11 本当の『龍化』
遅れてすみませんでした。
いつもの戦い方通り、エリシアの投げナイフがダークエルフに向って飛んでいく。
それを首の動きだけで、簡単に避けるダークエルフ。
今の状態なら当たるかと思ったが、そんな上手くいく訳はない。
だが、そのナイフはダミーだ。
追撃でフィス、その援護にエリシアが付く。
二人とも最初よりもずっと強くなってる、それなら……!
「甘い……! この鈍間が!」
「……!」「フィス!」
ダークエルフが勢いをつけたフィスの爪をかわし、その勢いを利用して投げ飛ばす。
幸いにフィスは受け身は取れたが、その後の攻撃には参加できない。
起点のフィスが止められたら、エリシアの攻撃は通りずらくなる。
フィスを投げ飛ばした後、ダークエルフがすぐに走るエリシアに向き直り、何かを唱える。
「『魔樹の根!』」
草原から無数の根が出現し、エリシアの移動を邪魔していく。
エリシアが足を取られた一瞬、ダークエルフが目にも止まらぬ速さで矢をつがい、放った。
豪風の如き矢が、空気を切り裂いてエリシアに向かっていく。
まずい……!
手元のクロスボウの矢をダークエルフに放つが、少し遅い。
放たれた矢が、エリシアの胸を貫くかというその瞬間。
「私がその程度見切れないと、思った、かっ!」
咄嗟に足元の根を切ったエリシアが、飛んできた矢を体を回転させ避ける。
着地の際も体勢を崩さず、すぐさまダークエルフと距離を取った。
ダークエルフが、俺の放った矢を簡単にかわす。
死角からの射撃にも関わらず、矢を見ずに回避を成功させたダークエルフ。
人外が……!
それにしても危なかった。
今の攻撃はエリシアだったから避けられたものの、もしフィスだったらただじゃ済まなかっただろう。
もしものことは考えても仕方ないが、嫌な汗が頬を伝う。
これからの攻防では、何度かそういうことがあるかもしれない。
「二人とも! 冷静にいくぞ!」
「うん!」「お前よりは分かってる!」
俺が出来るのは二人のカバーだけ。
いつでも、動けるようにしないといけない。
それから、さっきのような攻勢が二回ほど続いたが、ダークエルフに対してこれという決定打は入らなかった。
フィスの爪やエリシアのナイフは、奴の肌一枚を掠るだけで致命傷には至らない。
逆にダークエルフの攻撃は、こっちの体力をジリジリと削ってきている。
戦況は、間違いなくこちらが有利なはずだ。
目の前のダークエルフは立ってるのもやっとといった様子で、こっちはフィスが負傷しているがほぼ万全。
こっちが完全有利の状況。だが、全く勝てる気がしない。
さっきから防御で手一杯だ。
戦闘が長引いてるせいで、元から負傷してるフィスの動きがどんどん悪くなってきてる。
片腕なのも響いてるのだろう、いつもの調子ではないのは間違いない。
さっさと終わらせないと、こっちが負けかねない。
作戦は練ってある、でも、これはリスクが……。
いや、だがここで決めないと……!
ここぞという所なのに、考えが先行して上手く決断できない。
そんな俺を、攻防の途中でフィスがをふと見てくる。
俺の考えを読んだかのように、フィスが叫ぶ。
「アザミ! 何か策があるなら、言って!」
「竜種! 片腕のお前がよそ見かぁ!」
「片腕も仕留められない、お前が、悪い! エリシア! 少し時間を稼いで!」
ダークエルフの虚を突いて、フィスが俺の方に抜け出す。
それの間を埋めるように、エリシアがどうにか気を逸らしてくれている。
エリシアとダークエルフが戦っている。
間違いなく、ダークエルフが有利だ。
剛弓と魔術の波状攻撃、エリシアは回避の途中でナイフを投げるくらいで精一杯だ。
そんな状況で、もしフィスがダウンしたら。
この状況のまま、ダークエルフを倒さなきゃいけない。
絶対に無理だ。
ならば。
腹を括れ、真野薊。
ここでやらなきゃ、全部終わりだ……!
決断するなら今しかない。
自分で頬を叩き、気合を入れ直す。
フィスの顔を正面に見据えて、はっきりと言う。
「フィス、俺が合図したら龍化しろ。分かったな?」
「……うん!」
「よし」
作戦は伝えた。後は俺がやるだけ……!
ポーチの中からとあるものを出し、握り込む。
空気を吸い込み、全身全霊で叫ぶ。
「俺がぁぁぁ! 行くぞぉぉぉぉぉ!」
「!? 馬鹿なのか貴様は!?」
ダークエルフがこっちに意識を向ける。
それでいい……!
俺は、握ったものをダークエルフに向って全力で投げた。
直線的な軌道で飛んでいったせいで、いとも簡単にそれは撃ち落されてしまう。
だが、撃ち落された瞬間、俺とダークエルフの間に煙の壁が出来る。
そう、俺が投げたのは煙玉。
前にもダークエルフに使ったあの煙玉だ。
「また煙幕か! 二度も同じ手に引っかかるか!」
どうせ奴は、俺が煙幕を使ってどこか有利な場所を取るとか考えるんだろうが、全然違う。
俺は煙幕を使って迂回するのではなく、その中を愚直に突っ切った。
ダークエルフと俺の間を、最短距離で。
途中で矢やら魔術やらを食らったが、構わず突っ込んだ。
「フィス! 今だ!」
そのままダークエルフに突進をかまし、一緒に地面に倒れ込む。
その時に、ポーチの中から取り出したものを奴の背中にしっかりとくっつける。
トリモチみたいにアホほど張り付く接着剤付きだ、絶対に取らせない。
「なっ……! お前自殺志願者か何かか!? すぐに吹き飛ばして……」
俺に魔術を使おうとしたその瞬間、煙幕の中から現れた何かに気付いたダークエルフ。
「気付いたかよクソ野郎。頑張って戦えよ、うちのフィスは面倒だぞ」
「ギャアオオオオオオオオオオオオオオオ!!!」
煙を切り裂いて現れたのは、重厚な鱗を纏い四肢に鋭利な爪を持った黒い龍。
その瞳には、万物を食らいつくすような闇が溢れていた。
フィスが作戦通りこっちに来たので、急いでダークエルフから離れる。
もし俺の考えが当たってるなら、フィスはこのまま奴を攻撃する。
「貴様っ、逃がすと思ってるのか……!」
「はっ、俺を相手してる暇あんのかよ。前見ろ前」
「前……? なっ!?」
龍化したフィスの爪が、容赦なくダークエルフに向う。
魔術で起こした風で爪を弾いたようだが、それで止まるフィスじゃない。
「ガギャアアアアアアアアアアアアアアア!!!」
牙、爪、押し潰し。龍の体の全てを使った猛攻がダークエルフを襲う。
前みたいにフィスが体をもがれるようなことはない。
矢や魔術は確かに放たれているが、それらは少し肉を抉る程度。
龍化したフィスの再生力の前には効いていないのと同義だ。
ダークエルフが弱ってるせいか、フィスが前よりも強くなったせいかは分からないが、間違いなく善戦してる。
「貴様! 俺に何をした!」
「教えるかよバァカ。自分で考えろ!」
ダークエルフが怒気を含んだ声で叫んできたので、存分に煽ってやる。
作戦通りだ、そのままくたばれ間抜け。
俺が考えた作戦は、フィスを魔石を張り付けたダークエルフに誘導するというもの。
フィスには、魔石を好むという性質がある。
龍化した時も、巨大ゴブリンの魔石も食っていたことを見るに、普段と変わらず魔石を摂取することを最優先にして攻撃してると思われる。
ならば、魔石をダークエルフに貼り付けたら、俺やエリシアではなくダークエルフに攻撃は集中するのではないか、とそう考えたのだ。
もしかしたら、魔石に含まれている魔力を目的に動いてるのかもしれないが、あんなに魔術使ってるダークエルフにやる分には、さほど変わらない。
これにより、フィスの猛攻はダークエルフだけに行き、俺とエリシアは防御を妨害するよう動けば、あのダークエルフに殺せるはずだ。
ここで終わらせる。
そして俺は、この世界を思うがままに生きる。
激しい戦いのせいで、若草生い茂る草原はもう見る影もなかった。
土や石が盛り上がり、なだらかな起伏は消えていた。
エリシアに指示を通すために、フィスの暴れる音以上に叫ぶ。
「エリシアぁ! あいつの動きを妨害しろ、フィスに流れ弾が行ってもいい! フィスなら自分の治癒能力で何とかなる!」
「ほざけ! 私がフィスに当てる訳ないだろう、完璧にあのダークエルフだけを狙う……!」
拮抗した戦いを広げるダークエルフの背後に、エリシアの放ったナイフが飛ぶ。
闇夜に紛れるように放たれたそれは、勢いよく奴の背中に突き刺さった。
「がっ……!」
「よし! フィス、そのままやっちまえ!」
「ガギャアアアアアアアアアアアア!!!」
俺の叫びに答えるような咆哮の後、フィスの大きく振りかぶられた爪がダークエルフを襲う。
これなら、勝てる……!
「…………」
死を覚悟したのか、ダークエルフは何も喋ろうとはしない。
やれる。
確信にも似た直感の後、爪が振り下ろされる僅かな間、ダークエルフが何かの口上を発する。
「其は…………、…は……せし……、……ノ……」
一瞬だったが、呟くような詠唱がうっすらと聞こえてきた。
そしてそのすぐ後、ダークエルフの姿が消えた。
再びダークエルフが現れたのは、龍化したフィスの横。
その横腹を、何の工夫もなくただ殴った。
バガァァン!!!
フィスの巨体が、くの字に折れ曲がり草原を抉りながら飛んでいく。
「は……?」
思わず、間抜けな声が出てしまう。
それも仕方ないだろう、だって、いきなりダークエルフが何かを呟いたと思ったら、その後に瞬間移動してフィスをぶっ飛ばしたんだから。
意味が分からない。
俺の視界の端にいるエリシアも同じようだった。
何が起こったか分からず、ただ呆然としている。
俺たちの視線の先、フィスを殴り飛ばしたダークエルフは、血を吐き出しながら息を切らしていた。
なぜだ、いや今はそんなのどうでもいい。
奴がさっきの動きのせいで、吐血するくらい程のダメージを食らった。
だったら今、とどめを刺しにいけば……!
「エリシア! 動け! 今しかない!」
「あ、ああ!」
この距離なら、全力疾走して数秒。
エリシアだったらもっと早いだろう。
なら遅い俺がするのは、援護しかない。
装填済みのクロスボウの照準を合わせ、トリガーを引く。
鉄製の弦が勢いよく放たれ、矢がダークエルフに向って飛んでいく。
矢が止まる。
ダークエルフの手の中で。
奴は、見てもいない矢を手で掴んだのだ。
音は大きかったが、鉄製の弦で出来たクロスボウの矢を掴んで止めた。
こいつまさか……!
そう思った瞬間には、すでに結果は決まっていた。
投げナイフが避けられ、どこからか出てきた植物の根によって、雁字搦めにされるエリシア。
手を前に出して魔術を行使するダークエルフの口には、笑みがあった。
クソっ、やっぱりか……!
ダークエルフにはまだ余力がある。
俺たちを無力化出来るほどの、十分な力が。
俺はしてやられたのだ。
相手が弱っていると思って、油断した。
いや、油断させられた。
ダークエルフが、血反吐を吐くほどのダメージを食らってるのは確かだ。
でも、俺たちに反撃するくらいの力は残していた。恐らくだが、そういうことなのだろう。
まんまと策に嵌められたんだ、俺は。
俺の考えてること以上の出来事なんて起こるはずないと、そう驕っていた。
それが間違いなのは、この世界に来てから何度も分かってたはずなのに、勘違いした。
やっぱり馬鹿だ俺は。ずっと自分は才能がないと思い続けていたのに、こういう肝心な所で間違いをする。
いつまでも変わらない、馬鹿のまま。
「……ざけんな」
「何か言ったか? すぐそっちに行ってやる、お前も捕まえて法の下で裁いてやる」
「そこのウルファ族は知らんが、竜種はここで殺してやる。これ以上あいつを生かすのは、時間の無駄だ」
「ふざけんな! いきなり何か呟いたと思ったら、フィスはぶっ飛ばすし矢は掴むしエリシアは捕まえるし、もう何なんだよ! もう嫌だ! こんなの悪夢だろ!? さっさと起きてくれよ、悪夢ならさぁ! ほら、なぁ、おい!」
感情が溢れ出て、考えが纏まらなくなる。
幼子のような我儘が、口を付いて出ていく。
「俺が何したって言うんだよ! いきなり死んで、目覚めたら意味分かんない世界にいて! まだ俺15なんだぞ! ここで生きろって言われても無理あんだろうが! なのに一人で生きなきゃいけなくて、それでフィス手に入れて、そしたらこのザマだよ! ふざけんじゃねぇ!」
心の芯まで冷えたような目で、俺を見下してくるダークエルフ。
「なら誰かに言えばよかったんじゃないのか? 俺は『流れ人』だと。異世界から来た人間だと。助けてくれと。この世界では珍しいことだが、ない話ではない」
「はぁ……? 流れ人? そんなこと言ったら俺はどうなる!? 異世界の知識を寄越せと捕まえられて、何の人権もなく貪られて死ぬだけだろうが! 人間ってのは皆そうだ! 誰もかれも自分が大好きで、他人のことなんて何にも考えやしない屑どもばっかりだ! そんな奴らに助けを求めるくらいなら、俺は自分で生きやるんだ!」
「……なら、お前はここで死ね。お前みたいな奴が、この世界を生きるのはつらいだろう。僕がここで殺してやる。痛みも何もなく、瞬きの間に殺してやる」
優しい、慈悲に満ちた目だった。
俺に同情して、それで俺が一番求めるものをくれるだろう、そんな優しい目。
俺が前世で狂うほどに求めて止まなかった、そんな目だった。
「……んで」
ふと、前世の記憶がよぎる。
「なんだ」
「何で今来るんだ! お前が前世にいたら、俺はこんなにならなくて済んだんだ! こんな、人を疑ってただゴミみたいに生きるような、そんな人間には!」
「…………」
悲しい顔をしたダークエルフが、ただ俺を見てくる。
風が痛む傷口を撫でていくような、そんなそよ風吹く草原の上。
俺とダークエルフの間の10メートルに、また風が通り抜ける。
「ああ、ああああ、ああああああああああああああああああああああああああ!!!」
ただ叫ぶ。
もう無理だ、もう何も出来ない。
戦いたくない傷付きたくない死にたくない生きたくない何もしたくない。
そう思った瞬間、俺の体は駆けだしていた。
ダークエルフから逃げるように、ぐちゃぐちゃになった草原をただひたすらに走った。
走った、転んだ、走った。
買った靴がボロボロになって脱げようが、転んで血が溢れ出ようが、息が切れて肺が張り裂けそうになろうが、走った。
後ろのダークエルフは、ゆっくりと一歩ずつ俺を追いかけてくる。
その足音が近づけば、俺は死ぬ。
俺が死んでしまう、この人生が本当に終わってしまう。
嫌だ嫌だ嫌だ嫌だ。まだ、まだ生きたい。
何も出来てない。俺TUEEも、ハーレムも、心を許せる友達も、安心できる家族も、何も。
「諦めてくれ、お前はもう死ぬ。生まれ変わったら、僕に会いに来い。そしたら僕は、お前を助けてやれるから」
なんでだ、なんで今、お前は俺に優しくするんだ。
ずっと前に、それをしてくれてたら。
走って、走って、走った後、体に力が入らなくなって、前のめりに転ぶ。
もう動けなかった。
死ぬ気で体を動かそうとしても、這いずるくらいしかできない。
ふと、周りを見る。
目の前の地面が不自然に抉れていた。
前を見ると、腹に大穴を空け、その腹から血を漏れ出させているフィスが、横たわっていた。
激痛に顔を歪ませながら、這いずる。
地面を流れる血に汚れながら、フィスを抱く。
血色の悪いフィスの顔を撫でてやる。
死にかけのフィスを見る。
肉付きが最初よりずっと良くなった、髪にも艶が出てきた、顔も綺麗になった、傷も目立たなくなった、笑顔が増えた、狩りが上手くなった、口数が増えた、食べる量が増えた。
俺を信じて、したくもない龍になった。
そんな背丈だけ大きな、至って普通の少女の顔を撫でる。
「あぁ、ごめんな、フィス。俺らが言ってた復讐は、ここで終わるらしい。ごめんな、付き合わせて」
「……いいよ、アザミ。ここまで、楽しかったから」
「はっ……。あれが楽しかったとか、お前も変な奴だな」
「あのままあの檻にいたら、私は死んでた。アザミといるのは、ちょっと嫌な所もあったけど、ずっと幸せだった」
「そっか」
涙が頬を流れていく。
俺のあんな、人を人に扱わないような態度でも、こいつは幸せと言ってくれるのか。
何で、気付かなかったんだろうな。
いつまでも、俺は馬鹿だった。
もうすぐ死ぬ、この時でさえも。
俺の頬を、腕の中のフィスが撫でてくる。
たまに見せる、はにかんだような笑みを湛えて。
「アザミ。これから今以上に、辛いことがあっても、生きていられる?」
「はっ、死ぬ間際の今より辛いって、そんなのないだろ。生きれるなら見てみたいよ、そんな光景」
「じゃあ、私が言うことを、繰り返して言って欲しい。いい?」
「いいよ、それで生きれるならな」
呼吸器がやられてるせいか、喋るのも辛そうなフィスが言う。
なぜか、その声はやけにしっかりと聞こえた。
「『我、龍を従えし者なり。我、此の命を以って契らん。此処に、龍契を為す』」
不思議な魔力が、俺を包む。
ああ、繰り返さないといけないんだったな。
なんか眠くなってきたけど、言わなきゃ。
「『我、龍を従えし者なり。我、此の命を以って契らん。此処に、龍契を為す』」
俺がそう言うと、周りの魔力がフィスに集まっていく。
普通の魔力ともアレイスターが使う魔力とも違う、やけに心地よく、だが力強い魔力。
フィスがその魔力を纏うと、腹に空いた傷がみるみるうちに塞がっていく。
顔色もどんどんと良くなっていき、閉じそうになっていた目がしっかりと開かれる。
そんなフィスが、おもむろに俺の腕から立ち上がり、言う。
その前には、俺を追ってきたダークエルフが立っていた。
「ありがとう、アザミ。これから、よろしくね」
「はっ……。ここで、終わりだろうが……」
「アザミはもう、寝てていいよ。後は、私がやるから」
「ああ、そうさせてもらうよ……」
意識がゆっくりと、遠のいていく。
虚ろな視界で、ダークエルフに立ち向かうフィスを見やる。
まだ戦うのかよ、もういいだろ。
諦めてもいいんだぞ、フィス……。
そんなことを頭の片隅で思いながら、フィスが発した言葉が耳に入ってくる。
「『龍化』」
俺の意識は、その言葉を聞いた瞬間に途切れた。
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