草原の話
注意!
自転車が喋るけど気にしないで!
「すごいね。この草原。」
メルがその草原に立つ。
その声に誰も応えない。
ノイズのかかった草原には誰1人もいない。
空っぽだ。
もしその先に誰かがいるならば、メルは憂鬱になるだろうか。
羽が生えたような勇気を、時間に委ねて混ぜる。
平原の先に黒い扉が見えた。
メルはそこに向かって進む。
可笑しな話であろう。旅の終着点だろうか。世界の端だろうか。
故に、誰かを求める。
あなたはここに何を求める?
メルに何を求める?
黒い影を覆う光は、他の全てを置き去りにする。
黒い扉をメルは開く。
その先は、草原があった。
その先に何を求める?
ドラム缶が走るような光景に圧巻といえば有名だ。そうしてピエロが泣いた時夕暮れを眺めるだろう。巨大ネズミが鳴き始めた時、ポッケに入った係員がお金を奪う。楽しんだ世界は悲しみを求めるだろう。
愚かで、優雅な、その草原は、ゆっくりと話す。
元素記号のような記号化された世界に、何を求める?
計画的実行を肌に触れたときのようにニワトリがなく。
有名な人間は踊り、かの少女を草原に投げ込むだろう。
謎解きであれば任せろと言うばかりに草から怪盗団が現れる。
「誰ですか?」
「怪盗だ。」
そのまま空に飛んで行った。
鶯が鳴いたことには忙しさすらも消え、夢心地になる。
圧巻圧巻。
○
「──どう思う?」
メルは支離滅裂な、自分を主人公にした話を、シドに聞かせる。
「何か考察でもできそうだね。」
「だよね。でも、仮にこれが本当に意味もない空っぽだったら、どうする?」
「う〜ん……意味を作るとか?」
「そう言うこと。」
「どう言うこと?」
「私は〜空っぽも好きだけどね。」
「空っぽ以外も好きなんだね。」
そんな話を、ノイズの入った平原で話していた。
人は考察をして、疲れて、楽しむこともあるのです。




