↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
30/33

東の国

注意!


自転車が特に喋らないけど気にしないで!

これは本当に昔の昔。シドに出会うよりももっと前の、私が子供の頃の話。

ぼんやりしているのに、何故かはっきり見えるような記憶なんだけど、東の国にお父さんとお母さんが連れて行ってくれたんだ。確かシリカ教の聖地に行くためなんだったんだっけ?まあいいや。

海辺の街っていう街にあった親戚の家に一ヶ月ぐらい泊まったの。

そこの街並みはね、電信柱が並んでいて、一戸建ての家や低層マンションが入り乱れた……まあ至って普通の街並みだった。電線が空を走って、コンクリートの歩道に植木が並んでいるところとか、見ていて飽きそうだけど妙な安心感を覚えたなぁ。坂道が多かったのは少し不便だったけどね。

山を越えればそこに海があって、そこでは、砂浜で波のさざめきを聴きながら山を作ったり、浅瀬で水に足をつけたりして遊んでた。泳ぐのは苦手だったから泳いでないよ。

それで、気がついたら夕陽が水平線に沈んでいて、お母さんが迎えにきて、手を繋いで家に帰るの。

家に帰ると白い壁紙を白い光が照らす玄関と、親戚のおじさんと、夜ご飯の香りが出迎えてくれたのはよく覚えてる。

夜ご飯は野菜炒めだったり、お好み焼きだったり、グラタンだったり、時にはピザなんか食べたりしたね。

え?面白いことはなかったって?う〜ん……シドが喜びそうな話はあんまりないな〜。

ああ、別の街に行った話はあるよ。

トキョ?トッキョウ?だっけ。でっかい赤と白のタワーと、銀色の廃材の山があるところ。

そうそう、東京って街。

電車っていう乗り物でその街に向かっていた時は無性にワクワクしていた気がする。

なめらかに発車する電車が徐々に高くなるモーターの音がまるでファンファーレの様に鳴り響いたと思えば、ガタンゴトンと席と一緒に私を揺らして、暇になったら変わり巡る窓の外の景色に自分を走らせてみたりしたりして。

あっという間に東京に着くとそこには海辺の街とは大違いの景色が広がってた。

大きなビルが立ち並んでいて、牧場みたいに大きな交差点とかもあったし、とにかくスケールが違かったね。

そこにあったハンバーガー屋で食べた月見バーガーの味が忘れられないな。

……いや忘れたかも。うん、忘れた。

まあとにかく、迷路みたいなその街で、迷子になっちゃったこともあったよ。

そう。勝手にうろちょろして迷子になった。よくわかったねシド。

その時はお父さんに厳しく叱られたから帰り道はしょんぼりしてたけど、お母さんが元気付けてくれたから数時間にはケロッと唐揚げを齧ってた気がする。

まあ、そういう国があるから、いつか行ってみたいよね〜って話。

行ってみたいな〜。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。