ6歳ほどの子どもに見えた。


「はぅ…っ、はぅ……っ」


突然のことに気圧され、何か言おうとしたものの、恐怖と緊張で言葉が出てこない。うまく話せないときに出るお決まりの口癖が、か細く洞穴の中にこぼれた。


少年は乎鞠のその様子に驚いたのか、少しだけ目を丸くした。 そして、洞穴の入り口を隠すように生い茂っていた、乎鞠の血から芽吹いた奇妙な草花を手でそっとかき分ける。


「……っ!」


草花がどかされたことで、朝日が洞穴の奥まで差し込み、少年の視線が泥と血まみれになった乎鞠の全身をハッキリと捉えた。 ドロドロに血と泥で汚れた衣服、尋常ではない量の出血、そして不気味に変形して折れ曲がった左足。


少年の深紅の瞳が、驚愕に大きく見開かれる。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。