不幸は蜜の味
注意!
この回はハルカの話だよ!
「世の中にはですね、面白い食材がいろいろあるんですよ。」
晴れの日の空の下、レストランを経営しているコハルがさんが私に話しかける。
「いろいろ?」
「そうです。例えば食べる人を選ぶ食材とか、近くの他人の不幸で甘くなる蜂蜜とかです。」
「なんですかその悪趣味な蜂蜜。」
「で、それがこの蜂蜜。」
コハルさんはテーブルの上にある蜂蜜を人差し指でコツンと指す。
「……本当にあるんですね。」
悪趣味っ!
……あれ?なんでコハルさんそんなもの持ってるんだろう?
「特にやましいことはないですよ?珍しいから買っただけです。」
「そうだと良いです。」
「本当ですよ!?……まあ、それは置いておいて、練習始めてください。」
「絶対私が苦労しても全然上達しない私を利用しようとしてま──」
「まあまあまあまあ!上達すれば良いじゃない!」
うわっとっと!
コハルさんが背中を急に押してきたせいで転びそうになった。
はあ……いつになったら上達するんだろう?
少しネガティブになりながら、自転車とバイクの中間みたいな乗り物(イスターという。)を広いまっすぐな道において、またがる。
「よっと!」
運転難しいんだよねこれ。
私はペダルを漕ぐ。
自転車とは違って勢いよく進む。
「うひゃあぁぁぁ──────────!!」
「頑張ってくださ───い!」
バイクよりも早く走るけど、ペダルを漕がなければ操縦が上手くいかない。
なんて言う操作性能してるんだぁ!と叫びたいけど、普通の二輪車より早く走るからその代償なのかなぁー。
「うわあっと!」
よろけて倒れそうになったから、ギリギリで止める。
後ろを振り返ると、まだコハルさんが見える距離だった。
だいぶ遠くまで走った気がしたのに〜……。
そこからも何度もイスターの練習を続けたけど、全然上手くなれなかった。
○
「やっぱり向いてないのかな……。」
「諦めないください!」
コハルさんはそう言いながら蜂蜜をトーストに塗っている。
もう!苦労も知らずに!
「さあ、どのぐらい甘くなってるんでしょう?」
「多分めっちゃ甘いですよ。」
コハルはパクりとトーストを食べる。
「しょっぱ!」
「えっ?」
幸福は味噌の味……?




