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第二十五話 無罪|脳内ヘヴン
乎鞠が寝相でもぞっと小さく体を動かした。
そのはずみで、心の準備が全く整っていなかったゼノの手のひらに、乎鞠の柔らかい頬がオートマティックに触れてしまった。
――触れた。
その瞬間、ゼノの意識はスコーンと物理的に天国へとぶっ飛んだ。
自室のベッドの上、深い夜の闇に包まれているはずなのに、ゼノの視界にはなぜか満天の星空が広がり、ありとあらゆるものが神々しく輝いて見えた。
(ふわっふわダァ……っ!!!!!!)
ゼノは脳内で大歓声を上げ、絶叫した。言葉にできないほどのマシュマロのような感触が、震える指の腹から脳髄へと直接突き抜けていく。一度足を踏み入れてしまったこの禁断の領域の甘美さは、もう二度と引き返せないほどにゼノの理性を溶かしていた。
自制心のタガが完全に外れ、ゼノの視線は、次に吸い寄せられるように別の場所へと釘付けになっていた。
それは、かすかに開いた――薄桃色のふんわりとした唇だった。




