世界の果ての話
注意!
自転車が喋るけど気にしないで!
いつにも増して、今日は風が強いようで、風が空を切る音が聞こえる。
ヒューっと甲高い音が見せるその絶壁は、まるで世界の端っこのようだった。
「これは……迂回しても端が見えなさそうだね。シドはどう思う?」
「大陸でも横断しそう。付き合ってあげてもいいよ?」
「いいや、もうちょっと考える。」
メルは壁に手をつけ、何かを考える。
雲より上まで聳え立ったその黒い壁は、圧巻の一言に過ぎるとも言えるのか。
静かに、そして丁寧に歩く。
草地を踏む足音が、心地いいかのように
「シド、世界の果てってことは、この先に世界はないわけでしょ?」
「うん。当たり前だね。」
「でも、ここに壁がある。」
「あるね。材質は?」
「ただの加工された鉄。つまりこの壁は設置された物ってことになる。」
「じゃあ設置される空間が必要だね。」
「世界の果ての先は?」
「……ああ!そう言うことね。」
「そう。」
そう言うとメルは、シドのリアキャリアに乗っていたあのリュックを漁りだす。
「あれ。あれ?」と、不安になりそうな声を出しながらリュックから本やら、凄い臭いのする缶詰や、いつ買ったかわからない飴玉に、しゃりしゃりと音が鳴るお手玉、ぬいぐるみ、骨、石っころ、魔法少女変身用のアクセサリー、赤く発光している髑髏の模型、などなど色々な物を放り投げて、底の方から丸い何かを取り出す。
「それは?」
「ほら、ちょっと昔に貰ったおかしい威力のグレネード。」
「あの爆発魔しかいない国の?」
「うん。ちょっと離れてて!」
シドはできる限り離れる。
グレネードを投げるメルほど危ない人はいないと、ギリギリ見えるぐらいまで離れる。
「いっくよ────!!えい!」
メルはグレネード投げると同時に、後ろに全力で走る。
しかし途中で小石につまずき、メルの体が宙に浮く。
それと同時にグレネードがおかしい大きさの爆発を起こす。
爆風がメルを押し上げ、更に空高く飛ぶ。
「うわあっ!」
シドは楽しそうに笑うその光景を見て、もう絶対にメルに爆発物を渡さないと決心する。
はしゃぐメルを横目にシドは空いた穴を見る。
その先には、広い広い草原と一つの国が遠くにあった。
いわゆる、世界の続きという物だ。
「やっぱりまだ先があったね。」
「でしょ?世界には限界がないんだから。」
「じゃああの散らかったリュックの中身もちゃんと整理して片付けられるね。」
シドが見る先には、大量のガラクタと、その上でまだ半分も中身が残っているリュックが地面に転がっていた。
「それとこれは別!」
ジョブ:タビビト ボマー
名前:メル
ばくはつ するものを あたえると
かならず いつか ばくはつ させる
とても きけんな ひと




